巴古崙岸部落の青年の踊り
【台東市郊外の巴古崙岸部落の豊年祭:青年たちの踊り】

巴古崙岸部落の豊年祭の会場である射馬干公園までは無事にたどり着いた。
台湾観光局のまとめた豊年祭の日程表によると、この部落の豊年祭は7/23~25の3日間。
中でも祭りを行うのは24日と書いてあった。
この日は他の部落の豊年祭の日程が書かれていたのだが、17:00開催とのことで
地理に疎く、足がない観光客には行きにくい。(レンタカーを借りたり、車をチャーターするなら話は別。)
そこで昼間に開催しているこの豊年祭に目を付けたわけだが、ええっと、どうしたモンだろう・・・。

東屋の上から遠巻きに見ていると、運動会の競技風の種目になり、おばちゃんがはしゃいでいた。
そう言えば、近年、豊年祭は地元の人たちの運動会みたいな雰囲気もあるってどこかで読んだなぁ。

もう完全に身内の行事という感じ。入り込む隙はなさそうな雰囲気。
だけど、揃いの青いTシャツを着た部落の人たちに混じって、普通の服装でうろついている人発見!
おまけに彼らは総じて、バシャバシャとカメラのシャッターを切っており、どうも観光客くさい。
お、これは、もしかしたら、テントの中にお邪魔する余地があるかも。

巴古崙岸部落の豊年祭会場を上から見たところ
巴古崙岸部落の豊年祭会場
射馬干公園

手作り感覚あふれるプログラムや寄付名簿
祭りの寄付名簿とプログラム。
台東市からは豚一頭!
前日の夜に焼いて食べたそう。

2011年巴古崙岸部落豊年祭 プログラム
豊年祭の節目表(プログラム)
昼ご飯の時間は30分なのだが、
午後の開始時間は14:00~。
ゲストの舞は省かれてました。
クリックでポップアップ拡大します。
「もう少ししたら誰かに声をかけてみよう。」とようやく決意したところで、
あれ?若者たちが次々と会場の外からまあるいボードを転がしている。
あれはどう考えてもテーブル。
まあるいボードの転がる先はやっぱりテントの下で、折りたたまれた金属製の足に ボードをのせたらテーブルセッティングの完成。

テーブルセッティングが終わると、次々と運び込まれるおかずたち。
まさかとは思ったが、昼食休憩に入ってしまった。午前11時半である。

先ほどまでバシャバシャとシャッターを切っていた
観光客とおぼしき青年もバイクでどこかへ立ち去っていった。
これは食事が終わるまで待つしかあるまい。タイミング悪いなぁ。

ちなみに日本ではこのような行事の昼食は地面に敷いたレジャーシートの上に座り 「お弁当」を広げるのが一般的だが、 台湾ではテーブルまで準備して「中華料理」を食べる様である。
若者たちがてきぱきと運んできたおかずの皿がテーブルにずらりと並び、
茶碗にご飯を盛り、銘々が好きなおかずをとりわけ、ワイワイと食べる。
大勢で食べるのだから、最初から皿だしでじゅーぶんってことかもね。

食事が始まって1時間ほどが経過すると、バラバラと立ち上がる人が出始め、 ようやくプログラムが進むのかなぁという雰囲気になってきた。
ところが、次に始まったのはカラオケ
なんと、ステージ横に備え付けられたマイクは単なるマイクではなく、
カラオケセットのマイクだった。
それぞれ勝手にマシンを操作して、気持ちよさそうに歌い始める。

「なんかどこかで見たような光景だよねぇ・・・。」
正月の旅行で見たインドネシアのムスリム村の懇親会そっくりである。
 「役員総選挙→ウナギつかみ競走→昼食→カラオケ」
しかも歌や音楽に合わせておばちゃん踊っていたなぁ。あっちでも。
(詳しくは≫アンボンっ子の憩いの場。ナセパビーチへようこそ。

昼休みは1時間こっきりの日本の行事に慣れた私は当惑しどおし。
「このままダラッと終わるのかなぁ。午後の部はないのだろうか?」
いい加減待ちくたびれてうなだれていると、ふとテントの下の中年男性と目があった。 男性は東屋まで駆け寄ってきて、中国語で話しかけてくる。
「テントの下で見学しなさい」と誘ってくれていることは、身振りでわかった。

