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パキスタンは山から下りるも一苦労。飛行機飛ばないから車で。

パンクしちまったじーーぷ
雇ったジープがパンクした。
カリマバードでS美さんと別れ、私はドライバーのアブドゥルと二人、ギルギットに戻った。
ドライバーと二人きりになる状況はあまり好きではない。気を使うし、なんかあったら困るし・・・。 と、たったの数時間のことでもとにかく身構えていた。

しかし、彼の場合は心配は無用。まじめを絵に描いたタイプというのはこういうのを言う。

お互いに言葉はからっきしという意思の疎通が困難な状況で、必死にこちらの要望をくみ取っていく。 頼んでもいないのに自分のミスの埋め合わせはしっかりやる。自分のことはそっちのけで、こちらの心配ばかりする。
言葉がだめなぶん、態度で示すのが伝わって、非常に心地よかった。宿のスタッフのおすすめなだけあった。

さて、ギルギットに戻るとすぐに頼んであった飛行機のチケットの確認をした。

「君がパスーに行ってる間、ずーっと飛行機が飛ばなくてね。席が全然空かなかったんだ。」
「でも、彼女は病気なんだからなんとかしてくれ!と言いまくってやっと明日の3便目がとれたの。」

ギルギットからのフライトは天候の影響でとにかく毎日の様に飛行機がキャンセルされる。
朝一番の便が最も飛ぶ可能性が高く、以下、2便目、3便目と時間の経過とともに確率は低くなる。

飛行機が飛ばないと、その便に乗るはずだった乗客が優先的に翌日の振り替えチケットを手に入れられるようだ。
私がいなかった2日間、飛行機は全く飛ばなかったのだが、全ての客が飛ぶのを待つわけではなく、
中には諦めて陸路で山を下る人がいるため、そのわずかな空席に無理矢理ねじ込んだという話。
とりあえず、明日、飛行機が飛ぶことを祈る。

翌朝、空を見上げると、薄く広がる雲の隙間から晴れ間が見えた。
「お、飛ぶかな?」と期待に胸躍らせ、荷物を作って飛行場へ向かったが、結果として飛ばなかった。
それも1便、2便は飛んだのに、3便だけキャンセル。なんで~。

「3便がだめだったのは、こっちは晴れてたけどイスラマバードの天候が崩れたからだって。」
「でも、今日待てば明日は朝一の便にしてもらえるよ。」

こっちじゃなくイスラマバードが天候不良ってのも詐欺のような出来事だ。
「明日の1便になったとしても、飛ぶ保証はないし・・・。」と後ろ向きなことを考えたら、案の定、翌朝のギルギットの空にはどんよりとした雲がかかった。

あきらめの悪い私は、荷物を作って飛行場に向かったのだが、待てど暮らせど飛行機が飛ぶ気配はない。
それどころか、待合室にすら入れてもらえない。
結局、この日は全便欠航となり、別の手段で山を下りなければならなくなった。

しかし、不幸中の幸いといいますか飛行場の周りで一人旅の日本人を数名、しかもみーんなサラリーマンを捕まえた。

それぞれ皆、行きはバスで来ており、辛さをよーーく体感済み。そして、お金を持っている
時間はない割に山に登ってしまう浅はかさは私と同じ。だって、短い休みでもようやく取れたら来るよね。やっぱし。

声をかけたら車のチャーターも二つ返事でOK。大あわてで手配に走った。

チャーターしたハイエース
チャーターしたハイエース
ギルギット-ピンディ間の車のチャーター料は、当時、Rs.10,000.前後だった。

4人で乗る場合、おすすめはハイエース(当時、Rs.10,000/台)。
後部座席が4列×3人シートなので、1人1列を使って寝ながら帰れる。夜行で使う場合は特におすすめ。
夜に使った人に爆睡できると断言されました。

ジープはこれよりRs.2,000くらい安いけど、窓がないから風が吹き抜けるし座席はきっちり4つなので、
山を下る10時間もの間、座ったままでやり過ごさねばならない。

ランクルは乗り心地はいい分、値段が高い。そしてジープと同じく寝られない。
また、他の乗用車にしたところで、険しい山道なだけにがんがん飛ばせるわけでもなし、かかる時間はどの車種でも大差ないはずだ。

飛行機代=Rs.2,750/人、ハイエース(4人でチャーター)=Rs.2,500/人と、納得価格です。
どうでしょ?もちろん、もっと人数を集めれば割安です。 

車の手配を無事に終えたところで、今度は飛行機のチケット代を払い戻しに行かねばならない。
早速我々は、ギルギットの町の中心部にあるパキスタン航空のオフィスに向かった。

おおよその想像通り、事務所はコンピュータ化されておらず何から何まで人海戦術で、数人の事務員が忙しそうに客の対応をしている。
我々が乗るはずだった今日の3便の予約の取り直しで人がごった返していた。

「このチケットキャンセルしたいんだけど。」
「キャンセル?明日の便に振り替えてやるよ。」
「・・・今はまだできない。キャンセルはもうちょっと待て。」

待てと言われたから待ってみた。客が一通り捌けて暇そうなのにそれでもまだ返金してくれない。

十数分経っても親父の動きは全くなく、たまに来る客とごにょごにょ話をするくらい。あとはじーーっと座っている。
まさか飛行機が臨時で飛ぶ・・・ってことはないよねぇ。イスラマバードから戻ってこないんだから。

「あのぅ、今日、ラワルピンディに行かないといけないんで、できれば早くしてほしいんですけど。」
「君らはラワルピンディに行くのか?だったらラワルピンディで払い戻ししなさい。あっちでもできるから。」

