Shatabdi expのチャイセット
列車のチャイセット。
朝、7時過ぎ。ニューデリー発、アムリトサル行きのシャタブディエクスプレスに乗った。
シャタブディexp.は比較的近距離の都市間を最速で結ぶ特急列車で、この列車に乗るとアムリトサルには13時に着く予定だ。
他の特急は6時50分発のシャネパンジャーブ号だが、これだとアムリトサル着が14時を過ぎるのである。
値段はシャタブディの半額だけど、国境の閉まる時間は17時だけど、インドで冒険すると後で必ずしっぺ返しが来るので、 保険と思ってシャタブディにした。ご飯も付くことだし。

車内に入ると、私の席には何故かばあさんが座っていた。

「あの、そこ私の席なんですけど・・・」

するとその息子らしきおっさんが、開いている席を指さし「こっちに座ってよ」なーんてぬかす。
一応、お母さんと隣なのだが、間に通路があるのが気に入らないらしい。

私、インド人のこう言うところが嫌い。

あとで、「連れなんですけど、席を代わってもらえませんか?」って言われようモノなら「いいですよ」と快く譲るのだが、最初から人の席に堂々と座って、文句を言われなきゃそれまでって態度が気にくわない。
って、こんなこと言ってたらインドの列車には乗れませんが(笑)

「イヤです。私は窓側が好きなんです!」

ホントは通路側が好きなのだけど、きっぱりと断った。子供っぽいなぁ。

さて、停車駅が少ないこの列車は、降りる人はいても、途中で乗ってくる人はほとんどいなかった。
アムリトサルまであと1駅と言うところまで来ると、広い車内には私を含め数人だけとなり、数列後ろに座っているおじさまが声をかけてきた。

「君は日本人かね?私も仕事で日本に行ったことあるよ。いやぁ、良い国だ」

彼はインド旅行のアレンジのようなことをしている様で、会社のパンフレットを取り出して語り始めた。
日本にはプライベートでも行ったことがあるらしい。

パンフレットは英語だったので細かいことはあまりよくわからなかったが、ヘリの写真やどこかの国の要人と握手している写真が載っているあたり、かなり大きな代理店らしい。
パハールガンジやコンノート周辺でバックパッカーを相手にしているちょさいところとは訳が違う。
個人旅行者を相手にしてくれるようなところではなさそうだ。

「そうか、そうか。シャタブディに乗ると、こういうインド人にも会うのだなぁ。」

日本人の客慣れしていて、しかも親日的なので、話す英語がとてもわかりやすい。
結局、そのままアムリトサルまで相手をして貰っていた。

アムリトサルの駅に降り立つと、タクシードライバーがちょろちょろと寄ってくる。

「マダム!ボーダー?350ルピー」

黙りを決め込むとどんどん値段が下がる。350ルピーってのも他の都市に比べたらそれほどふっかけてはない気がする。

「確かパキスタンに行くって言っていたね。このドライバーが350ルピーと言ってるが・・・」
「ええ、パキスタンに向かいます。でも、タクシーは高いのでバスで行こうと思うんです。」

国境までバスではたったの12ルピー。ここでタクシーを使うのなら、シャタブディなんかでは来ないのだ。

「国境までの行き方はちゃんとわかってるんだね?タクシーじゃなくても平気かね」
「大丈夫ですよ。ちゃんと調べてあるし時間もまだあります。」
「じゃあ、エージェントが私を迎えに来てるはずだからバスターミナルまで送ってあげよう。おいで。」

前回のアムリトサル入りの教訓から自分でサイクルリキシャを拾おうと思っていたのだが、このおじさんはとてもいい人そうだ。うさんくささが全くない。だから一緒に出口に向かった。

出口付近に来ると目の前に真っ赤なノースリーブのシャツに黒いパンツ姿の女性が立っているのが目に入った。
ショートヘアーがとても似合うゴージャスな美人で、キャリアウーマンって感じでめちゃかっちょいい!
その女性はおじさまを見つけると、自然な所作でサングラスをはずしにっこりと笑いかけた。