「えっと、リーベン(日本人)なの。中国語わかりません。」
「ニホンジン?ニホンジン下にいるよ。Yさん。」
「え?ニホンジン?」

驚いている私をよそに「とにかくおいで!」と手招きしつつ、会場に駆け下りる男性。
そして、テントの下に入ると、一人の女性に声をかけ、我々の元に連れてきた。
なんと、ホントにニホンジンだった。しかも普通の観光客ではないのである。
彼女はとある大学の文化人類学の先生である。こんな小さな祭りでとんでもない人に出会ってしまった。

「私の専門は違うんですけどね。」
とかいいつつ、イヤな顔ひとつせず行きずりの観光客の世話をしてくれる。いかにも先生って感じ。
大学の先生の中には自分の研究以外には興味のない偏屈もいるが、
この人は普段から研究にも講義にも学生の世話にも奔走している人ではないかと思った。

ちなみに我々に声をかけてくれた男性はこの祭りの幹部の一人で「KANA」さんという。
カナという名前はアミ族の呼称で、他に中国語名も持っているそうだ。

この後、カナさんは我々を楽しませようと、いろんな行事の輪の中にいれてくれた。
そして、そのたびに通訳にかり出されてしまったY先生には申し訳ないとも思いつつ、
それ以上に台東周辺の原住民族文化について教えて頂いたことがとても興味深かったです。
まずはこの場でお礼申し上げます。

元々、豊年祭は農閑期に行われる収穫祭に日本統治時代の盆踊りの要素が混ざったということですが、
ここに来てその意味がよくわかりました。
日本の盆踊りも町内会とか、小さなコミュニティ単位で行われますけどもこの豊年祭も同じです。
また誰もが踊れる簡単な振り付けで参加者全員が主役になれるところがポイントかも。
むしろ前日に見たマカパハイみたいな政治色が入ったイベントの方が異色なのだろう。

身内の行事であり、むしろ「観光客なんて来て貰わなくていい!」という風潮があったようですが、
逆に「外国人や他の地域の人と交流したい」と、都会にでた若者が地元に戻ってくるようになったそうだ。
いわれてみれば、この豊年祭も若者の姿が目立つ。
この部落の豊年祭は村おこしの一環として5年前から始めたそうで、歴史は浅い割にがんばっている。
それも200人程の部落だというのにこれだけ参加者がいるのは結構スゴイ。しかも老若男女問わずである。

日本でいえば町内会の盆踊り、神社の祭りレベルの行事を行政がまとめて発信しているのも感心した。

この数週間後、青森を旅行した際、滞在している間だけでも各地で様々なお祭りが行われていた。
しかし、私のような観光客がその情報を知るのは大抵祭りが終わった後のローカルニュースでだった。
運良く青森市の盆踊りを開催する日に青森泊だったため、夕涼みがてらに見学に行ってみたが、
参加者は中高年の女性(保存会)が大半。後は子供とその親という感じで、
若者がいっぱい参加していた台湾の豊年祭とはだいぶん違った雰囲気でした。

日本は祭りの数がハンパではないので、情報をまとめるのは大変かもしれませんが、
観光庁とかが主体となって情報を集めるサイトでも作ればいいのになぁ。
盆踊りって基本誰でも輪の中に入って踊れるんだし、行事に無縁の都会の子供は喜びそうだと思うのだが。
みんな浴衣着ていて雰囲気あるし、外国人も「おおっ」って感激するかも。
私は久しぶりに盆踊りなんて見れて、結構感激したんだけど。津軽民謡の生演奏新鮮だったし。

「日本の田舎の小さな村と台湾の部落が招待し合ってやったりしたらどうかねぇ」
良い文化交流になる気がするのだが、Y先生曰くこのアイデアは日本側が難色を示すところがあるらしい。
まあ、会の時間進行とか相当緩い感じなので、やるとなったら波長を合わせるのは大変そうですけどもね。
(マカパハイには沖縄の人とか参加してたみたいです。市長も総統も演説中に日本人の名前を出してた。)

