中国江南の水郷古鎮「西塘」をゆく(その2)
市場では上海蟹や野菜が売られていた、名物「龍蹄」:コラーゲンたっぷりの豚膝の醤油煮
私が西塘に着いたのは金曜の夕方。水郷周りの入り組んだ狭い路地を行き交う人々はほとんど地元の人で、学校帰りに買い食いをする女子高生やおじちゃん、おばちゃんくらいでにぎわっていた。観光客はそう多くもないようだ。
町の奥の様子
古鎮の隅まで歩いていってみると川には流れがほとんどないようで、生えまくった水草に埋もれて身動きできない舟が何隻かあり、よーーく見てみるとそこで生活しているオジサンもいて、観光地化した現状に順応できずもしくは自らしないでいる姿に時代の流れのひずみを感じずにはいられない。
水草に埋もれた舟
まあ、観光地化するということは、私のようなよそ者がどかどかと私生活に土足で踏み込むような物で、いいことばかりではないのだが、それにしてもほんの数十メートルで出来ているギャップに少々驚いた。
舟で生活している人もいた
町の規模から察するに、町中が静かに静まりかえるかと思いきや、いままで洗濯物や青豆を干していた川のほとりが綺麗に片づけられ、椅子とテーブルがずらーーっと並んでいた。そして、水上にぷかぷか浮かんでいたレストラン舟は、赤と黄色いネオンを煌々と照らしている。
結構美味い。名物:青豆の薫製
環秀橋のすぐ横にある「毛毛酒館」という居酒屋兼食堂に腰を下ろし、ちびちびと老酒をくゆりながら西塘名物を堪能した。
店に来ていた周りの客をよ~く見回すとほとんど中国人観光客で、服装から察するに、上海等の都会から来た個人旅行者に見える。というのも都会の人の服装は日本人が見てもそう違和感がないからだ。
エノキも串焼きにする
川に目をやれば、観光客を乗せた舟がすーーーっと通り抜けていく。
さっきまでそこらで売られていた折り紙製のカラフルな灯籠がぷかぷかと川を流れてゆく。
水上レストラン開店
それでもなんだかのんびりのどかなここ西塘の夜は、不思議にノスタルジックに更けてゆくのでした。
この町は、絶対、宿泊するのがオススメです。
川沿いの居酒屋:毛毛酒館 夜のボートクルーズ 灯籠流し