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世界の市場 松岡絵里/吉田友和


世界各国の庶民が集まる市場を写真と体験談でまとめたガイドブック?
市場の鮮やかなカラーと活気が伝わる写真が満載で見ているだけで楽しさが伝わる。

この本のレビュー

この本はまず表紙にお金をかけなかった?のが惜しいところ。
表紙のロゴがなぜかゴシック体の黒。ストライプ柄の背景にちりばめられた写真。
なんか見た感じが固そうなイメージで「面白くなさそうだなぁ」と思いながら手に取った。
頭の固い人が作った本だとおもいました。
中を開けてみたら、まー、市場の活気や息づかいが伝わるような鮮やかな写真や、
生地や写真とのバランスは見事で、表紙、もったいないなぁと思った。
まあ学校の図書館に入れて欲しいならよいかもしんないけども。

著者は世界一周旅行に行かれたかたなのでその時に立ち寄った市場を集めたとみえ、
それこそ世界中の市場から特徴のある市場を掲載しているのだが、
私が行ったことのない地域のことはわかりませんが、行ったことある国だけでいうと、
ほとんどがガイドブックなどで紹介してある市場ばかりが掲載されています。
特にその国の首都とか、一番日本人がよく行くところがメインかも。

まー、それはあまりマニアックな場所にある市場を紹介しても読者が行けないので、
あえてそういう編集方針にしたのだろうと思った。
最初がメキシコのグアダラハラっていうのはマニアックだが。(あんまし日本人いかないし。)

ガイドブックに載っている市場の紹介では雰囲気まで伝わらないので、
旅で市場巡りが好きな人は持っていても良い本です。

旅行に行くと市場に必ず行くという人は多いと思いますが、
市場だけでなく商店街、スーパーマーケットだけでも人の生活が見えて楽しいですけどね。

私の場合、メキシコの後、キューバに行ったので、キューバの市場の活気のなさに驚きました。
メキシコではそれこそ人々はモノにあふれている生活をしていてショッピングモールだらけ。
市場でもスーパーでも商品が山積みです。それがお隣になると商品は必要最低限になる。
確かに鮮やかないろの野菜がめい一杯積み上げられた市場はとても楽しいけども、
対照的な国を見ると、無駄なものを消費しているような気もしたモノです。
でも貧富の差とか、全体の人の幸福度で言ったらキューバとメキシコで比べようがない気がして、
物乞いとかいないですからね。キューバって。メキシコは貧富の差が激しい。
一方でメキシコは人の親切にお金がいらない。(キューバはチップをあげるのは暗黙の了解。)
そんなもやもやを抱えながら眺めたのがメキシコの市場だったんですよねぇ。
なんか、楽しげな記事を読みながらも、そんなこと思い出しました。

本の巻末には著者の思う市場歩きのコツなどが書かれています。
この中の「文化は尊重すべし」というのに日本人的な発想だなぁと思いました。

いえ私も日本人なので同じ考えを持っているし、それこそゲテモノを大騒ぎする人見るといらつきますが、
でも「相手が嫌な思いをすることを考えよう!」っていう発想は日本人独特な気が。
納豆だって蜂の子だって日本人でも「げーー」っていう人いるしさ。
理想を言えば確かに著者の言うとおりだし、私も否定は全くしないし、むしろ激しく同意する。
この前も中国で蚕の蛹を美味しく食べてきたし。(これは比較的ハードル低いと思うが。)
でも、未だに「クジラは頭が良いから食うべからず」というSSとか見てると無理な気がしますね。
世の中、政治的な思惑とか自分の価値観を押しつける人の声の方が大きい。
では人肉食べる民族に関してはどういうのだろう?と思ってしまいました。
でもそういう食習慣がある以上、それを非難してはいけないことになりますし、
だから理想は理想で、自分の心の中ではそのルールを守るのはいいと思うんだけど、
その人が無知さをさらけ出すのはその人がそこで恥をかくことで、人間そういうのを経て
成長するところもあるし、まあ、そこまで言い切ることもないんじゃない?と思ったりした。

要するに「日本人は失礼な民族だ!」と思われるとイヤだなっていうのもあるんだと思う。
私は海外に出て日本や日本人の振る舞いをほめられるたびに、 その土地にやってきた日本人がそれだけの素晴らしい振る舞いをしたことに感謝するし、 大変嬉しく思う。
だから、自分も振る舞いに気を付けなきゃなと思う。
個人のちょっとした振る舞いが民族全体の印象になってしまうこともあるし。

作者の言うことに反対ではなくて、むしろ考え方はすごくそっくりだなぁと思うのですが、
まー、旅番組で芸能人が大げさな反応をしているのはそれをいってはそういう番組を作っている時点で失礼にあたるんで、気分は悪いけど、我慢しましょう。お互いに。ってトコかな。

あんまり考えすぎると市場とか町など観光地のつもりではない場所をを歩き回ったり
興味深げに写真をバシャバシャ撮ることも失礼に値してきちゃいますしね。
自分のなかで線引きをできるようにしたいですね。いろんな意味で。

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