ひょえーー、映画みたいだなぁ。

その横で薄汚れたバックパックを背負った私は一体・・・。おじさんもよく、私を相手してくれたものだ。
(でも、おじさんは、その辺にいる普通の人っぽい格好だったのよ。ブリーフケースは持ってたけど)

おじさんのアムリトサル出張のスケジュール確認が一通り終わると、

「その前にこの日本人のお嬢さんをバスターミナルまで送って行ってくれないか。」

などという話になり、列車の到着も遅れたというのに、さらに予定外の小娘が加わることになり(でも、きっと、この美人のおねーさんの方が私より年下だと思う)「ますます予定が狂うじゃないの!」って感じでキッとかにらまれたらどうしよう・・・なんてどきどきしたが、返ってきたのはこぼれんばかりのものすごい笑顔。

「勿論、それくらいおやすいご用よ。」 (←インドでよくあるノープロブレムという言葉は使わなかった。)

と右手を差し出された。

水浸しのバスターミナル
水たまりの中にバスが止まる
その後、シーク教徒のドライバーの運転するぴっかぴかのランクルに乗り込み、新市街のバスターミナルに向かったが、 いきなりバスターミナルを行きすぎ、
「ちょちょちょっと待った!行きすぎたよ~!!」
と慌てて軌道修正したりして、

「なんでガイジンの私が一番詳しいんじゃ!」

と思ったけども、普段はバスなんて使わない生活をしている人たちだったのかもしれない。(運転手は単に見誤っただけだと思うけど。)

バスターミナルに着くと、「ちょっと待ってなさい!」と私を車に置いたまま、おじさんとおねーさんは雨でどろどろになった地面に注意を払いながら、バスターミナルを駆け回っていた。

「国境行きのバスが見つかったぞ。ほら、来なさい!」

靴が洋服が汚れたんじゃないか、仕事の時間は大丈夫なのか、こっちがおろおろと狼狽えてしまったが、ここは素直に親切を受け取るところだ。
バスまで案内してもらい、握手で二人と別れる。当たり前だけどインドにもいい人はたくさんいるんだから。アムリトサルは特にまたいい印象ばかりが心に残った。

デリーで日本人を騙そうってヤツにばかり会ったから、特に感動もひとしお。

今度、日本で外国人が困っていたら、絶対に助けてあげよう。そう思ったひとときでした。

アムリトサルから国境の町アタリへ

I 水たまりにバスターミナル?

アムリトサルのバスターミナル この通り、バスターミナルが巨大な水たまりと化していた。
ご存じ8月の北インドは雨期。一日中雨が降り続くわけではないが、振ったときの雨量が多いので、あちこちに水たまりが形成されてしまう。道路は舗装されてるけど、こう言うところはまだまだ。
とりあえず、日本の梅雨よりも気温が高いので、蒸し暑いです。
水たまりというより、ほとんど池なので、スタックしないかどうかドキドキ。

II やはり、シーク教の開祖ナナークは健在

バスの中1 グルの肖像画 パンジャーブといえば、やはり、シーク教は切っても切り離せない。そして、アムリトサルはシークの聖地である。
その辺の屋台から、バスの中までシークの開祖ナナークの肖像画が飾られている。
他の地域ではヒンドゥの神様が多いのに対し、ここいらはやはり、シクのグルたちだ。

III 最終的にはサイクルリキシャで行く。

リクシャワラの少年 バスは、アムリトサルからはアタリの町までしかいけない。アタリから国境までは数キロ離れており、選択肢は歩きかサイクルリキシャかタクシーである。
数人のリクシャワラに料金を確認すると、皆、一律Rs.10だったので、一番最初に声をかけてきた少年に決定。 国境までの1本道は小麦畑に囲まれていた。