パラオの食文化:日本が残した携帯食。お弁当。
【コロールのスーパー矢野の超ボリューミーなお弁当。量を除けば日本の弁当そのもの。】
第一次世界大戦でドイツが敗戦国となった後から日本が統治したという歴史があります。
さらにその後に日本が戦争で負けて、アメリカ統治後に独立というわけで、
これらの国々の影響を少なからず受けてきました。
南太平洋の島で、一部火山島もありますが国土のほとんどが珊瑚礁の島です。
そのためか昔はタロイモなどの芋類や周辺の海からの恵みの魚介類を食べていたと推測します。
赤道も近く、土も痩せていることから作物が育たないのではないかと思うのですね。
現在、パラオ国内に流通している物の9割が輸入品だそうです。
そして、独立したといってもアメリカの影響下にあるので、ビックリするくらい何でも手に入ります。
国の規模を考えると結構衝撃的でした。(やっぱグアム経由で入ってくるんだろうなぁ。)
そんな背景を元に、まずは日本統治の影響を受けたと思われる食文化を紹介してみます。
アサヒスーパードライ
パシフィックブルー[中国製]
コロールからグアムなどの周辺を統治し始めます。
この頃にきっと日本食や米食が入ってきたのではないかと思います。
自国にない文化が流入してくると、言葉そのものも外国語由来で残りやすい。
パラオでその象徴としてよく取り上げられるのが「弁当」です。
(そういや台湾でもだわ。)
スーパーのお惣菜コーナーではプラスチック容器にご飯とおかずを詰めて
弁当にしてくれます。言葉もそのまま。「BENTO」です。
オプショナルツアーでは少なからずこのベントーを食べることになり、旅行者の間ではおなじみです。
ベントーの中身も割と日本でも鉄板のおかずだったりするんだけど、組合せとか量がパラオ風だったりして。
例えば冒頭の写真のお弁当は、日本では副菜とお新香が入っているスペースに
豚の角煮(タマネギと煮てある)、空心菜のナムルがぎっしり。
おかずコーナーに入りきらない白身魚のフライと揚げなすは、ご飯の上にどーんと乗り、
チキンはモモ部分だけでなく胸まで半分切り取ってあって、つまり鶏の丸焼きを3等分してあった。
これで7ドルくらいだったので安いと言えなくもないけど、これを一人で食べてたら肥満まっしぐらです。
【離島の食品スーパーにも当然のように日本の調味料が並ぶ。】
ベントー以外にもおにぎり、海苔巻きもしっかり浸透しています。
人口が2万人を切ってしまっている国なので、日本みたいに工場で大量生産したモノではなく、完全に手作り。
おにぎりは型にはめて作ってあったりしますけど、海苔巻きはきっと弁当屋のおばちゃんが巻きすで巻いたんかなと。
海苔巻きを買ったとき、ラップの隙間から見える茶色い物体を見てかんぴょう巻きだと思って買ったんだけど、
食べてビックリ。かんぴょうだと思っていたのは白滝でした。それも白滝を甘辛く煮てあるの。
これ、かんぴょうの代わりに白滝を使ってるんだと。味付けがそのものだったから。
白滝と薄焼き卵とたくあんが巻き込まれた太巻きというか、中巻きサイズでそこそこのボリューム。
そして、その海苔巻きを切らずにそのままラップして、かぶりつくところが恵方巻きみたいで豪快なのだ。
【フライドチキン・ギョニソ弁当と海苔巻き。具は白滝と卵とたくあん】
フライドチキンとギョニソの素揚げというのが日米の供宴ですけど、その辺りは別ページに譲るとして。
暑い国の弁当なので味付けが濃いけど、こうやって簡単に日本食が手に入るので、
他国みたいに「あー、日本のご飯が食べたい!」と恋しくなることはそんなにないです。
しかし、その代わりに、パラオのご飯を食べようと思ったとき、それがなかなか食べられないのが面白くない。
9割の輸入品の中に、調味料も食材も含まれるので、島で取れた島の味って限られてきます。
パラオっぽいお持ち帰りグルメは、タロイモをゆでた物とかデザート系で少し見みたくらい。
後は敢えていえばお刺身だけど、これも日本の食文化の影響だよね。きっと。
ツナサンドだって、缶詰だよね~。
サバ缶の太平洋エディション
ココナッツミルク煮です。
(日本で製造されている南国仕様の缶詰なんて言うのもある。日本非売品。)
後者の場合、日本で売られているものより安かったりする。
驚いたのはアサヒビールで、スーパードライが150円くらいで買えちゃいます。
ローカルビールのレッドルースターより安いので、ペリリュー島では自国産ビールを食っていた。
レッドルースター。ペリリューになくってフィリピンビール飲んでたよ。スーパードライ飲むのもなんですし。
カープレストランで食べたカープ風すき焼き。肉豆腐に目玉焼きが載ってる感じ。
見た目もすごいが(4人前くらい。)、味もすごい。すき焼き肉じゃないし。