話が大幅にそれたところで、以下、この部落の豊年祭の写真です。動画は気が向いたら編集します。

【2012年1月18日追記】
豊年祭の動画編集をようやくやりました。以下、you tubeにアップした物をリンクします。
写真の方が細かいので一緒に見ると内容がわかりやすいです。



巴古崙岸部落の豊年祭 写真館

民族舞踊レストラン「原始部落山地美食館」のプロの踊り

民族舞踊レストランの踊り子の踊り
午後の部の初めはプロの踊りです。 彼らは卑南郷にある「原始部落山地美食館」というレストランで舞う男女の民族舞踊ダンサーです。 原住民族の郷土料理を食べるお客の傍らで舞を披露しているプロ。
ピンクの衣装の子のおばあちゃんも見に来ていました。ほのぼの。
ちなみに右下の茶髪の今時っぽい子は元男の子なんだそうです。 言われないとわかりません。でも男だとしてもハンサムな顔立ちです。
レストランは車でしか行けない場所ですが、雰囲気よさげ。高台から町を見下ろせるそう。 今度台東に行ったら行ってみたい。

民族舞踊レストランの踊り子の踊り2民族舞踊レストランの踊り子の踊り3ピンクの衣装がカワイイ女の子実はもと男の子なんだそうです。

部落の青年たちの踊り

部落の青年たちの踊り
青年の部です。高校生~大学生くらいの男女の踊り。 豊年祭の踊りはフリが簡単で日本の盆踊りの様な要素もありますが、 盆踊りみたいに同じフリを繰り返すことはありません。 フォークダンスみたいなゆったりした舞いから、ものすごい勢いで飛んだり跳ねたりして 青年の踊りが一番元気あったかも。
しかし一人ものすごいひょうきんな子がいて、ずっと男の子だと思っていたのだが、 この踊りで「女の隊列」に加わったのをみて女と気づいた。 よく見たら胸でかいし。(肝っ玉かあさんに見えてきた。)

青年たちの踊り2青年たちの踊り3青年たちの踊り4終わったらみんなで記念撮影

踊りの合間に挟まれる軽い運動会。なぜか私も参加した。

ピンポン球運び競争
踊りの合間に競技が挟まります。こちらはピンポン球競走と風船運びは 地元の母ちゃんたちに混じって私も参加しております。
しかし競走はやるのですが、1位、2位という順位付けは全くやりません。その辺りが不思議です。 やりっ放し。
順位など関係なく参加者全員に商品をくれます。日用品です。
そう言えば子供の頃参加した自治会の運動会でもノートもらったなぁ。
私にも醤油とか洗剤とか沢山くれるので辞退申し上げると、 観客席から「ワタシノカ!」と日本語で声がかかる。
歯ブラシはともかく醤油、洗剤、シャンプーを持って旅を続けることはできないので差し上げます。

風船はさみリレー輪ゴム運びリレーリレーや踊りに参加するともらえる参加賞

他の村からきた応援の踊り

近所の村からきた別部族の踊り
こちらは別の村の子供たちです。前日は自分たちの村で豊年祭をやっていたそうですが、 この日は巴古崙岸部落の応援にやってきました。
女の子の衣装は民族衣装チックだけど、実はこの上にさらにいろんな装飾があったのだそうです。 (Y先生はその村のお祭りにも参加したらしい。)男の子も女の子も背の順に並んでいてなんかカワイイ。
写真が切れちゃってますが、女の子が真ん中に凹の形で並んでいて、その四隅に男の子が配置されてます。

他の部落の招待演舞1他の部落の招待演舞2背の順に並んでいる女の子くりくりお目目がかわいかった女の子

子供の部と夫人の部。おばちゃんたち慣れてます。

子供の部の踊り ぎこちなかった
左は子供の部です。台湾も少子化なんでしょうか?子供の部が一番参加者が少ないです。 振り付けもまだ若干あやしいところがあります。
逆におばちゃんの部は慣れたもの。誰一人として間違えることもなく踊りきりました。 特に下真ん中のかーちゃんは、ストローに煙草を指して吸ったり、人の踊りの後ろでまねして踊ったり、 かなりやりたい放題だったのですが、この時は前列に陣取り、マジメ?に完璧に踊りきりました。 好きなのね~。お祭りが。

