バンダアチェの河口付近
【バンダアチェの河口付近。2004年の大津波ではこの付近を波が南下した】

ウェー島のバロハン港を早朝出発したカーフェリーは、時間通りにアチェのウレレ港につきました。
外国人観光客はほとんどファーストボートを使うため、下船する前から多くのタクシー運転手の目線を感じる。
運が良ければ空港までの長距離を乗ってくれるのだから捕まえると効率が良いのだろうけども、
残念ながら今晩はバンダアチェの町に宿泊するつもりのため、きっぱりスルー。
バンダアチェではラビラビと呼ばれる乗り合いミニバンに乗車し、町まで行くことにした。

ラビラビは日本で言うと軽のミニバンくらいの大きさ。軽トラックの荷台に屋根を付けたような作りをしています。
その荷台の両端に細長いベンチが据え付けられ、お客さんが座る仕組み。
大人だとぎゅうぎゅうに詰めれば6人くらいが座れますが、ここでは10人乗ったところで出発しました。
人が乗らなくても荷物だけを運んでいく場合もあるので、あまりぎゅうぎゅうに詰め込むのも窮屈だし、
港には他にも数台待機していたので、お客を上手に振り分けたようです。

乗車して数分後に港を出発したラビラビは30分しないくらいでアチェのターミナルに着きました。
値段は6000ルピアフィックスプライス。ここでもやっぱり外国人料金を請求されることはなくって、
バリ辺りの不可解な料金体系よりもずっと心地よかったです。
(ちなみにタクシー代は数年前より相場が下がっていましたが、ラビラビは1000ルピア上がっていました。)

アチェ中心部にそびえ立つモスク。
アチェ中心部に建つモスク
マスジット・ラヤ・バイトゥラマン

ビンタンビールのノンアルコール。
ノンアルコールビンタン
ビールと思って飲んではいけない。
ラビラビの専用ターミナルはクルェンアチェ川の東側に移動していました。
アチェのシンボルでもあるモスク「マスジットラヤバイトゥラマン」から北に
400m程。川沿いのcut meutia通りとtentara pelajar通りの間です。

このターミナルから川を挟んだ向かい側がアチェの繁華街であり、
比較的リーズナブルな宿が集まっています。
ある程度高級なホテルは町から少し離れた場所に多いようです。

宿にチェックインし、荷物を下ろしてしばし休憩するとアチェ観光に出ました。

バンダ・アチェはインドネシアにイスラム教が入ってきた場所であり、
敬虔なイスラム教徒が多い土地です。
町にはモスクが多く、女性もジルバブ着用率が非常に高い。
物珍しさからモスクを観光場所に考えてしまいがちですが、
信者にとっては神聖な祈りの場所であり、ムスリムでないと入れません。

また日本人に関連するところでは、日本軍が侵攻してきた場所に
石碑が建っていたりするようで、タクシーに乗るなら行くことはできます。

そして、近年新たに生まれた観光名所が津波関連施設です。
世界中の支援者への感謝の気持ちを表したモニュメントが公園に建ち、
津波の壮絶さを語り継ぐために津波博物館もオープンしました。

そして、最も印象的なのは、津波で住宅地に流れ着いた漁船です。
日本では津波で市街地に流されてきた漁船は、安全性と被災者の精神的なケアを考えて撤去されましたが、
インドネシアは被害を忘れないために保存することを選びました。

スマトラ沖地震が起こったのは2004年。私が訪れたのは8年後の2012年です。
津波で被災したことを知らなければ全く気がつくことがないくらい、町は復興していました。
よーく目をこらしてみると、鉄筋コンクリートでできた頑丈な建物は壊れることなく残っていましたが、
その建物の2階部分から下は薄汚れていて、波がその高さまで来たことを物語っていました。
そして、平屋建ての住宅の多くは新しく建設された物で、ほとんどが波でさらわれてしまったようです。

しかし驚くべきは、ほとんどの住民がまた昔家があったその場所に家を再建していたことです。
河口から1kmくらいで、しかも川沿いの平地で、堤防が決壊しただけでも水をかぶるような土地です。
前回の規模の地震はもちろんのこと、もっと規模が小さくても津波にのまれると思うのですが、
それでも彼らは同じ土地に住むことを選んだのだなぁと、しみじみ考えてしまいました。

河口付近には漁船がずらりと並んでいます。新しい船をトンテンカンと造っているのも見かけました。
漁師さんたちはやっぱり海から離れるなど考えられなかったのでしょう。

その住宅街の中に、所々、パズルのピースが抜けたみたいに雑草が生い茂った空き地がありましたが、
どこかに移住したのか、はたまた一家全員亡くなってしまったのか、しんみりと考えてしまいました。

飛行機の上から町を見下ろすと、山の斜面に全く同じ形の住宅地が目に入ります。
香港スターのジャッキーチェーンが村を丸ごと再建した場所もあるそうで、
そこの町は「ジャッキーチェーンコンプレックス」という名前が付いているそうです。

日本はまだまだ東日本大震災からの復興の道筋は見えてきませんが、
こうやって復興を遂げた町を見ることで、少しでも前向きな気分になって帰ってきました。
一つずつでいいのでいいニュースが増えていくことを願って。
「日本人なら大丈夫だよ!」と復興したアチェの人から言われた励ましの言葉は忘れません。

