ラン航空。史上最悪のフライト。スタッフ教育の低質さにうんざり(3)
待ち時間5時間。日が暮れた。
空港に着いた時には発着案内すら表示されていなかった。
トランジットラウンジを一周し、レストランで食事をしてもまだ余る。
たまたま持っていた文庫本に助けなられながらひたすら時間をつぶした。
そしてようやく20:10の出発時間となり、
ラン航空LA600便は定刻通りにチリのサンティアゴを飛んだ。
途中降機したリマでは、1時間のトランジット時間に空港内をかけずり回り、
やっとの事でネットが出来るパソコンを発見。
それはカフェに併設されたパソコンで、飲み物を注文したお客のみ15分間だけ利用できると言う。
実は、今回の飛行機の遅れを日本に連絡できなくて困っていた。
フライトキャンセルが決まったラパスは日曜日だったので当然会社は休み。
しかも地球の反対側にいるので、家族に電話しようにも深夜である。
サンティアゴでかければちょうどいいと踏んでいたのにクレジットカードでかけられる電話が一つもない。
(チリのお金に両替してテレホンカードを買えば電話できたみたいだが)
しかも、アジアの空港のようにネットカフェやネットサーフィン出来るパソコンは1台もなかった。
どうも空港内に無線が飛んでいるようで、みなそれぞれ自分のノートPCを開いていた。
それはトランジット地のリマも同様で、クレジットカードでの通話はオペレーターを通すみたい。
恐らくスキミングとかの被害が多くてカード電話設置できないんだろうなぁ。
(考えてみるとそれは日本も同じなので、日本に来た外国人も不便だろう)
日本語がタイプできないカフェのパソコンからローマ字でだだだーーっとメールを打ち、
「あとはアメリカで電話だな~」と、とりあえず機上の人となった。
LA600リマ-ロサンゼルス便。機内食で2回同じメニューがでるところがびっくり・・・。
【サンティアゴ-リマ】
チリ便だったのでサーモンにした。
【リマ-ロサンゼルス(夕食)】
ハム・トマト・チーズサンド
【リマ-ロサンゼルス(朝食)】
ハム・チーズサンド
夕食のサンドイッチとほぼ同じ。
【リマ-ロサンゼルス(朝食)】
オムレツも美味そうではない。
行きと同じくロサンゼルス便はパーソナルテレビも備え付けられており、
行きと同様に「数独」や「テトリス」をしながら時間をつぶす。
時差の調整上、寝るのはリマ以降にするのである。
サンティアゴ-リマ間の機内食はサーモンをチョイス。
チリ=サーモンとワインというイメージが抜けなかったからなのだが、
空港で食べたバーガーに比べたら数段落ちる味だった。(見た目通り)
しかしびっくりしたのはその後のリマ-ロサンゼルス間である。
深夜のフライトだったので一食目は有無を言わさずサンドイッチなのだが、
数時間後の朝食で出されたサンドイッチもほぼ同じものであった。
オムレツとサンドイッチの2択だったし、トマトは入ってなかったが、
それにしても2食連続で同じ機内食出てきたのは初めてだった。
(ケーキとパンが加えられてはいるがフルーツプレートも同じ。)
・・・ラン航空のサービスってどうかしている。
フライト自体はその後も順調。
朝の7時過ぎにロサンゼルスの第3ターミナルに到着した。
イミグレーションを通り抜け、ターンテーブルから荷物を受け取ると、
再びトランジットカウンターの荷物係へ荷物を手渡す。
アメリカの仕組みを知らない人のために説明しておくと、
現在、アメリカはトランジット客でもアメリカ入国が義務づけられており、
イミグレーションで両手のすべての指の指紋を採取され写真を撮られる。
(去年は両手の人差し指だけだったのに10本に増えていた)
預け荷物は出発地で目的地までのバゲージタグを発行してもらえるが、
トランジット地のアメリカの空港で一端荷物を受け取り、
その後再び自分で荷物を預けなおすのである。
インドの空港で搭乗直前に自分の荷物を確認させられた経験のある方は
わかると思うが、要は持ち主不明の荷物を排除する目的だと思われる。
つまりロサンゼルスの空港で荷物は一端自分の手に戻ってきた。
今、冬の気候の南米から夏の北半球にやってきたことになる。
一瞬半袖の着替えを出そうと思ったのだが、
「そこに止まってないで早くいけ!」と促す黒人の兄さんにびびり、
「まいっか。機内は寒いし成田で着替えれば」
私はザックを再びトランジット用のX線に流してしまった・・・。
これが後々困った事態を引き起こすことも知らずに。
搭乗時刻間際に搭乗拒否。搭乗券は単なる紙で予約が入ってなかった。
日本のように縦長な建物ではなく、広大な敷地に2階建てのターミナルが7つもある。
日本などからつく国際線は第3ターミナルに周辺に集中していて、
私が今回使ったラン航空、大韓航空もたまたま第3ターミナルから発着だった。
今回乗り継ぐアメリカン航空はお隣の第4ターミナル。
3ターミナルで荷物を預けた後徒歩で隣の建物に移動した。
「この変な航空券で入れるのかなぁ?」
二次元バーコードが印刷された例のレシートみたいな航空券。
ラン航空のお膝元ではともかくアメリカでも通用するのかいささか心配。
セキュリティチェックでは、「え?これが航空券?」と驚かれたモノの一応スルー。
バーコードを読みとり機にかざすと、ピッという音がなり問題なく待合室に入ることができた。
そして・・・アメリカン航空に搭乗間際に拒否される。
スタバのラテとチリで買った
ハバナのビスケット
搭乗券を再び。これです。
アメリカン航空の成田行きが発つまで5時間もある。
第4ターミナルから発つ飛行機はアメリカン航空の国内線がほとんどで、
暇つぶしに見るお店すらほとんどなく、ひたすら暇に耐えていた。
驚いたのはターミナル内に公衆電話が1台もなかったことだ。
もう、みんな携帯持っているから必要ないってこと?
