娘を留学させてはいけない 高橋美津子
海外留学に憧れる日本人は多いがその負の部分に目をそらしていがち。
主にアメリカに留学した日本人が被った不利益を集めた本です。
この本のレビュー
海外留学前に一読しておきたい本。海外留学を斡旋する機関は生徒数を増やすために利点ばかりを宣伝文句に使います。
実は留学によって人生に不利益を被ったり、英語力も国際感覚も何も培われずに帰ってきたり、
ただ留学すればなんでもいいのではないことをよく考えないといけない。
バブルの時代はOLの語学留学なんていうものが流行ったが、今になって考えると、
本当に本気で語学を身につけようと真剣に勉強すれば日本でも語学は身に付く。
それよりもきちんとした目的があって、その目的を達するために語学が必要でないと、
結局、その語学すら身に付かず、さらに日本で勉強して得られていた知識の積み重ねもなく、
同級生に後れを取って、就職も危うい・・・なんてことになります。
今の世の中、グローバル、グローバルって英語の大切さをことさらに喧伝しますけども、
あれはやっぱり語学教育業界が煽っているんではないかなぁと思います。
やっぱり、ある程度勉強する本人に差し迫った必要度や語学そのものに対する興味がないと続かないと思うんですよねぇ。
と、自分も語学教材をどぶに捨ててきた身として実感を持って読めました。
語学はあくまでも人と会話をするためのツールです。
ところが私はアメリカやイギリス、オーストラリアに興味がないので、
これらの国の人と話がしたいと思ったことがありません。
だから逆に中南米を旅行した時にかじったスペイン語や、インドネシアに行った時に
片言のインドネシア語を覚えて話しかけた時に話が通じた時にすごく嬉しかったです。
その時から少しずつ片言フレーズが蓄積して行きました。
それは周りのインドネシア人が未熟な外国人の片言言葉を温かく見守り、笑顔で対応してくれたからもあります。(そういう意味では中国語は台湾で勉強するのがいい気がする。)
たぶん、インドネシアに住むことがあったらすごい一生懸命インドネシア語を勉強出来ると思う。
英語に関しては、学校で強制的に勉強させられたからか、「完璧」を追い求めてしまうし、
なんか萎縮してしまいます。
それとやっぱり英語がビジネスの共通語になってしまったので、大人になってもまともな英語を 話せないのはどこか恥ずかしいといった空気がある気もします。
そういう意味では、今の世の中では子供の頃から英語に親しむのは悪くはない。
けど、それを語学留学に結びつけるのはどうかなぁというのもこの本で改めて感じました。
ただ、この本はほとんどの記事がアメリカ合衆国に留学した人の体験談です。
語学が身に付かないなどといった失敗だけでなく、ルームメイトが麻薬におぼれていたとか、
留学したかわいい娘が現地で恋人を見つけて外国人と結婚してしまい(アメリカ人とは限らない)
孫が生まれても孫との会話ができず、寂しいといった親御さんの体験もあります。
人種差別を目の当たりにした人もいれば、日本の戦後教育のまずさで韓国、中国人から
過去の歴史を責め立てられた人まで。(これに関しては正しい知識を自ら得ておくべき。)
嫌な目にばかりあうとは限りませんが、負の一般論も予め知っておくのは大事だと思う。
最近は日本の若い人が留学しない!と問題視をする人がいますが、
若者が引きこもるというだけではなく、金銭面の事情もあれば、
アメリカばかりを見なくなったという一面もあるのだろうとも思います。
ただ、外国を見ることで、日本をしることも沢山あります。
日本文化に興味がある外国人に日本文化について質問を受けても答えられなかったり、
日本で当たり前に思っていたことが当たり前でなく、ありがたみを知ることもあります。
若い頃にかいた恥はその後の自分を磨く糧にもなるので、そういう意味では悪くはないかも。
ただ、私を含め、打たれ弱い人は人種差別がなるべくない地域を選ぶとか、
いろいろ下調べは慎重にした方がよさそうです。
そして、語学マニアならともかく、語学以外の何かの目的をもっての留学が必須だと思います。
語学だけなら旅行中に旅行者と会話しながら身につける人だっていますからね。
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