婦人の部の踊り 振り付け完璧婦人の部のお笑い担当でもやるときはやる婦人の部の踊り 全体

20分の休憩の後、全員参加で輪になっておどろ~。

全員参加のフィナーレの踊り
おばちゃんの踊りの後、なぜかフィナーレの前に20分の休憩が入った。 「なぜ最後にここで20分も?!」とびっくりしたのだが、そのフィナーレの踊りが始まって納得した。 この踊りは終わるところがなく延々と続くのである。 マカパハイのフィナーレの踊りを司会者がぶった切ったのがこれと同じだったのかも。
全員が手を繋いで行われるのですが、先頭の人の「オオエーオなんちゃらホイさっさー」みたいなかけ声に合わせて、 その動きと同じ動きをするのです。リズムに合わせて前に進み、後ろに戻り、また前に進み、そのうち繋いでいる手をマタの下にくぐらせたり・・・。それが延々と続く。休憩を入れたのはこのためか!
ちなみに最終的に台北辺りから来たと思われる台湾人の観光客なども、勿論私も輪の中に混ぜられてしまった。 そして、祭り幹部の親父が歯ブラシを手にして、様子をうかがい、繋いでいる手の隙間に差し込んでいった。
終わってからでも良くないか?まー、一体いつ終わるのかわかんないですけど、これ。

フィナーレの踊り2参加賞の歯ブラシを持ってタイミングを伺う歯ブラシの詰まった箱を持って蛇の前でスタンバイ繋がれた手の間に無理矢理歯ブラシをつかませる親父

打ち上げ花火と共にフィナーレ!終わったらいきなりみんなでご飯です。

打ち上げ花火を片手に合図をするのは子供の役目
プログラムの節目で子供たちが打ち上げ花火を打ち上げます。 「午後の部が始まりますよ~」っていう合図や「これで終わりますよ~」っていう合図です。 フィナーレはさらに爆竹で閉めました。
終わったなぁと思ったら会場のど真ん中にテーブルが準備され、もう打ち上げです。 昼のご飯の残りだろうか?
何を食べているのか大変気になりましたが、帰らなきゃならぬため遠くから隠し撮り。 若者にばれてピースされました。
部落主席やカナさんと一緒に記念撮影などして帰りました。
「次に来る時は中国語の勉強をしてきなさい。しゃべれないともったいないじゃないか」だそうです。
でも中国語はむつかしそうなんだもん。それよりお互いブロークンイングリッシュでどうでしょうか?
とりあえずビールごちそうさまでした。次に来る時は1ケース担いでやってきます。

最後は爆竹で締めくくり宴会用のテーブルがセットされるみんな勝手に飯を食い始める部落の主席と幹部のカナさんと記念撮影

▼ 台湾 豊年祭に行きたくなったら・・・物価と旅程の目安にどうぞ。

旅行時期:2011年7月 1NT$=約3円

■バス:台東-墾區入口 39NT$
■食事:肉火庚麺 35NT$、肉火庚米粉 35NT$
■その他:麦わら帽子 200NT$、ビール35NT$
■宿泊:金安旅社 900NT$

■成田-台湾航空券 直行便で20,000円前後~。(参考:海外格安航空券の検索・予約 YAZIKITA)
 台北便は通常チャイナエアラインが最も安く、続いてエヴァエア、日系という順で高くなります。
 また、日本発が午後便だと台北での活動時間が減るので午前便より安い。
 高雄便もあるけど台北に比べたら本数も少なく、おまけに台北-高雄間は新幹線で2時間。
 お金と日程、旅の目的を計算して上手に選びたい。
 私はエイビーロードで金額をざっくり把握、アタリをを付け、個別の代理店に問い合わせます。
 

豊年祭 旅程を立てるために参考にしたサイト
立栄航空華信航空交通部鉄路管理局
台湾観光協会台湾観光局
台東県政府ウェブサイト台東県建国100年各郷鎮市の豊年祭及び収穫祭開催時間 7月3日より次々と開催 国内外の旅行者が台東で体験するよう歓迎
台東県政府原住民族資料網100年度歳時祭儀日程表(エクセルダウンロード)
台東市マカパハイ(馬Ka巴[口海]):Kaは文字化けするため漢字表記なし。
花蓮県政府
花東縦谷国家風景区
台湾原住民デジタル博物館