希望の現場メタンハイドレート [ 青山千春 ]
独立総合研究所の自然科学部長で学者である青山千春氏が綴る
メタンハイドレードの現状と日本の未来に向けての提言書。
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この本のレビュー
東京水産大学で学び、メタンハイドレードの研究をしている学者である青山千春博士が日本を取り巻くメタンハイドレードの現状についてを一般人にわかりやすく綴った本。
近年、採掘が成功すれば日本自前のエネルギー源となるとして注目を集めている
メタンハイドレードについての現状から、メタンハイドレードというのはどのような エネルギーであるかまで、忌憚なく、淡々と語っておられる。
私は千春博士の旦那さんでもある青山繁晴氏のファンなので彼のブログや
彼の著書「(ぼくらの祖国」などである程度見聞きしていた内容も含まれていたが、
日本の学者の世界をいろいろ知っている身としてはあるよなぁと思いながら読んでいました。
日本の学者には一般の人が思い描く学者然とした方もおられるにはおられるが、
どろどろとした足の引っ張り合いや教え子の業績を自分の物にしたりとか
そういうことが当たり前のように横行している世界だし、
更に男社会だから女の学者が生き残るのって結構大変だったりもします。
最近は「女性学者がもっと活躍できる場に!」なんて文科省がいろいろやってますけど、
研究生活は多忙な上、子育てなどで一度辞めたりすれば現場復帰は難しい。
でもこの方は子育てで12年ほどブランクがあった上で、学位を取得し、
研究者として活躍しており、さらに学会などから睨まれ、研究生活を阻まれ兼ねない内容の本をこうやって書かれたことに敬服する。
そして、近年の日本を取り巻く環境の変化や自然災害などにより、我々日本人が少しずつ日本の未来のことを真剣に考えるようになったことも、こういった著作が生まれ、読まれるようになった理由の一つでもあると思う。
最近はニュースでも取り上げられることもあるので、日本にもエネルギーがある。
レアメタルがある(沖ノ鳥島)。ということが知られるようにはなったが、
正しく理解するために読んでおいて損はないと思います。
青山夫妻のような国士がお元気で活躍されるのを願ってやみません。
とにかく日本のメディアが伝える情報は悪いことや自虐的なことが多く、
前向きな発言が少ないので(せいぜいスポーツくらいですね。前向きなのは。)
例えば東海道新幹線事業を進めたときは「夢の超特急」と国民をのせて、
実際にそれを実現させたのですから、メタンハイドレードもそのような後押しをするようになって欲しい。
青山千春博士の「採掘に失敗したのではなく、こうやると失敗するというデータが取れた」と考えるべき。という前向きな発言はたぶん企業で研究開発をしている現場などでは当たり前のことなのだと思うのですが、メディアが伝えるときは「失敗の事実」しか言わないので、ネガティブに聞こえるのは確かです。
なるほどなぁとしみじみしながら読みました。
あんまり旅とは関係ない本だけど、そもそも日本が第二次世界大戦に踏み切ったのは、
連合国にエネルギーを封鎖されたからであって、エネルギーを他国に依存せねばならない現状を替えられそうなのだから替えるべきだ。
既得権益を壊すのは一筋縄ではいかないのはわかるけど、
日本にはどんな組織にでも国士といえるべき人がいるので、応援したいですね。
日本海側の自治体を束ねて、日本海からエネルギー革命を!という
発想に持っていったのはすごいと思います。
青山千春博士の今後の活躍に注目です。
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タグ :
日本
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