カグベニからムスタンへ向かう道。ここからは徒歩でしか行けない。
【カグベニからムスタンへのトレッキングルート。道路は未開通。】

富士山の頂上よりさらに数百メートル高い聖地ムクティナートを訪れた後、桃源郷と名高いカグベニを目指した。
カグベニはネパール北部、中国の国境近くのムスタン村と、ムクティナート方面への分岐点に当たる村だ。
ガイドブックにはカグベニへの道路の開通情報はなく、手前のエクリバティ村から徒歩40分とあったのだが、
ムクティナート行きの街道はカグベニ経由に作り替えられ、ジープで簡単に行けるようになっていた

ムクティナート行きの往路で北方面に延びる河原を左手に、大きく右に回り東方面に山を上っていった。
その右旋回した辺りで地元民たちがジープを乗り降りしたので、ここが街道の分岐点だとはっきりわかる。
だから、ここが北のムスタンと、東のムクティナートの分岐点にあるエクリバティ村だと思いこんでいたが、
いつの間にか分岐点が北に10kmほどずれたようで、エクリバティではなくカグベニだった。

カグベニの村を見下ろす
カグベニ村を遠くから見下ろす。

カグベニの北端のカフェでお茶
illyを導入したカフェでお茶。
近代化の波が刻々と。

水たまりで裸で泳ぐ子供
川にできた水たまりで泳ぐ子。
ムクティナートを出るときは、ジープがカグベニ経由で走るとは思いもよらず、
エクリバティまでの切符を購入した。

さらにジープが出発するまで1時間弱も待たされた上に、
同乗の欧米人のザックを一つだけ積み忘れて戻るハメになり、
最終的にムクティナートを出たのは午後の1時を回ってしまった。
遅いお昼をカグベニで・・・というもくろみは崩れ去り、
せいぜいさっと村を見学できれば御の字というところである。

40分ほど走ってムスタン方面への分岐点にたどり着くと、すぐさまカグベニを目指した。 降りた場所がエクリバティ村だと思ってたので、ここからカグベニまで40分歩くつもりでいたのである。
しかし、なぜかエクリバティ村であるはずの村の商店にも、宿にも看板の隅にカグベニという表記。

「あの~。まさかここってカグベニですか?」

通りすがりのおばあさんに問うてみれば、「カグベニよ。」とあっさり。
ここでようやくカグベニまで道路が開通して公共交通機関で来れることを認識した。
ガイドブックを隅々まで熟読すれば、公共ジープがあると読みとれなくもないが、
欄外でもいいからちゃんと交通情報は入れて欲しい・・・。

この辺りに旅行に来る日本人はたいていガイド付きのツアーで来るので、
取材不足になるのはわからなくもないのだが、トレッキングを時系列に併せてシミュレーションするくらいなら、肝心の旅行情報を入れてくれないと、使い勝手が悪いと思う。
台湾みたいにネットの情報があふれている地域なら自力で何とかできるけど、
ネパールの山奥ともなると、旅行者が少なく、口コミも拾いづらいし。
(というわけで、今回のレポートはわざと体験を細かく書いてます。)

ちなみに、現在、ジョムソンから国境を越えて中国まで道路をつなげる計画があるそうです。
カグベニから北方面のムスタン王国へは徒歩でしか行くことができず、 外国人は特別な許可証が必要です。
カグベニ村の北端にはチェックポイントがあり、役人が目を光らせています。

そういうデリケートな場所なのですが、このたび中国の全面出資で道路が開通するとかで、
先行投資かなんなのか、カグベニの古いゴンパや町並みは回収のまっただ中。
無機質なコンクリート造りのカフェにはillyの看板がかかり、桃源郷と呼ばれた面影はなくなりつつある。

「中国と道路がつながるから、飛行機が飛ばなくても物資が安定的に入るようになります。」

2013年2月に書かれたとある日本人旅行者のブログ記事にこう語るガイドさんのお話がつづられていて、
道路の開通や欧米系有名チェーンカフェの進出の背景はこれか!と妙に納得した。

