「感謝」と「謝罪」 はじめて聞く日中"異文化"の話 相原茂
日本人、中国人の考え方、感覚の違いはいったい何なのか?
様々なエピソードと共に丁寧に説明されていてとても面白かった。
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この本の感想
ニュースを見たり、旅行をしてみて、中国人の直接的な物言いが好きになれなかったり、自分たちの要求だけを強く言ってきたりすることがイヤなことがあった。
特にニュースは番組を盛り上げるために自分たちの都合のよいコメントだけを取り上げることもあり、
中国人は日本人をよく思ってないとか、日本人を責めているコメントばかりが取りざたされたりするので、
そこまでいわれると、こちらはこちらで太平洋戦争のことはおいておいて、
「ちょっとまて、隣国を支配して国をでかくしていったのはどこのどいつだ?」と言いたくなるのです。
(日本人の私からすると)性格的に同じような気質を持つように思われる韓国は、「日本と韓国はこれだけ違うよ」ということを理解しましょうということを言う人もいるし、お互いの文化を比べた本が日本語に訳されたりしたものを読んだこともあり、また、最近はお互いの文化交流も盛んなのでマイナスの関係は減ってきた気がします。
その点、中国は理解しようとしてくれない。そんな一方的な感情を持っていた気がする。
ただ、中国政府は好きになれなくても、中国人が嫌いなわけではなかった。
直接的な物言いをすることが嫌いなわけじゃなくて、その内容が好きじゃなかったので、
要はそれは国の大人の教育がそうしていると思っていたからです。
今回、この相原先生の本を読んでみて、中国人と日本人の気質の違いがよくわかりました。
理解してくれない向こうに不満を持っていた自分も実は向こうを理解してなかったなぁと。
目くそ、鼻くそっていうか、そんな感じです。
自分の教え子達や自分の滞中時代の身近な例を出し、優しく暖かな目で日中関係を語って射る本です。
よく中国は賄賂だらけだ!って聞きますが、彼らの社会は人間関係がもっとも重要で、結果的に贈り物が必要になるんだなとか、昔、中国を旅行すると部屋があっても「メイヨー(ない)」と言われるといって旅行者が腹を立てていましたが、「ああ、そうか。それも知り合いじゃない人に便宜を図るいわれはないからそういう態度だったのか」とか、ちょこっとでも中国に関わったことがある人は、思い当たるエピソードが結構でてくると思います。
そして、中国出張のたびにやたらと手みやげを買っていったり、
食事接待の領収書がやたらに添付されてくる意味もなるほどとよくわかりました。
いやね。企業と違って研究費では接待っていうのはなかなかまかりならんのですが(特にお酒が入ってはいけない)、かといって研究に協力してもらう上で必要不可欠のものだったようで、なんだか苦労して説明していた先生方の姿が思い出されるのです。
こちらとしても「だめ!」と言うのではなくて「理由がなければだめなのできちんと理由や参加者などを記載してください」と口うるさいばばあのような感じになるのがめんどくさかったんですが。
だって、そうじゃないと通らないんだもん。大学って役所みたいなもんですから。
そういえばとある研究員の人がこんなこともいってました。
「お土産に口紅買っていったのよ。よかれと思ってシャネルを買っていったら「なんだ。資生堂じゃないんだ」って言われちゃって(笑)」
日本人がヨーロッパブランドの化粧品をありがたがっていた時代の人なので、
まさか資生堂が中国で人気という発想がなかったんですねぇ。
(そして、はっきり「資生堂がよかったのに」っていうのも日本人とは違うかも(笑))
大学教授が書いた本ですが、とても読みやすいのでオススメです。
中国に仕事で駐在する方とかも行く前に読んでおくと参考になるかもしれません。
タグ :
中国
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