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ホーム > エッセイ(その他) > 日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか 竹田恒泰

日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか 竹田恒泰


皇族直系の子孫による日本論。現代日本人が日本を誇れなくなった事柄を憂い、
様々な視点で日本人を叱咤している。内容がタイトルと多少ずれるが問題なく読める。

この本のレビュー

タイトルが斬新で多くの日本人が思わず手にとってしまったであろう本。
プロローグで世界の世論調査で日本を好きか嫌いかというデータをあげてあり、
その後、中身はその細かい分析にはいるのかなぁと思ったが意外とそうでもなかった。
しかし、学校の歴史では習わないような過去に日本人が外国で残した業績などを紹介してあり、
「へぇ~、そんなこともあったんだなぁ」と感心するような内容もあった。
例えば、台湾の嘉義のダムの話。
八田与一については台湾人では知らない人はいないといいます。
不毛の地だった台湾南西部の土地にダムを造り、今では台湾有数の穀倉地帯です。
日本では戦後の教育がねじ曲がりにねじ曲がり、どうも第二次世界大戦にまつわる
出来事を頭っから否定したり、全く教えなかったりというおかしな現象があります。

戦争は良くないことだし、それを美化することはいけませんが、その時代に台湾や
朝鮮半島でりっぱな行いをした技術者や学者はいたわけです。
そういった人の業績まで抹消してしまうのはいかがな物かと思います。
台湾はまだ国民に親日的な人も多いため、こうやって知る機会もありますが、
朝鮮半島に関しては皆無に近い。

ちなみに2011年には八田与一の家の復元もでき、馬英九総統も式典に出席しました。
日本人も自民党の議員などが出席したみたいだけど、日本で報道されたっけ???
ちょうど私は旅行に出てたので記憶にないんですが、ちゃんと報道されていたらいいなと思う。

ちょっと前にNHKの番組を見ていた時に、九州の人でインドで私財をなげうって植樹をして
穀倉地帯に変えるために奮闘した人のことが特集されていて、
その時に、「へぇ~」っとびっくりしました。
インドに行くたびにインド人は日本人のことを嫌いじゃないようだ・・・というのはわかるのですが、
元来、インドって遠いし、インパールとかボーズとかくらいしか接点はないような気がするし、
一体なんでだろうか?と思っていたのですね。
この人のことが歴史の中で出てくるかどうかはしりませんが、こういう姿を見られていたのかなと。

立派な日本人がいたからといってそれを自慢げにするのはいけませんが、
子供たちの教育のためには日本人は悪いことをしたんだという自虐史を植え付けるばかりでなく、
こういうこともしっかり教育すべきだと思います。
少なくとも、学校の教育が偏っている以上、自発的に本を読んだりして自分から「なぜ?」と
考えるような子に育てるのが最低限必要ですね。今の日本じゃ。

と、前半は、このような過去の行いが立派だった日本人の紹介やら、
中国から教えて貰ってばかりのまねだといわれていた日本文化のことなどが、
実は日本発祥だったりという事実があるとか、わりと誰でも読みやすい内容ですが、
最後の方になると、天皇と神話をあがめつらう感じで微妙に内容がずれていきます。

例えば、西洋では進化論を否定して、歴史がキリスト誕生から始まったりしますが、
日本も神話に科学的根拠を当てはめるべきだという論理は???という感じで。
天皇や神話、国の成り立ちを学校で教えないのは私も間違っていると思いますが、
科学で神話をごっちゃにするのはちょっと違うような・・・。

ただ、私はずっと皇室の意義とかってよくわかんないなぁと思ってきたんですね。
ところが、今年、東日本大震災が起こったことで、その意識が180度変わりました。
被災地をまわる天皇陛下、皇后陛下を見ていて、いや、ただお会いして言葉をかけて頂くだけで、
人の心が癒されてしまうという、あの存在はすごいと思った。
まさにこの本の巻末の対談でビートたけしが言っているように神に近いのだなぁと。
なんていうか、あの出来事一つで、皇室って日本には大事な存在だと一瞬で理解した。
今までは、あまりに遠い存在で、よくわからなかったんですけども。
言葉ではうまく表現出来ないけど、ただ、一瞬で必要だと。それだけ。

そして、この本を読んで、日本の皇室のようにここまで長い間続いている王朝は
世界にないということを知り、そ、そうだったんだ~っていう。
日本って島国だった地理的な環境もあったと思うのですが、長い歴史があったのですね。
そういえば京都御所に確かにお堀はないよなとか、天皇暗殺を企てようとした人など、
だれもいなかったのかも・・・と今まで考えたこともないことに気づかされた。

この本はタイトルと内容があっていない!という方もいて、確かにそういう側面もありますが、
新書という出版スタイルだし、手にとって読んでもらう手法としてはそれはアリだと思う。
それより、日本人が日本のことをもっと考えて、誇りを持って生きていくための
情報収集の入門書になるとおもいます。

私は日本の伝統工芸とかのことも心配です。
デフレだし、どんどん便利で安っぽいものに流れる今の風潮が心配でなりません。
着物もポリエステルなんだもん・・・。着物やさんに売っているのって・・・。
よし、私も着物くらい着れるようになるぞ~!と思いました。

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