中国と道路がつながると、安い中国製品が流れてきて生活が豊かになると思っているんだろうけども、
中国だって一方的にネパールを支援する気などないわけです。出した金以上に利益が戻らないとお話にならない。
中国のやすい農産物が流れてきたら、マルファで成功しつつあるリンゴは売れなくなるかもしれません。

ミャンマーは民主化で中国にNOを突きつけ、インドは事実上国境をジリジリと広げてくる中国と火花を散らし、
日本も東南アジア諸国も海洋権益を巡って、ピリピリしています。
そんなこと電気も不安定で、テレビもほとんど見ない山奥では知るよしもないのかもしれません。

ネパールのことはネパール人が決めることだし、外部の人間がとやかく言うことではありませんが、
カグベニを訪れてなんとも複雑な気持ちになりました。これはもう桃源郷じゃないだろ。と。

とりあえず、私は、中国からの道路が開通する前にムスタン見ときたいなぁと。
数年中にネパール再訪計画考えます。

ジョムソン街道:カグベニ 写真館

カグベニのゴンパ

カグベニのゴンパ
カグベニのゴンパ。古いため屋上へ登るのは禁止されていたが、お参りは自由にすることができます。
この村はゴンパを取り囲む城壁のようにぐるりと回廊が複雑で、ゴンパがなかなか見つからなかった。 城壁のようにゴンパの周りに作られている建物も壊して修復作業中だったので、 このままの雰囲気がちゃんとのこるとよいなぁとしみじみ。

村に取り付けられたマニ車 マニ車 石で作られた塔

村人たちの憩いの場

村人たちが集まる広場
村はぐるりと住居に囲まれた真ん中が中庭になったチベット風の作りになっていて、 広場でくつろぎながらおしゃべりする女性たちが集まっていました。
広場の片隅には井戸があり、ここから生活用水をくんでいるのが伺えます。 だいぶ老朽化しており、日本のように地震国だとひとたまりもない感じです。
広場の真ん中にあるタルチョ用のポール 広場の脇に引いてある井戸で水をくむ ゴンパを囲むように回廊状になった建物 ゴンパを囲むように回廊状になった建物

ヤクチーズを買う。

ヤクチーズを切ってもらう
これまで家畜は山羊、羊、牛、馬、ラバしか見てこなかったけど、ヤクチーズは売っていた。 アメリカのアニメ「トムとジェリー」に出てくるような穴あきチーズで、私だけでなく、欧米人の観光客も このチーズを見て写真をパチパチ撮っていた。
このチーズは臭みが強めなので、苦手に感じる人は多いかも。でも味は普通です。 ヤクいるんですかねぇ???

▼ ネパールに行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。

旅行時期:2013年4月~5月
1Rs.=約1.2円


■交通:ジープ ムクティナート-エクリバティ 550ルピー(ツーリスト価格)
■食事:ポットのお茶 200ルピー、レモンケーキ 280ルピー
■その他:ヤクチーズ 200ルピー(100g 160ルピー)、水 80ルピー/L(麓の4倍)
     TIMSカード 20ドル(旅行代理店取得が団体用だったので、タトパニで個人用を取り直し。)
     詳細は≫ネパールトレッキング:アティティツアーズでTIMSとアンナプルナ保護区入域証取得。
■宿泊:アルカ・マルコポーロ Rs.800

■羽田-カトマンズ航空券 経由便のみ。燃油サーチャージ込みで100,000円前後~。(参考:海外格安航空券の検索・予約 YAZIKITA)

カトマンズ行きは以前は日本からの直行便がありましたが、現在はなし。ソウル、バンコク、マレーシア、シンガポール、デリーなどを経由して行くことになります。経由地や乗り継ぎ時間、お好みでどうぞ。
安さだけを求めると乗り継ぎ時間が長かったりするので、いっそのこと経由地でトランジットやストップオーバーして、 経由地も楽しむ方法もあります。バンコク、シンガポールは空港から町まで列車ですぐですよ。

私はエイビーロードで金額をざっくり把握、アタリをを付け、個別の代理店に問い合わせます。


旅程を立てるために参考にした本