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第6話 100年前のSLとポンコツディーゼルを覗く。[トリニダー]

1919年に製造されたトリニダーの蒸気機関車
【1919年に製造されたトリニダーの蒸気機関車】
昔はサトウキビを引っ張っていたが、今は観光客を乗せた客車を引っ張る。
トリニダーの歴史地区には石畳が敷かれ、200年前の古い建物が現存しているわけですが、
さらにもっと懐古趣味を熱くする物が残っています。1919年製造の蒸気機関車です。
この一帯は昔も今もサトウキビプランテーションが盛ん。サトウキビを運ぶために作られたのがこれです。

トラック輸送が主な輸送手段の現在は、この蒸気機関車は今は観光用になっていて、
トリニダーからマナカ・イスナガ駅までの16キロを、のんびりと、それも一面のサトウキビ畑の間を走り抜ける。
国内移動はバスか飛行機になるキューバの旅で、最も旅情をかきたてられるプランである。

ちなみに私はトリニダーの町に着いてすぐに駅に時刻を確認しに行ったのだが、 私の片言過ぎるスペイン語ではどうしても会話がかみ合わず、何度聞いても夕方発のローカル線の時刻しか教えて貰えなかった。
現在は1日1往復走っているとの情報がありますが、私が行く直前は週に3往復のみの運行でした。
(だから滞在中のどこかで乗りたくて時間を確認したかったんだけど。)
キューバはもう一度行きたいと思うので、今回は下見にいったと思うことにしました。

トリニダー駅とローカルディーゼル列車
ディーゼルのローカル線
というわけで、折角なので見に行きましたよ。ローカル線。
夕刻が近づくと乗客がポツポツと集まり、到着前には人だかり。
恐らくトリニダーに働きに来ている人たちが使う路線なのだろうけど、
よくもまあこの列車残ってるなぁと感心した。
乗りたいけど、乗ったら絶対帰って来れないしな~。

トリニダー駅は始発駅なので、駅の奥には車両基地があります。
ずーずーしくも線路を伝って車両基地に入っていくと、停車しているSL発見!

「せめてこれがサトウキビ畑の間を疾走していく姿見たかったなぁ」

と、じーーっと眺めていたら、それに気づいた男がツカツカツカとやってくる。
「や、やっべー。怒られるのかも。」と逃げそうになった私に笑顔を向け、右手を差し出す男。
「運転席乗りなさい。」「カメラ貸してごらん。写真を撮ってあげよう。」と、運転席に乗り込む手助けをし、
渡した自分のカメラで記念撮影をされてしまった。
いや、私別に列車が特別好きなわけじゃなくて、走っている列車からの景色見たかっただけで、
さらに、今は単なる覗きなんですが・・・。す、すいません。

勿論、このエンジニア君の目的はチップ。
キューバでは騙されたり、持ち物が盗まれたりといった犯罪に巻き込まれることは少ないのだが、
近づいてくる人それぞれが自分ができる限りのお金のかからない親切をして、お礼を期待する
ただし、勝手にガイドを始めて高額なチップをせしめようとするような悪質なタイプはすくなく、
お礼してもらえたら嬉しいなぁとさりげなく期待しているだけで自らは何も要求して来ない人が多い。
(※ハバナなどの都会の観光地の前にいる人は別。)

ハバナのホテルのベッドメイクのおばさんは、綺麗に部屋を掃除し、タオルを模様折りにしたその横に、
「キューバにようこそ。キューバ旅行是非楽しんでいってくださいね。」と手書きのメッセージを残していた。
う、うわー。枕銭おかなかったからなぁ。私。だって、キューバってチップいらないハズなのに・・・。

チップの習慣がある国からやってきた外国人観光客のお陰で、これに慣れない日本人にはやりにくいったらない。
そもそも勝手に敷地内に入り込んだのは私なんだから、親父もそんなこといわれる筋合いはないだろうが。
考えたあげく1cucを差し出し親父の元から去った。
この国は兌換通貨が出回っているので、チップの相場もよくわからないのであった。困ったことに。

この後、シエンフエゴス、バラデロ、マタンサスと各地を巡ってもっと複雑な感情が交錯してくのですが、
が、そのあたりのことはここで語ると複雑なので、つづく。

アンコンビーチアンコンビーチの砂をクローズアップ
トリニダー郊外のアンコンビーチ。貝殻が砕けてできた海岸が美しい。
ビーチ沿いにホテルもあるが小さな海の家があるので日帰り客もいる。
バラデロは外国人ばかりだが、アンコンビーチはキューバ人家族が多い。