日本に住む英国人がイギリスに戻らない本当の理由 [ 井形慶子]
英国の生活をテーマにした雑誌を長年作り続けてきた著者。
イギリスと日本を冷静に比較分析しており、時には目から鱗も落ちる。
この本のレビュー
イギリスの生活を紹介する雑誌を作り、長年、イギリスと日本を行き来してきた井形慶子さんの新作。主にイギリス人からみた日本についてなどをまとめてあります。
ヨーロッパに住んでいる日本人が書いた本には日本の悪いところばかりをあげつらい、
批判するような書籍も多くありますが、この方の本はさすがに雑誌を作っているだけあり、
文章を冷静にまとめ上げていて大変に読みやすいです。
一つ一つの項目に関しては内容は薄いところもありますが、こういう本を読んでいると やたらに自虐的だった戦後日本を「そんなに悪くないのかな。」と考えるきかっけにもなりそう。
以前、フランスやドイツの教育について書かれていた本を読んだときや別のビジネス書などを読んだときも思いましたが、日本の教育は高校まではかなりまともなのに、大学になると途端にだめになる。というのがこの本を読んでさらになるほどという感じがした。
部活については日本のアニメや漫画を見ている中国人も「あれは漫画の世界だけの話だろ」とネットで突っ込んでいるというのを聞いたことがありますが、日本特有のシステムなんですかね。
部活、私はまじめに取り組む生徒ではなかったけど、クラスとは違う友達ができたり、
チームワークだの、みんなで協力するだのっていう日本的な団体のあり方って、
こういうところで培われるのかもしれません。
近年、グローバリズムだのなんだのと日本的な会社のシステムを声高に批判する人が 沢山いましたが、日本で育った私は日本的な会社のシステムが心地よいし、 いい仲間に巡り会えたらっていう前提ですけど、飲み会とか好きでしたよ。
塾、部活、近所づきあい、サービスなどについて、日本特有なのだということを
日本に住んでいるイギリス人の意見なども踏まえて紹介していたり、
移民問題、契約社会、老後の生活設計など日本にはないイギリス的な考え方や
さらに日本とイギリスとの文化の違いなどをさっと紹介した本です。
だらだらと論じず、なぜそう思うかを実例を元に紹介しているので読みやすい。
割と彼女の著書は読んでますが、他の著書と内容がかぶってる・・・ということもなく、 さっと読めました。
しかしつくづく思うのは日本の大学は問題だよな~。
今なんて大学全入時代で行っても勉強しない子が大学に行くのだから、
これはどうにかしないといけないと思います。
こんな時代なのに大学や学科がどんどん認可されて増えていっている事実を
誰も突っ込まないのはなんなんでしょうかね。
山中先生や中村先生がノーベル賞を取る一方で、底辺はおかしなことになってますけど。
記事はお役にたてましたか?
記事にご興味をもっていただけましたら、
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓以下のソーシャルボタンで共有していただくと嬉しいです^^