「じゃあ、そうする?」なんて言いだすやつがいたが、あわてて制止。
ピンディで払い戻しをしてくれる保証はないし、オフィスを探す時間も無駄でしょ。絶対に今ここで払い戻しを終えるべきだ。

親父の提案を却下させてもらい、さらに待つこと30分。
いい加減、なんで待たされるのか説明を求めようかと思ったその瞬間、一人の男性がオフィスに入ってきた。
彼はある宿の従業員で、客のために予約したチケット代金の支払いに来たのである。

その男が帰ったところで、親父がようやくのそっと動き出した。

「君たち、こっち来なさい。」

まず、私が呼ばれチケット代を渡される。続いてまた誰かが支払にやってくると、別の人の分を返金。
・・・要はオフィスに返金する金がなかったってワケですね。まさに自転車操業って感じ。
イスラマバードは首都だし、便数も多いからこんなことはないだろうけど、ギルギットではこんなことが起こる。
町で往復分のチケットを買った客が、一斉にフライトキャンセルで払い戻しを迫ると現金が底をつくのかも。

ともあれ、一応、全員の払い戻しが無事終わったとことで、一気に車で山を下った。
座席を悠々使って寝ながら行けるだけ快適でしたよ。


カラコロムハイウェイで撮った写真いろいろ

タイヤ交換もすったもんだ

タイヤ交換する
適合するタイヤがなかった。
チューブがバースト
空気入れもディーゼル
タイヤがバーストしたため、スペアタイヤと交換。アブドゥルくんも手慣れたもので、ちゃきちゃきとこなしてゆく。
よく見ると交換したタイヤもつるっつるだし大丈夫かぁ?って感じでしたが、そう思っているのは私だけではないようで、 町を通りかかるたびに中古のタイヤショップを物色していた。
 結局、サイズの合うタイヤが見つからず、タイヤを修理することになったが、 このまじめな彼が、お客を待たせてまで今修理するその意味は、しておかないと次にいつパンクするかわからないってことかも。
右はディーゼルで動かす空気入れ。当たり前だけどごーごーうるさい。

タイヤ交換見学者

見学者
山の上の民家はこんなん タイヤ交換をしている我々を興味津々で見学に来た少年少女。
オレンジの少女など、暇でうろうろしていた私に木の実をとってくれました。子供はどこの国でもかわゆい。
右は、この辺の民家。石を重ねて、コンクリで隙間を固めたものが多い。

とある田舎町

肉屋とスイカや きれいに整備された用水路 パンク修理の見学にも飽きてしまい、町を見学しました。
カリマバードとギルギットの間にある小さな町ですが、洋服屋、果物屋、肉屋、そしてもちろん車の整備屋など必要最低限の店がそろっている。
フンザではリンゴや杏は採れますが、スイカはおそらく下界から仕入れたものでしょう。

ラホールから社員旅行で来ていた方がおりました。

社員旅行中の女性 旅行会社のナンパくん  帰りもラカポシのビューポイントで休憩してましたら、ラホールからフンザまでバスで社員旅行に来ていた方々に出くわしました。左の女性は、そこの社員の一人。社員旅行する国って日本以外にもあるんですね。
 右は、ここの土産物屋のにーちゃんです。帰りもつきまとわれたので。

なーーんだ、ホテルの看板だったのか(笑)

パークホテル(ウルドゥ語) パークホテル(英語) インドの山奥もそうだったように、パキスタンにも岩肌にペンキで何かが描いてあるのだが、道路標識はきちんと立っているので、何が書いてあるのか不思議だった。アブドゥルに訪ねるとギルギットにあるホテルの案内だそうだ。
カリマバードからこっち、数百メートルおきにありました。

ここも風の谷という感じの谷

カラコルムハイウェイをゆく1 カラコルムハイウェイをゆく  ギルギット周辺は緑も多く、しばしばこのような景色をかいま見られます。
 右は車のフロントから見える景色。(だからアンテナみたいのが写っている)。

 まー、車で旅するとこんな感じです。

特別に寄ってくれたのかもしれない慰霊碑

中国人の慰霊碑 本とは撮っちゃいけない橋 何もお願いはしなかったのだが、寄ってくれた慰霊碑。カラコルムハイウェイを建設中に亡くなった中国人工夫をまつったもの・・・というか、こんなに立派だからもっと偉い人のかもしれませんが。隣に墓地があります。
車をチャーターすると必ず寄ってくれる場所なのかもしれません。
 右は単なる橋(ホントは撮影禁止)

仏陀

仏陀 仏陀2 ギルギットから車で15分ほどの山の中にある仏陀の石像。壁面を掘ってあります。
実はカリマバードの帰りに寄るはずだったのが、遅くなり(パンクのせいだろ)行けなくなったのだが、翌日、アブドゥルがわざわざ迎えに来た。 勿論、追加料金を請求したりしません。しかも。英語がわかる友人まで連れて。つくづくまじめな男だった。

せっかくポーズをとってくださったので・・・

小川 せっかくポーズをとってくださったので・・・ (つづき)
約束だったのに行けなかったことが気がかりだったのか、送ると約束した写真の住所を私に教えるために 英語ができる友人を連れてきたのか、はたまた単に通訳のためだったのかは定かではない。

しかし、この人はパキスタン人の奥さんが3人いるそうだが、だけども「あともう一人奥さんをもらえるんだよ」 って、さも、「嫁に来てくれない?」っていう言い方であった。
制度で嫁をもらえるからと言って、どうして私が君の4人目の嫁にならねばならないのか?ごめんこうむる。

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