せっかくルクソールまで来たのだから、観光客らしく、西海岸の遺跡も見て回りました。
定番のハトシェプスト女王葬祭殿、そして王家の谷です。

西岸の農家 ルクソールは東海岸は大きなホテルなど観光客向けの施設が充実しているのに対し、西海岸はサトウキビ畑と小さな町があるだけ。
運河の脇に通ったサトウキビ用のトロッコの脇道をてくてく歩いているとルクソールにいることを忘れる。
観光客だということを意識せずに農家を眺めながらのんびりできるのが不思議な感じです。

観光地から東岸に戻ったのは日もとっぷり暮れた頃。
犠牲祭の雰囲気が少しでも残っていたらよいなと期待し、この日の朝、大牛がいた路地をわざわざ通ってみました。

朝は数人の大人がナイフをしゃーっ、しゃーっと研いでいて、周りに多くの子供がたむろっていたわけですが、
帰りはなんだか地味~な雰囲気ながらも大人がいるんです。
それも結構年老いた感じの人が道のはじっこに座り込んでおしゃべりをしている。

「こういう日は近所の老人が集まって井戸端会議でもするのかな?」なんて思ったのもつかの間、
よく見るといるのは老人だけじゃないし、老若男女あらゆる年代の方がおられる。

そして、徐々に「牛」がいたお宅に近づくにつれ、ようやく気がついた。
路地の隅に座り込んでいる人たちの身なりが少々みすぼらしく、やせ細っていることに。

そして、朝方、牛がいたこのアパートの入り口だけ煌々と電球が灯っており、おじちゃんが数人がかりでハンマーやなたを振り下ろしていた。

路地の隅に座っていた人たちは、今日神様に捧げられた牛を分けて頂くために待っていた。
恐らく貧しい人たちで、トンテンカンと解体されているのが朝、そこに繋がれていたうしくん。

イスラムの五行の一つに「喜捨」があるが、これであろうか。

エジプトに入ってから、「マネー、まね-」「バクシーシ!」と子供に追っかけられる立場だった日本人の私からすると、 素直に感動というか、「ああ、そうか~」と心にすとんと落ちた。

インシャアッラー。(←使い方間違ってるってば(笑))

犠牲祭で解体されていく牛君。

「あのぅ、写真とってもいいですか?」

すると高校生くらいの男の子が、「だめ!」と我々を遮ろうとしたのだが、
牛を解体していた年配のおじさんが「いいよ、いいよ。撮りな。」と許可してくれた。

犠牲祭06年その2 そして、我々を興味深げに見つめ続けている少年が1人。
彼は朝からずっとお手伝いをしていたとみえ、ガラベーヤが血まみれ。
ただでさえ祭りで浮かれている上に、外国人が現れて大はしゃぎである。
自分が牛を捌いたわけでもなかろうーに、ナイフ両手にポーズをとっては「はい、撮って!」って、ありがたいのですけど、 これまでのエジプトの経験で、バクシーシと言われるのを警戒してしまう。

犠牲祭06年その12 さて、屠られる牛に話を戻します。
今朝、このアパートの前につながれていた彼は神様に捧げられた。
こうやって朝から1日かがりで解体され、人々に配布されていった。
今、ここに残っているのは彼の頭と皮と内臓と、あとはわずかな部分だけ。きっと皮も大事に使われることだろう。

犠牲祭06年その11 ここにたどり着く前、羊の皮をずるずる引きずっているちいさな男の子を見かけた。
母親のお使いでどこかに羊の皮を持っていく途中だったようだったのだが、 その後、こうやって羊をかき集めている業者をいっぱい見ました。
犠牲祭に限らず、羊を常食しているのでこういう業者はいて当たり前なのですが、 普段はここまで町中で羊を屠ることは滅多にない。せいぜい肉屋くらいでしょう。
だからある意味、大量の皮回収業者の姿も犠牲祭の風物詩ともいえそう。

犠牲祭06年その1
冒頭の羊の頭を抱えた少年再び。紙袋の下にも皮とか内臓を隠してありました。

スーク 犠牲祭の翌日。
この日の夜行バスでカイロに戻ることになっていたため、昼頃からルクソールの東岸を散策していた。
東岸はおととい(祭り前日)も歩き回ったが、明らかに雰囲気が違った。
スークの店がほとんど閉まっていて閑散としているというのはこの前書いた。
そして、やたらに子供が多かったということも。

広場
広場2
この日は、おとといまでほとんど人出がなかったルクソール神殿前の広場は人で一杯。
ダンスをしている人、サッカーをしている子供、そして、神殿の内部にあるモスクにいく人々は切れることがない。

そして、広場だけでなくナイル川のほとりにもひたすら人があふれていた。
10×5列くらいの隊列になった男の子が互いの腕を組み、歌を歌いながらスキップ行進してきたり、なんだか楽しそうで笑ってしまった。
太鼓を叩くリズム班もいましたね。そして、なんか、みんな笑いながら道を譲ってましたし。

いつもよりおしゃれして、友達や家族等大切な人と一緒に楽しく過ごして。
町の雰囲気も人の表情もなんだか明るくて、じんわりと暖かい3日間でした。

ハレの日っていうのはこういうのをいうんだなぁ。

日本でいうとなんでしょね。やっぱ夏祭りが一番雰囲気近いだろうか。
最近のエジプトはきな臭い雰囲気が漂っていて観光客はすごく減っていると思うけど、
テレビで流れるのはそういう特殊なところだけで、こういう行事はちゃんと続いているのでは?などと想像しております。