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四次元温泉日記 [宮田珠己]


元サラリーマンパッカーにして現在エッセイストの宮田珠己氏の温泉行脚。
普通の温泉好きが書く本とは全く違うのでご注意ください。

この本のレビュー

サラリーマンをやりながらバックパッカー旅行を繰り返し、そのエッセイをまとめた本が
旅行人の蔵前氏の目にとまり、作家伝ビューをした宮田珠己氏。
なんてことない、日本人が普通に旅していていたら出会うような現象を
文章をおもしろおかしくこねくり回して楽しいエッセイに仕上げてしまう作家さんで、
彼のエッセイを読むことで旅情をかき立てられたりすることはないのだが、
特に描かれている土地を知っていると、その情景を絶妙なる筆致で書かれた文章で おもしろおかしく読むことができる。

この本は、温泉旅行についてが書かれている物の、筆者はけっして温泉好きではなく、
むしろ温泉をけなしているように思える節もあるのだが、その言い分が絶妙というか、
たぶん、私も温泉に行き始める前には同じ事を思っていたので、共感がかなりあり、
ああ、宮田氏も私も年を取って感性が変わったのだなぁとしみじみもしつつ、
楽しく読み進められた。

特にこの書籍の中に出てくるいくつかの温泉はすでに行ったことがあるので、
思いの外考えていることが似ているのにびっくりもした。

「居心地がいい」と感じ、湯治など始めるきっかけになった大沢温泉とか、
宮田氏も恐らくそうだと思うのだが、私は日本の宿泊施設のせわしなさが窮屈で、
朝食を朝の7時とかに食べさせられたり、チェックアウトが10時だったり、
だから温泉でどうやってのんびりなんてできるのだ!と思っていたのを
覆してくれたのが大沢温泉だったのです。

好きな時間に起きて、好きな時間に食事して、好きな時間に温泉にはいって、
たまに町に出て・・・なんて過ごし方ができるので。(マルカンデパートとか最高ですよ。)

これって、家でやると「だらしない」感じになっちゃうんですけど、
湯治宿でやると罪悪感が全然ないんですよ。
のんびりするために来たんだからいいんだ!と開き直る感じで。

宮田氏の温泉は迷路のような温泉の作りを楽しむために行っているそうで、
お風呂に入ることに重きをおいておりません。
なので普通の温泉好きがこの本を読んだら怒るかもなぁと思ったりして。

彼のたどっている旅は、たとえばジェットコースターなんかは最近乗ってないので
読んでもよくわからなかったけど、体験してから読むと楽しめるところがある。
理由はたぶん「語り口」でしょう。
巨大仏も見たら、もう一回、彼がどう書いたのかを確かめるように読み返してみようと思います。


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