giseisai14.jpg 12月30日 05:30。しーんと静まりかえった町に近くのモスクからアザーンが鳴り響いた。

エジプトは暖かいと思っている人も多いと思うし、わたしも知人に「昼間は暖かいよ」なんて言われて訪れたのだが、今回に関しては全くのウソというか、たまたま大寒波が訪れていたのかむちゃくちゃ寒くバスの中で死ぬかと思ったほど。 だから、この日も勿論5時半なんて真っ暗だし、寒いし、バルコニーに出るのすら躊躇した。

giseisai26.jpg そんな寒い朝。バルコニーに出てみると、普段の朝とはなんとなく違う。
アザーンを合図に次々と人が現れ、男も女も、大人も子供も若者も脇目もふれずに目の前の路地に入っていく。 その先をつーーっとたどると住宅の合間からとがったストゥーパが顔を出している。勿論、それはモスク。

この日は犠牲祭の朝。いつもはおうちでお祈りする人も今日はちゃんとモスクに行く。
一人、また一人と次第に人並みは増え始め、ぎりぎりの時間に小走りに滑り込むのは寝坊した人か。
「早くこーーい。始まるぞ~」とも言ってるかのごとく、静かな町にアザーンが鳴り響いている。

朝の10時頃。気温も徐々にあがってそろそろ観光に・・・というところ。身支度を整えホテルを出てみた。
宿泊したホテルの前の道は、ルクソールの町をぐるぐる回るマイクロバスの通り道で、昨日はそれなりに車通りが多かった。
でも、この日はまばら。そして、心なしか人通りも少ないし、商店も食堂もほとんど閉まっていた。
ただし、そこは観光地であって、すべて閉まっている訳ではないのが旅行者には非常に助かるところだ。

この日のルクソールは例えてみると15年くらい前の日本の正月。
元旦はお店はほとんど開いてないけど、コンビニとファミレスは開いている。そんな感じ。
今の日本は盆暮れ正月関係なく開いている店ばっかりですけど。

その幹線道路を挟んだ向こうに肉屋があり、女性が肉屋さんに羊を屠ってもらいに来ていた。
おじさんは羊をむんずとつかみ、すぱっと首にナイフを入れた。

「女性には重労働だろうし、肉屋でやってもらうこともあるんだなぁ。」

しばらく立ち止まって見ていたが、犠牲祭だからなのか、ただ単に肉屋だから羊を屠っているのかがいまいちピンとこず、そのままその場を離れた。

「犠牲祭って言っても旅行者にはそれほど関係なかったかなぁ。」

半分がっくりしながらも、裏路地を歩いてみると目線の先にいたのは うしがいた。
一頭のうしが大人しくロープにつながれてたたずんでいる。

果たしてこの牛、今から屠られるのか、飼われているだけなのか。
よく見ると周りの男達は、ずた袋を細切れに切り取っていたり、ナイフを研いでいたり、屠る気満々。

シャッ、シャッ、シャッ。

周りにいる誰もが声を出さないので刃渡り30センチはあるナイフを研ぐ音だけが、聞こえる。

「ここに立ち止まって見たい!けど、見れない!あたし異教徒だし。」という葛藤を繰り返し、何度も振り返り、止まってはのぞき込み、その場を離れていった。
あの牛はこれから神様に捧げられるのだなぁ。

犠牲祭当日のルクソール散歩

牛を見て気をよくし、ナイル川の船着き場までの間、わざと裏路地を歩いていった。
昨夜庭先に羊を連れ込んでいるお宅も見たし、もしかしたらめぇぇぇぇ~と羊の断末魔の叫びが聞けるかも。

気がついたのだが、この日は特に外で遊んでいる子供の数が多い。そして、それだけではなく、ロバにまたがって路地を闊歩している男の子が何人もいる。

「あれ?これが例のフェスティバルってやつじゃない?ロバに乗れるって兄ちゃんがゆってたし」
「違うよ~。きっと家にロバがいて、それに乗って遊んでるんだよ。暇だから。」


で、ルクソール神殿から駅まで続くこの町のメインストリートムハッタ通りに出ると、どや~と若者がいっぱい。
若者のたむろっている場所はコシャリ屋で、その向かいにあるのは映画館。高校生から中学生くらいの男の子が多く、「相変わらずコシャリは人気だなぁ」「やっぱ休みの日だから映画なんかね」なんて思いつつ神殿前まででた。

giseisai31.jpg こっ、これか~、フェスティバル

昨日まで何もなかった通りにサンドイッチやアクセサリーを売る屋台が出没。
路地の入り口にはロバ乗り場があり、子供がどや~っと群がっている。
さっきの子供はここでロバを借りて乗り回していたってことだな。なるほど。納得。

giseisai32.jpg これらは観光客向けのイベントでは全くないため、子供を乗せた馬を引くおじちゃんも、ロバにまたがった子供も、我々のことなんてかんけーなしで、ひたすら楽しそうだ。自分の子供かわいさに写真を撮りまくるおじちゃんの姿もほほえましかったし。

そして、ルクソール神殿をぐるっと回り、対岸に渡るフェリー乗り場に向かった。

ナイル川の沿岸の歩道は、大量の観光客、エジプシャンでごった返していましたが、この日は特に子供がすごーーく多かった。 そして、みんな晴れ着を着ているんです。

女の子はお化粧して、かわいいバッグを片手にすごく大人っぽい民族衣装を着てたりして。男の子もガラベーヤ姿の子がかなり多い。
そして、友達や兄弟と一緒に連れ立って、フェリーで対岸に遊びに行く。

今思えば、この日は大人は忙しかったんだと思うんですよ。羊さんを捌いたり、捌いたものを調理したり、なんやかんやで。だから子供ばっかりが大量だったんだと思う。わたし的には(勿論、大人もいましたが、子供の数が圧倒的だった)。

昨今の日本の夏祭りの様な派手さはありませんが、昨日までの静かな観光地とうってかわって町の雰囲気が浮かれている感じ。
観光客相手のスークまでぴっちり店を閉めていたくらい。

これぞフェスティバルって感じだ。

フェリー内の売店(豆屋)
左:フェリーの中の売店は、アラブ菓子屋と豆屋でした。 右:一日中、このくらいどや~っと人が行き来する。

フェリー降り場 肉のかたまり
左:フェリー降り場 右:くそ寒いのに日光浴をしている外人がいっぱい。

外人の群れ らくだ。外国人が大量に乗っていました。
西岸の船着き場近くの広場には、ラクダ乗り場がちゃんとありました。
いろんな人種の人が混ざっていたのでルクソールの日帰りツアーに参加した人たちでは?と推測しています。

フェリーと対岸
あの山の麓は西岸の遺跡です。ルクソールは東と西で顔が全然違う。