バンダアチェ 写真館

バンダアチェを襲った津波を象徴する「住宅の上に乗った漁船」

津波で壊れた住宅の上に乗った漁船
津波で内陸の住宅街まで流されてきた漁船。長さ25メートル、2トンもあります。 2階から上が吹き飛ばされたミスバーさんの家に引っかかるように乗っかっています。
56人もの人がこの船に飛び乗ったことで一命を取り留めたそうです。
インドネシアは日本のように津波への備えがなかったので被害が大きかったとも言えると思います。 この土地が大津波にのまれたという歴史を忘れないように、船と家を囲うように補強してあり、 右手に作られたスロープを上ると、家の中を見下ろすこともできます。
津波で壊れた住宅の上に乗った漁船 後部 津波で壊れた住宅の上に乗った漁船 先端 漁船の側部と住宅を見下ろしたショット

大型魚の皮や鮪を干して加工品として売ります。イカンカユは土産の定番

鮫などの皮を漁船の上で干しているところ
海洋国家であるインドネシアでは漁業が盛んですが、年中高温多湿な気候なので、すぐに魚が傷みます。
薫製や干し魚などにして加工した食品もよく見かけますが、 バンダアチェでは魚の本体だけでなく皮やヒレなども加工していました。日本じゃ鮫皮はわさび下ろしに貼りますけどね~。ヒレはやっぱしフカヒレ?
ここいらの近海は良質な鮪漁も盛んです。鮪を干してチップ状にした加工食品イカン・カユはバンダアチェの名物の一つ(写真右下)。バンダアチェではケウママkeumamahと呼ばれるカレー味の煮込みにして食べます。 食堂では新鮮な魚を使った料理ばかりで、ケウママを食べる機会はありませんでしたけども。
魚の食べ方一つとっても土地によっていろんな料理に変身して面白いですね。
イメージとしてはカツオの生節を厚切りにして煮込んだ感じだろうか??(こっちの人はカツオもツナっていうから。)
鮫のヒレなどを干しているところ 綺麗に剥がされた鮫の皮 バンダアチェ名物の干し魚のチップ イカン・カユ・アチェ

バンダアチェで食べたものいろいろ

アチェの魚定食
スマトラ島はインド方面からの貿易船が入ってくる島だったため、香辛料をふんだんに使った料理が多いです。 中でもパダン料理は有名ですが、アチェの料理はスパイシーながらも酸味があるのが特徴で、 辛みはあまり強くありません。また、胡椒やターメリックをふんだんに使った料理が多かったです。
屋台では焼きそばはピリ辛のアチェ風と甘めのジャワ風とか、焼き鳥ならカレーソースがかかったパダン風や ピーナッツソースのマドゥラ風などがありました。
当然ですが、ビールはありません。 飲みたければ洋食か中華を出すレストランに行かねばならぬ。
ビンタンビールのノンアルコールは考えられないくらいまずいので、気を付けてくださいませ。 (麦茶にソーダと砂糖を入れたような味。) 最初からコーラとか飲んだ方が美味しく頂けますよ。食後は勿論スマトラコーヒーで。
サテ・アヤム・パダン パダン風焼き鳥ミー・アチェ アチェ風麺 皿全体ミー・ゴレン・ジャワ ジャワ風焼きそばコピ・スス コンデンスミルクコーヒー

▼ インドネシア バンダ・アチェに行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。

旅行時期:2012年4~5月
100ルピア=約1円


■交通:ラビラビ 港-アチェのターミナル 6000ルピア/人、
■食事:ナシゴレン・ジャワ 10000ルピア、サテ・アヤム・パダン 15000ルピア、
     ミー・アチェ 10000ルピア、ナシ・イカン 10000ルピア
■その他:コーヒー 2500ルピア、ノンアルコールビンタン 7000ルピア
■宿:ホテルプラパット 200000ルピア(エアコン付き)

■成田-バンダアチェ航空券 経由地によるが10万円前後 (参考:海外格安航空券の検索・予約 YAZIKITA)

バンダアチェに飛ぶためには日本からマレーシアのクアラルンプールに飛び、クアラルンプールからエアアジアに乗るのが最も近く、経済的です。他にはインドネシアのジャカルタからのフライトがあります。
クアラルンプール経由の場合、マレーシア航空のロス便が成田経由になったため深夜便にのれば早朝着で、エアアジアのアチェ便に乗り換えは可能。ただし、空港ターミナルが違うのでご留意アレ。
エアアジアの羽田発は深夜便があるのでターミナルを変えずに乗り換え可能です。(KIXはKULに一泊。)
ジャカルタ経由はガルーダやライオンエアなどです。(一部メダン経由)

エアアジアは直接航空会社のHPで。他はエイビーロードで金額をざっくり把握すると便利です。


旅程を立てるために参考になる本やウェブサイト
Sumatra Eco-tourismLumba Lumba Dive CenterPulau Weh Resort
インドネシア観光局:バンダアチェウェー島|アチェツーリズム:ache.net(全て英語サイト)