キューバの旅 プロローグ
H. I. S. のカンクンオフィス。日本人従業員のS氏を捕まえ唐突に切り出した。
「あと数日カンクンにいる予定なのでその後出発で。10月8日か9日あたりから。
旅程は、まああまり厳密に決めてないんですけど。10日くらい。」
話を聞きながら黙ってメモを取るS氏。私が一通り要望を伝えると商品の説明をし出した。
説明を始めるそばから、帰路の日程変更、第三国への出国航空券がどうのと、次々と質問を浴びせかける私に対し、S氏は表情をほとんど変えずにさっと目の前の端末をたたき、モニターを見ながら淡々と答えを返す。なんだかクールな印象の人である。
思えばこの旅行前、自宅最寄りのH. I. S. でグアテマラ行き※の複雑な航空券料金を問うたとき、順番待ちに30分、チケット調査に30分以上も待たされたあげくに、「お待たせ致しました」と全く心のこもらない口調で言い放った眼鏡の偉そうな従業員(席配置からして係長か?)に気分を害し、結局他店でチケットを手配したのがこの旅の始まり。
※日本からロス経由でグアテマラに飛び、陸路でベリーズ、メキシコにたどり着いた。
私は日本でH. I. S. を使うことはまずないと言っていい。もっぱらネットで手配の人である。
ところが、海外の支店はサービスが限定されているので答えは即答だし、お客が少ないので待たない。何より日本語通じて楽なので重宝する。
翌日、電話で手配状況を確認し、再びオフィスを訪れた。 「キューバツアー手配できました。うちの会社で作っているキューバのパンフレットです。」 「くれぐれもパスポートに出入国印が押されないように気をつけてくださいね。押しそうになったら止めてください。ツーリストカードに押すように強気で拒否してください。アメリカで大変な目に遭います」
一通りツアー内容の確認が終わると、S氏は急に奥歯に物が挟まったような口調になり、おずおずと話し始めた。
「空港-ホテル間の送迎はあくまでも向こうの旅行代理店の無料サービスですので来ないこともあります。その時はご自分でタクシー拾ってホテルに向かってください。」 「ATMでお金をおろそうとしてそのままカードが吸い込まれることも少なくないので、両替は現金でされた方がよいと思います」 「とにかく社会主義国ですから。日本やメキシコとは、特にカンクンとは違いますのでその辺をくれぐれも念頭に・・・」
快適なバス、快適なホテル。コンビニにスーパーにアメリカンファーストフード。
キューバ。 何が起こるんだろ~♪ | 【シーフードポット】 【なんちゃって中華】 【フードコートののびのびパスタ】 【朝マックメキシコ風マフィン】 |
ちなみに母と義妹に「面白いでしょ~」とこの話をしたら「面白くないよっ」って言われてしまった。