アメリカなう。 小国綾子
駐妻としてアメリカ暮らしを通して感じた日米の違いをつづったエッセイ。
先進国といってもやっぱり外国で日本とは違うんだなぁと改めて感じます。
この本のレビュー
夫の転勤で駐妻生活を送る著者がアメリカ生活をコミカルにつづったエッセイ。さすがはもと新聞社勤務だけあってエッセイの一つ一つがすぱっとテーマごとに綺麗にまとまっていて読みやすくてあっという間に読んでしまった。
私はよくもしどーしても日本以外の国に住まねばならない場合どこに住むか?ということを妄想するが、
その答えは今のところ「タイ」である。
そうすると「え?アメリカとかじゃないの?」って言われるんだけど、
逆になんでアメリカがいいの?って不思議で仕方がない。
そういうことを言う人に限って、アメリカ=日本と変わらない生活ができると思っている節がある。
私はどこの国にしても外国なんだから絶対に日本と変わらない生活ができるとは思えない。
その中で考えると一番精神的に安定を保てそうなのがタイになるんです。
アメリカがなぜだめかっていうと、「車がないと生活できない」こと。
「必要以上にフレンドリーを求められる」こと。
「ご飯がおいしくない」こと。
「日本食を食べたくとも食材を手に入れたりするのが大変。」なこと。
他にも宗教観の違いとか、人種差別とか、いろいろあるけど、もっと単純に「寒い」ってのもある。
そして、夜に一人でふらふら出歩けない治安の悪さもイヤ。
物価だって高い。なんていうか質が伴わない高さだというかねぇ・・・。
で、この本を読んで、「やっぱりねぇ。」というエピソードがいっぱいでてきたし、
アメリカに幻想を抱いている人には是非読んでほしいと思った。
勿論、イヤなことばっかりじゃないのはわかっているんだけども、
私はたぶん性格的に無理だと思うんですよ。
バスの運転手ににっこりと「ハーイ!」なんて挨拶されてもどうしていいかわかんなくて。
旅行ぐらいでは「アメリカはフレンドリーだ」って合わせていられるけど
あれが日常になるのはたぶん疲れてストレスフルになる。
この本はアメリカを悪く描いているわけではなくて、アメリカと日本ではこうも 生活環境や文化が違うんだなぁと著者が感じたことをエピソードを交えて おもしろおかしく書いてあって、「おお、そんな感じ方をするのか」と面白くよめます。
なかでも一番面白かったのは著者の息子さんが、日本の給食が懐かしくてホームシックになった話。
彼のお友達も駐在期間が終わって家族で日本に帰ることになったときに、
「これで日本の給食が食べれる!」って大喜びしたそうでして、
わたしも著者と同じように「給食ってそんなにうまい物だったっけ?」って思ったけども、
逆にアメリカの給食が激まずだっていうのを知り、うわぁ・・・っていう。
しかも給食を残さず食べなさいではなく、「さっさと捨てて遊びに行きなさい」と先生もいうそうで。
ハンバーガー、ホットドッグ、チーズマカロニという炭水化物オンパレードの給食なんだって。
おまけに学校でおやつの時間があって、ポテチやチョコレートを食べるんだって。
そんな食生活をしてたら病気になりそう・・・。
私は常日頃からアメリカのスターたちが日本食やマクロビに興味津々なのが不思議だったが、
なんとなく合点がいった。お金持ちはともかく庶民の食生活ってスゴイバランス悪いのかも。
アメリカでおいしい物を食べようと思ったら自分で作るしかないので料理の腕が上がると ありますが、
以前、レッドソックスにいった松坂の家族のことをテレビで放映していて、
「朝は婦人手作りのシナモンロールの朝食を食べて・・・」なんていう話を聞いて、
「なーに、気取っちゃって」って目で見てたんだけど、そういうことじゃなかったのかもなぁ。
スポーツ選手の旦那の体調管理をするのは日本以上に大変な環境なのかも。
日本ではパン屋で買うパンまで家庭で手作りっていう気合いがひつようなんかな~と 今は思う。
アメリカ留学しよかな、とか駐在する予定の人は行く前に読んでおくと、参考になると思います。
それ以外の人も楽しく読めますよ。1時間あれば読み終わる気軽なエッセイです。
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