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ホーム > 移住・滞在系エッセイ > となりの韓国人 黒田福美

となりの韓国人 黒田福美


顔だちが似ているだけに忘れがちだが育ちも文化も違う外国人。
韓国人と日本人の違いをわかりやすいエピソードでつづってあって面白かった。

この本のレビュー

韓国通で有名な女優の黒田福美さんの本。
彼女の本はソウルマイハートやソウルの達人などいろいろありますが、
これらはガイドブックだったり、彼女が韓国に関わるようになった経緯などがかかれた物ですが、
この本は、「韓国人ってどんな人?」ということがわかって面白かったです。
そうなのよ。彼女のいうとおり、顔かたちは我々と似ているけど外国人なのだよなぁ。

最初の方の章にでてきた韓国人は日本人とは顔立ちが似ているだけに
つい外国人であるということを忘れて接してしまい、それがゆえに起こる行き違いが多い。
っていう話からまず引き込まれました。

そして、ああそうか、そういうところも感覚が違うのかと。
私は日本人の中では、失言が多いほうというか、いいたいことをいってしまうタイプなんですが、
韓国の人と比べるとそれほどでもなく、やっぱり日本人なんだなぁ。としみじみしたり。

最近韓国ドラマを時々見るのですが、いまいち日本人の感覚ではわからないシーンがあるんですね。
たとえば、息子とお母さんの結びつきとか、なんでああまでお母さんに気を使うのだ!とか、
母と息子がはぐしたりするシーンも日本では滅多にないわけですし。
(私個人で考えると、父と抱き合うなんてあり得ないです・・・。)

その違和感もたぶんハリウッド映画を見ているときは感じない感覚で、
やっぱりアジア人=外国人という認識が薄いんだなぁと思いました。
ということは、韓国人も日本人について勘違いしていることも多いんでしょうね。
韓国人、中国人など比較的顔立ちが似ている東アジアの方が勘違いによるギャップが多いのかもしれません。

そのほか、韓国の男性はみんな軍人であるということがどういうことか、
戦争を放棄してアメリカに守ってもらっている今の日本人には簡単にわからないことで、
黒田さんももちろんそうであったようで、そのことを垣間見るようなエピソードなど、
普通にエステやグルメを楽しみに韓国を旅しているだけではわからないことがいろいろ見えてきます。

今まで、韓国人と結婚した人が描いたのろけ話ばかりのエッセイや旅行記ばかりを読んでいただけに、
この本はスポンジが水を吸い込むようにするするとはいっていきました。

韓国をバスで旅していたとき、隣の見知らぬお姉さんがみかんを普通に差し出してきたことがありびっくりしたんですが、そういうことも韓国人はあたりまえなんだなぁとか、 韓国のドラマで男性でもヒロインに思いが通じず涙を流したり、 やたらに大げさにおろおろとのた打ち回ったりするのも、 表現方法の一種なのね。

じゃあ、日本の俳優のさっぱりした演技は韓国人に通じるのかしら?と不思議にも思います。

なんていうか自分の韓国体験やドラマの記憶をたどると、「ああ、あれはそゆことだったのか!」と
心の中にあった違和感を払拭してくれるエピソードがとても多かったのです。

韓国旅行の前やドラマや映画が好きな方は、読んでおくとより楽しめるかもしれません。
文章も読みやすいのでさっくりと読めます。

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