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津軽百年食堂 森沢明夫


青森県津軽地方に実在する三代70年以上続く大衆食堂をモデルに
津軽の百年食堂の家族の姿を描いた小説。桜の時期に津軽に行きたくなります。

この本のレビュー

りんごの産地として有名な青森県の弘前市。
その周辺には明治の頃から続く伝統的な大衆食堂が残されており、
青森県では百年食堂として定義し、紹介している。

そして、弘前の桜祭りといえば、ちょうど桜の満開の時期がGWと重なるため、
毎年多くの観光客がその桜を見に行くわけだが、その桜祭りの出店も名物の一つだそうだ。

そして、その桜祭りの時期になると、弘前の百年食堂は店を閉め桜祭りに出店する。
そんなエピソードを知っていた身内は、「その本、弘前の食堂がモデルでしょう?」とうれしそうにのたまった。

本の後書きによると、津軽地方の百年食堂は10軒残されているそうだ。
著者はそれらの食堂を丹念に取材し、この物語を作り上げた。

登場人物は食堂を始めた初代、現在の食堂を切り盛りしている3代目、
そして、ストーリーの中心となるのは跡取りになるはずの4代目のお話。
どこにでもいそうなエリートでもなんでもない普通の日本人の青年であり、
そして、多くの東北人の若者がそうであるように東京にでて苦労していて、
そんな人の一つのたわいない人生を、描いている。

物語は家族やそれぞれの登場人物の視点に次々と入れ替わることにより、
その普通の日本人の普通の人生が、いろんな人の目線でじわじわとしみこんでくる。

一言で言えばハートウォーミング。暖かい気持ちになれます。
そして、ああ、弘前の桜祭り行ってみたいなぁと思うことうけあい。
ゴールデンウィークの旅先を迷っている方、行かれてはどうですか?
弘前市内の宿が一杯でも、青森とか他で宿取って電車で行けばいいですし。

私は人混みが嫌いで、祭りなどの行事の時期に観光に行くのは避けてたけど、
この本を読んでしまっては、桜の花だけではなく、食堂を目的に弘前に行きたくなりました。

台湾でお父さんが青森出身の日本人だというおばあさんにであい、
おばあさんが日本語の本を読みたくてもなかなか手に入らないというので、
青森にまつわる本を探していて出会いました。

その方は、戦後、国民党統治になってお父さんは日本に帰されてしまい、
とうとう生きている間に再会することはできなかったといいました。
今では台湾も日本も自由に行き来できるので、お墓参りには行くのよとおっしゃった。

お父さんは津軽地方の人ではないかもしれませんが、
時々本の端々にでてくる津軽弁は我々他地方の人間でもわかるレベルです。
きっと台湾でのお父さんは標準語を話しつつも、時々お国言葉が出たんではないか、
ちょっとは懐かしんでもらえるかな?とそんな気分で選びました。
喜んでくれたらいいな。

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