山は看板
いたずら書きの様なもののから、
観光客向けのメッセージまで。
山肌に直接メッセージを書く。

ギルギットでは、日本人女性ケイコさんが経営するツーリストコテージという日本人宿に落ち着いた。
日本語が通じるので、不完全だった情報収集を補うことができることに加え、食事が美味しいと評判だからである。

日本人宿というのは、要するに、日本人の旅人のたまり場になっている宿のこと。
別に日本人じゃなければ泊まれないというわけではないが、宿のオーナーが日本語が堪能だったり、
日本人だったりすることも多く、必然的に日本人ばかりが集まる。
日本人が集まる日本人宿の他、韓国人宿、イスラエル人宿などもあるが、他の国籍の人がたまり場にする宿についてはあまり聞いたことがない。
英語でのコミュニケーションが苦にならない人にとっては、そんな場所は必要ないってことかも。
※ イスラエル人に関しては別の意味もある気がするが、ここでは触れない。

ここの宿もご多分に漏れず、日本人宿にありがちな独特な雰囲気を醸し出していた。

まず、単なる形式の問題としては、入り口で靴を脱いでから宿にあがらなければならないこと。

タイあたりでは入り口で靴を脱ぐ宿も結構あるが、インドやパキスタンでこういう形の宿は珍しい。
タイル張りやコンクリートむき出しの床に土足のままはいるゲストハウスが多いからだ。

次に、客室はドミトリーを主体に形成されているので、ロビーなどの共通スペースに人がたまっていること。

だまって文庫本を読む者。ぼーっと物思いにふける者。壁のパキスタンの地図や観光ガイドマップを見ながら旅行計画を立てる者。談笑する者。
テーブルの上には、コーラの瓶や水の入ったペットボトル、チャイカップなどが散乱していて、乱雑な雰囲気。
自分の家のようにくつろいでいるとも言えるが、来たばかりの旅人にとってはなんとなくよそ者の気分で入りづらい。

そして、日本人宿で最も独特だと感じるところは、宿の経営者が客を信用している場合が多いこと。

「水やコーラとかがいるときは、冷蔵庫を開けて適当に持っていってね。食事をするときもここにメニューがあるから、従業員に頼んでください。で、このノートに名前と飲んだり食べたりしたものを書いておいて。チェックアウトの時に一緒に精算しますから。」

この様に、細々な支払いが自己申告制の宿が珍しくないのだ。性善説で成り立っている。

こんなのごまかそうと思えばいくらでもごまかせる。
客は毎日入れ替わるし、毎日在庫のチェックをしている訳でもないし、ましてや従業員全員がすべての客の名前と顔を覚えていることなんて不可能である。

このような形式を取っている宿は、このツーリストコテージに限らずいくつか見てきた。

「インターネットを使いたい方は、この貯金箱に30分につきHK$5を入れてください。」

と、パソコンの横に貯金箱が普通においてあったりするのだ。(しかも、中身が見える。) 貯金箱ごと盗まれるとか全く考えてない。

「インドだったら、まず従業員に盗まれることを心配するよなぁ。」

なんて貯金箱に貯まった小銭を見ながらしみじみしたのを憶えている。

日本を知らない外国人には、「そんなの今の日本人が裕福だからだ!」とかなんとか言われるだろうが、 例えばそれほど裕福でなかった昔でも、その辺のあぜ道に野菜の無人販売なんて普通にあった。

今は数も減ったけど、少し田舎に入れば、「野菜が欲しい人はお金を入れてください」なんて、段ボール紙にマジックで書かれた手作りの看板を掲げた簡易屋台にジャガイモとかにんじんが並んでいたりする。

私は、こういう日本人の信頼から成り立っているような人間関係は悪くないと思う。
世界を見渡せば世界の大半の国々が性善説ではなく性悪説を前提にしていることはわかってきたが、 やっぱりこういうとこは島国で長いこと助け合って暮らしてきた民族だよな~と。

ギルギットの街並み
ギルギットの街並み。(たまには横長の写真。パノラマ風で挿入。)

昔の日本のように、ほとんど鎖国状態の政策をとっているブータンでも、同じような経験をしたりするそうだ。

これはとある旅人の著作に書いてあったことだが、ホテルに落ち着き窓を開け放すと、風が勢いよく流れ込み、
テーブルの上に置いてあったお金がふわふわ~と外に飛んで行ってしまったのだそうだ。

お金である。それもUSドルである。

さすがに彼女も「もう、なくなってるだろうなぁ」とあきらめつつも外に拾いに出てみると、
前方に黒山の人だかりができていた。

その中心にあったのは、・・・彼女のお金。

「なんだなんだ、この大金は!」「空からひらひら降ってきたぞ。」

相当の大金だったらしいが、誰一人として、猫ばばしようとはしなかった。
人々はそこにあるはずのない数枚のドル紙幣を不思議そうに見つめ、あれこれ言い合っていたそうだ。

「あの~。これ私のなんです・・・。窓から落としちゃって。」

おそるおそる進言すると、「なーんだ。そうだったのか」と人々はクモの子を散らすように去っていった。

人の物は人の物。ブータンにはジャイアンはいない。
今の日本人はここまで正直ではないけれど、これに近い感覚を持っている気がする。
(日本人の場合、現金だったら人が見てなかったら猫ばばしちゃうかも。財布は別にして。)

旅に出ると、良きにしろ悪しきにしろ、日本のことがよく見える。
ま、逆に自分が常識だと思っていたことが非常識で、びっくりするようなところで怒られたり、いやな思いをすることもありますけど。
うまい例えががありませんが、よかれと思ってやったことが向こうには不都合だったりするということ。
そういうときに、お互い意味がわからないから、喧嘩になったりするのです。