いくらなんでもあんまりだ。やっぱり日本に連絡出来ず・・・。
そして5時間が経過し、いよいよアメリカン航空の搭乗時間になった。
日本人係員の指示の元、整理された順番通りに搭乗する人々。
その区分がよくわからなかった私は最後に搭乗することにした。
係の日本人男性に搭乗券を渡すと、「え?」という驚きの表情を見せる。
彼はその搭乗券を機械にかざしてみるもののうまく通らないようで、
「ちょっとそこのカウンターで発券手続きしてもらってくれる?」
隣のカウンターで作業している女性に搭乗券を渡した。
「なにこれー。このレシートみたいなの?!」
「あ、あたし知ってる。ランチリってこれなの。見たことある。」
「変なの~。あ、あれ?名前しか入ってないよ、これ。」
給湯室で上司の悪口を言っているOLじゃあるまいしお客の前でどうなのそれ?
と言いたくなるような軽いノリ。
っていうか、その、名前しか入ってないってなんなのだ~!
「ちょっと待って、どうなってんのこれ?」
「これでここまで入って来れたんですか?」
勿論、入って来れたからここにいるのだ。
航空会社のシステムのことはわからないので何をしていたのかはわからないが、
アメリカンやコードシェア便の予約、航空券番号など、あらゆる手段を使ってようやく予約記録を見つけ出した。
しかし、システム上には「NO GO」という指示が表示され、予約記録が凍結されていた。
「え?でもこれシートナンバー入ってるじゃん。」
「これ作ったの昨日でしょ?この時は入れたんだよ。その後止められてるんじゃない?」
「ああもうこれでもだめだ。なんなのこれ!」
悪態を付きながらも必死に作業をしている傍らで、機内のキャビンアテンダントから苦情が届く。
「3分遅れてるって1分じゃん。なんなのよ全く。」
なんだかよくわからないが、地上係員とキャビンアテンダントの間には重くて分厚い壁があるっぽい。
日本人だけでなく、アメリカ人係員にも英語で報告し、みんなで文句をたれていた。
そんな中で一人だけいた日本人男性係員だけは女のグチに関わらずムシしていたが。
きっと彼女たちはヤなことあると、いつもこうやって日本語で悪態ついてるんだろうなぁ~。
そんなこんなで気が付けば離陸時刻となり、無情にも目の前の重~い鉄の扉がばたんとしめられた。
「まさか荷物預けてませんよね?」
そんな「あーあ。」っていう表情しないでくれよ・・・ヾ(´ー`)ノ。
私だって預けたくて預けてるわけじゃないのだ。水物OKだったら機内に持ち込んでるもんっ。
今回の搭乗拒否にまつわる彼女たちとのやりとりをまとめるとこういうことであった。
- ラパスでラン航空の係員が手続きをしたあと、予約が止められている。
- 大韓航空とラン航空の2枚の航空券を1枚の航空券の扱いで処理をしてエラーを出したっぽい。
(1枚の航空券になっていると経由便としてシステムに認識される) - ラン航空が作った予約のためアメリカン航空で変更が出来ない。どんな方法を試しても拒否される。
- ラン航空にシステム処理をしてもらうため何度も電話をしているが誰もでない。
- 荷物の処理は問題ないのでおそらく荷物は成田に飛んでいった。
「カウンターもオフィスもマネージャーのデスクも出なくてボイスメールに転送されちゃうんです。」
その後、「どうしたの~?」とカウンターにはアメリカン航空の新たな日本人係員が現れ、
「だからイヤなのよ。日本人が英語わからないと思って適当な処理しちゃってさ。」
と見当違いな憤りを見せながら聞き回ってくれたが、ラン航空が捕まらないのでどうにもならなかった。
「この状態ではうちではどうにもできないんです。ランチリにホテルと航空券出させた方がいいです。」
「この大韓航空のチケットなんの処理もされてないんですよ。
ラン航空に遅延証明出させて明日の大韓航空に乗せてもらう交渉するのが可能性高い。」
「この後まだシンガポール航空があるんですけど、席は・・・残ってるみたいですが
あそこは厳しいんでよっぽどランがきちんとやらないと無理だと思うんですよね。」
「大韓航空は夜にも仁川-成田ってのがありますけど・・・満席みたいなんで。」
搭乗口のパソコン一つで、他社も含めたすべてのフライトがチェック出来るのにいささか驚きを隠せなかったが、
「今ならフライトの直後だから絶対にいますから。」
という彼女の言葉を信じて、再び第3ターミナルに戻ったのであった。
・・・遅延証明って英語で何ていうんだろう。←こういう会話本もすべて預け荷物の中。
第3ターミナルに戻るとラン職員は談笑しながらくつろいでいるようだった。
いるなら電話にでろ。おまえら。