幸福王国ブータンの智恵 アスペクトブータン取材班
近年まで鎖国状態にあったヒマラヤの小国ブータン。
国民総幸福をベースに自分たちのペースで生きていく。仏教は日本人に染みる。
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この本のレビュー
ブータンはヒマラヤにある小さな国で、近年まで外国との接触をしていなかったため、日本人にはとてもマイナーな国です。
インドやネパールに旅行すると、お隣にあるので行きたいなぁとおもうのだが、
旅行しようにも1日200ドル/人という金額が決まっていておいそれと行けない。
しかし、話を聞けば聞くほど興味は募る。
この国はチベット仏教を国教としている。
経済発展は遅く、物質的には貧しい部類にはいるのだが、国民のほとんどが
自分の人生を幸せだと言い切れるという。
また自分たちの伝統を守ることを大事にしており、建築物もブータン風、
外出着も民族衣装を着ることが義務づけられています。
その民族衣装が日本の伝統衣装に似ているところも親近感が沸くのです。
むかし、ブータンを旅した旅行者の旅行記に、宿の窓からお金を落としてしまい、
「こんなところに100ドルが!」と人だかりができたそうだ。
あわてて階下におりて「私のなの。落としちゃって。」と説明したら、
「なんだ、外国人が落としたからここにあったのか。」と人だかりが解散したそう。
お金が落ちているから猫ばばしちゃおうと考える人は一人もおらず。
その姿にびっくりしたと書いてありました。
この本にも国営航空の飛行機を購入した際、業者がコミッションを払おうとしたら、
役人がかたくなに断ったそうです。コミッションってゆっても公務員なんだから賄賂ともいえます。
「そんなものをくれるんだったら部品をくれ」と言ったそうです。
悪いことはいつだれに見られているかわからないということでもあるし、
見られてなくても自分のことは自分が一番見ている。
仏教の教えの中で生きているので、不正ができないのだそうです。
日本人は多くの人が自分たちを無宗教だと思っていますが、
実はいつの間にか仏教の精神がしらないうちに身に付いている。
例えば日本で財布を落とした時、その財布が戻ってくることって結構な確率である。
私も数回その場面を目撃しています。ついこの間もあったんですよ。
日本人の場合、人が見ていないとこっそり中身を猫ばばしてしまう人もいますが、
他人の目を気にするっていうのもありますが、「お天道様がみている」と言われてそだった
そういう精神がいつの間にか根っこにあるのだと思います。
一方で人の見てないところでは勝手な行動をとってしまう。
見てないからゴミを捨てる。見てないからお金を拾ったら自分のモノにする。
震災被災者の家にこそ泥が入ったりといったことも問題視されていました。
日本人は物質的には豊かになったけど、精神的に悲観的になりがちです。
でも我々だって根っこはブータンと同じかも。とこの本を読んでほっこりしました。
ブータンの国王が結婚され、日本に国賓として訪問することが決まりました。
にわかにブータンのGNH(国民総幸福)などが報道されるようになり、
「ブータン?どこそれ?」と思った人もいるのでは?
ブータンってこんな国です。ということを簡潔にわかりやすく伝える本で、
日本の政治家も役人も国民も、明治の革命の時の精神に戻りたいものだとしみじみした。
今の日本は国家としてのビジョンがあまりになさ過ぎる。
ブータンの国民がみんな幸せであることが大事。というのは一見わかりにくいです。
でも、この本を読んでみるとそうゆことかぁとしみじみするところがあります。
ブータン人は外国に行くと「日本人ですか?」と聞かれることが多いそうです。
そのくらいヒマラヤ近郊に住んでいる人たちって日本人とそっくりです。
私もかつてのシッキム王国(今はインドに併合された)に行った時、
「何人なの?」と聞かれたのにまずは驚き(普通は日本人とわかるので聞かれない。)
「日本人?えーー、ローカルだと思ったよ。」とインド人に言われました。
あの辺りにいくとそのくらいなじんでしまう。
見たことない顔だし、言葉がわかってないから何者だ?と思ったらしいです。
大和民族はいろんな民族が混血していまの様な顔立ちになっていったそうで、
だから日本ってほんとにいろんな顔の人が住んでいるといいます。
ヒマラヤ近辺の人たちの血もはいってるんですかね~。
2011年は災害がとっても多く、日本人は精神的に追いつめられていますが、
こういうときに外国の国王が日本に来てくれるのはありがたいなぁと思います。
震災直後に天皇陛下夫妻が被災地入りした時も、
「お会いするだけで精神的に慰められる存在ってすごいな。」と思った。
変な事件とかおこって中止とかならないといいなぁと思います。
タグ :
ブータン
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