意外に日本人だけ知らない日本史 デュラン・れい子
オランダ国籍を持つスウェーデン人と結婚しヨーロッパ滞在が長い邦人女性のエッセイ。
ヨーロッパから見た日本の視点や日本人としての考えを書いていて割と面白い。
この本のレビュー
オランダ籍のスウェーデン人と結婚したことにより、ヨーロッパ生活が長い著者。ヨーロッパの人から見た日本はどのように映るのかや外からみた日本の姿を思ったことを
個人的な体験を交えて書かれたエッセイ。
著者が版画家といった経歴を持つだけに、関わるヨーロピアンの中にはアーティストも多い。
留学時代のイギリスでは有色人種に対する差別もうけたようで、
ヨーロッパや日本の良い点、悪い点をいろんな方向から知ることができる。
フランスに関するエッセイを書く吉村葉子氏などは主婦の目線なので生活的なことや
フランス人の気質に関する著述が多いが、この方の本は「日本」がテーマなので、
日本の歴史や日本人の考え方などを「日本人代表」という思いで説明されたりしている姿に
好感を持つと共に、やっぱりここまでのことを説明出来る語学力と発言力は
世界で生きていくためには必要なんだなぁと痛感した。
ある意味今は日本の漫画やアニメが世界中に広まっているのはとてもラッキーなことです。
フィクションとはいえ、日本の文化が外国の方に広まっているわけで、
だから、「あれ?家の中で靴をはいていない。なんで?」とか、「ご飯茶碗を手に持って食べてる」とか、
日本人の普通の生活が読み手に自動的に伝わっていくところもあるからです。
この前、ネットでみた記事で中国の若者が「部活はマンガの中だけだろう」といっているのを見て、
「え?じゃあ中国じゃどうやってスポーツ選手を育てているんだろう?」と逆に興味を持ちました。
この著者によるとヨーロッパには日本のことはあまりよく伝わっていないような感じです。
「アメリカは日本を甘やかした」とか「我々はドイツを許さない」とか言うのに驚いた。
そして、オランダ系のベルギー人が「オランダが投資したインドネシアを奪った」というのも。
やっぱり、日本とは考え方が違うのだなぁと思うと同時に、
折を見て日本の立場を説明してきた彼女のような人は敬服に値する。
私の場合、例えきちんとした語学力があったとしてもそういう話題には口をつぐみそうだし。
まあ、そういう意味では私はヨーロッパには住みたくないですね。
この人の本は新書ながらもベストセラーになったのはわかる気がしました。
別に戦争のことみたいな小難しいことを書いているわけではなくて、
口語ベースでのエッセイを日本に対する切り口で書いているものです。
江戸の日本がいかにエコタウンだったかとか、日本の歴史的なことも触れているので、
日本人でありながら、実はよく知らなかったなぁということを知る場合もあります。
多くの日本人に、日本のことを誇りに持ってもらいたい。という意味もあると思う。
結構、たのしんで、さらっとよめました。
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