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中国から日本企業は撤退せよ 宮崎正弘


中国ウォッチャーで中国に関連する数々の著書を執筆する著者。
日本より安上がりというだけで中国に進出する危うさを厳しく指摘する。

この本のレビュー

相も変わらず日本国内にはメイドインチャイナの製品があふれている。
中国をよく知る知識人は数多くいるが、中でも中国の隅から隅まで歩き回り、
ビジネスにも精通した人と言えばこの方かなと思う。

この方の本は難しい漢字や日本語を多用しているものがおおく読みにくいこともあるが、
この本に関していえばそのような違和感がなく、すっきりと読める。
ただし、年代的にすこし古いので、今円高に苦しんで海外進出を考えている人は、
最新情報を調べる必要がありますね。

ただ、この当時の中国の問題が解決したかと言えばますますひどくなっているので、
ちょっと前の問題で今は当てはまらないとは考えることなく、参考に知っておくべきだ。

日本企業が中国進出する上でもっともだめなテンは、人任せにすることだそうです。
調査会社や現地法人に丸投げして自分たちはお金だけ払って安心しきる。
でも中国ではしつこく本人が現地に足を運んで細かくチェックしなければ大変なことが起こったりする。
だから中国コンサルタントをしている人はみんなその点を指摘しています。

今では少しずつ中国から撤退していく企業が増えてはいるものの、
相変わらずメイドインチャイナのオンパレードの日本。
かくいう私は商品を買うたびに必ず日本製かどうかをチェックしてから買いますけどね。
日本製の方が絶対に品質がよいからです。

鯖江のめがね産業が衰退した理由が中国の職人に手取り足取り技術を教え込んだ結果、
職人がみんな独立してしまったからだそうで、独立精神が旺盛な中国人ですから、あり得る話。
人間性とか性格とかをまったく日本と同じ感覚で対応しているとこういう目にあってしまう。

つくづく日本人は悪く言えば甘いしよく言えば性善説で生きていると思います。

まー、私はその性善説の日本人が大好きなのですが。

アフリカにも巨額の金を投じているし中央アジアでも覇権を握ろうとしています。
でも著者曰く、少なくとも一部の地域を除いては明らかにすかれてはいないそうです。
驚異に感じている小国がたくさんいる中、アジアで対抗できるのは日本だけだと思われているのに、
その肝心の日本が今おかしな政府が樹立してしまい、ぐらぐらときています。

今の日本人は目先のことにばかり目がいって大きな目で世界が見れなくなっていると思う。
政府もそれはしかりで、増税すれば政府の借金がへるわけではなく(国の借金ではなく政府の借金!)、
その前に根本のシステムを改良するのが先だろう。。。

こうやって日本の中の目先のことばかりでぐちゃぐちゃしているばかりなのが怖いなぁと。
この間も世界はうごいているのだ。(まあ世界もおかしな方向に動いているかもしれないが。)

あたしが一番中国で怖いと思っているのは、これ以上の経済成長が見込めないという段階になったところで、中国が為替介入をやめて中国元を切り上げることです。
元が急に強くなるから今デフレで価値が低くなっている日本企業をばんばか買収する気がする。
自力成長ができなくなったところで、さらに「人のふんどしで相撲をとる」わです。
(今までもそうだったが。)
技術はあるのに零細でほそぼそとやっているいい会社が軒並み外資に吸収されそうで、
そのあたりが恐ろしいなぁと思っています。

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