とらえどころのない中国人のとらえかた 宮岸雄介
中国の北京郊外に住み、大学で日本語を教えていた著者の中国エッセイ。
中国生活を通じた様々な出来事が冷静に淡々と語られる。著者の人柄がでてます。
この本のレビュー
中国の北京郊外に住み、大学で日本語講師として滞在していた邦人の滞在エッセイ。岩手の新聞に連載されていたこともあり、知的で冷静な文体で綴ってあり読みやすい。
もともと著者は中国文化への興味も好意も持っているため、そして、中国滞在中にそれこそ
様々な人との交流をもち、中国生活全体を非常に有意義に過ごされたようで、
例えば、すこし日本人として違和感があったりする出来事も、冷静に、性善説で解釈して
淡々と語っているので、一般的な善良な日本人の考え方にマッチするかんじがした。
一方で性悪説で語る人の本と合わせてよむとよいです。
ただ、大半は中国生活で日本とは違う習慣や出来事を日本人の視点として語っているくだりで、
「へぇ~、こんなことがおこるんだ~」と楽しめる内容でした。
中国といっても非常に広く、日本の10倍以上の人口を抱え、しかも多種多様な民族がいるので、
一口に「中国人」という形で捉えることはできませんが、そういうことを踏まえつつ、
一つの例として楽しんで読めます。
ただし、著者は日本人は中国を「すごく好き」か「すごく嫌い」になって戻るというが、
これはちょっと違うとおもった。
だって、単なる旅行者として行く場合は中国語ができなから、深い話をすることもないし、
たいして嫌な思いをしようがないのですよ。
なにか日本と違うことが起こっても「異文化」として受け入れて面白がる人も多いはず。
好き、嫌いと二分出来るほどの簡単な国ではないと私は個人的に思います。
ちょっと違う地方にいけば、食べ物も習慣も考え方も全く違って、面白いですよ。
でも、別に、中国が好きか嫌いかと聞かれても、どっちでもないです。
ある意味、まじめな学者さんの書いた本だなぁと思いました。
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