ギルギットの町
ほとんどの人が民族服。
ギルギットの町はずれ
ギルギットは山間にある町だ。
さてさて。その日本人宿、ツーリストコテージにて。

久々の旅人、それも久々の日本人と夕食をとり、談話し、旅の情報を集め、充電していた。

お客が多かったこの日は限定の特別定食があった。
カツカレー&みそ汁。(パキスタンで豚?!)
長期旅行中の男性など、「待ってました!」とばかりにがっついていた。

オーナー氏曰く、ここパキスタンの山奥で手に入る材料のなかでやりくりをしながら日本食を提供するとのこと。

醤油などはお隣中国から入ってくるため、味付けは塩または醤油ベース。
パキスタンに普通にある食材を使って作れる食べ物、たとえば親子丼などは、通常のメニューに載っている。
その他、ラーメン(インスタント)、スパゲティ、オムレツ等々、長期の旅人にとっては懐かしの日本食が食べられる。

町中で「なんで日本人はあの宿に集まるんだ!」と不思議そうに聞かれましたけど、
こういう食事、他の宿では絶対に食べられないから、仕方ないだろうなぁ。
「日本人は英語がうまくないから日本語でしゃべりたいんだよ。」とゆっておいたが、根っこはご飯かも。

ただ、山の上だからして、麺類はいまいちなのでご注意を。

山の上は、空気が薄く、気圧が低い。
気圧とは、単位面積の上に空気の柱があると考えたときの、重さのこと。

つまり、地上から高い山に登ると、高くなったぶんだけ、その単位面積にかかる空気の柱が短くなる。
短くなった分だけ空気の重さが減るわけで、気圧は高さとともに低くなるのだ。

そして気圧が低いと水の沸点が低くなる。沸騰する水面にかかる圧力が低くなると、水が蒸発しやすくなるからである。

何が言いたいかというと、地上では大量の水を使って、100度のお湯で10分程、茹でてから食べているスパゲティも、こんな高地ではへたすると50度くらいのお湯で通常よりも長時間茹でられている。
(標高が1000m高くなるにつれて気圧は約100hPaずつ低下。富士山の山頂(3776m)では約638hPaで水の沸点も約63℃くらいだそう。)

なんか麺がブニブニで、それなのに芯が残る感じに茹で上がって、スパゲティのくせにうどんみたいな感じでまずいんだよね~。
高地だと圧力釜を使うくらいがちょうどいいのかもしれないなぁ。

旅は理科の学習にも役立つ。

小学生の時、こういう体験しておくと論理的に考える習慣つきそう。
子供と富士山行って、頂上でまずいスパゲティ作って帰ってくるとか。
あ、お腹空いてたら何食べても美味しいか。

パキスタンの山の上:カラコルムハイウェイのギルギット

I 宝石商イクバルのお店

イクバルの店1
イクバルの店2
ポストカードを探して歩いていたとき、入ったアクセサリーショップ。
店の壁一面に天然石の安アクセサリーが並ぶ他、レジの上のガラスケースにはその辺の山からとってきたという宝石の原石が並ぶ。
彼らの一族は長年カシミールに住んでおり、自分たちを「カシミール人」と言っていた。親戚はインドとパキスタンに分断してしまったら、彼らは特別にビザもなく行き来ができるそうだ。
「僕らはカシミールの独立を望む」
そうはいってもインドもパキスタンも譲る気配はない。

この店ではカシミール人のイクバル、弟のザファーアフマッドの他にアフガニスタン人のファールクが働いていた。 まだ、イスラム原理主義がはびこっていてアフガンが危なかった時のことです。

ちなみに話に興味がわいて長居をして彼らに変な期待をさせてしまい、最終的に宝石と引き替えに。。。ってお願いをされてしまったが、このときのメモを読み返すと「イクバルはやばい!」と書いてある(笑)やっぱ嫁不足かも。嫁がいたらそんなお願いしないだろう。
過度な期待を抱かせたのは私も悪いんだと思います。(こういう考えが性善説か。) 線引きが難しいですね。

II 手書きでキッチュ(という言葉は嫌いだが)な標識

標識 山の上の民家はこんなん 特に必読すべきことは何もないが、手書きがかわいらしい「飛び出し注意!」の標識。フンザの看板はどれも手作りです。
また、右はツーリストコテージにいる猫ちゃん。野生か、飼い猫かはわかりません。ほのぼのしてください(笑)

III トヨタサービスステーションっていうか、要は自動車整備やさん。

トヨタサービスステーション トヨタサービスステーション パキスタンには日本車が多い。車はトヨタには限らないが、ブランドネームはトヨタが断然勝っているようだ。
電気がまともに来て居らず、ほとんど自家発電機に頼っている土地柄、当然、電動リフトなど備え付けていないが、右のやり方の方が理にかなって整備がやりやすいと思います。

IV ギルギットで食べたもの。

ソフトクリーム 美味かったスープ 体調を崩していたため、まともな食事ができずにいたけども、アイスのたぐいって食べれるんですよね~。 レストランが併設されているが、ソフトクリームのみ外で買って、歩きながら食べる人多し。 彼はガイドブックに自分写真が載ってると自慢こいてたので、私も載せときます(他にしゃしんがないともいう)

右は、町のメインストリートにあるスープ専門店のチキンスープ。
具だくさんなので、これだけで食事に換えられます。