ラノーン-チュンポン肉まん街道をバスで行く

ラノーン発のバスでバンコク行きは1時間に1本くらいありますが、ほとんどが単なるエアコンバスでトイレもなければサービスもありません。しかも、野郎ばっか(笑)(いえね、他の会社だと結構美人の女の子が車掌だったりするんです)。
運転手が2人、車掌兼荷物係が2人でしょうか。さすがに長距離なので交代制です。
ラノーン始発のVIPバス(4列シートで315B)は、8:00と20:00発の1日2本。スーパーVIPバス(3列シートで515B)は夜20:30発が一本のみ。VIPバスとSVIPバスはバス会社が異なり、SVIPバスの会社は係が出発する直前になる前でターミナルに現れません。根気よく待つ必要ありです。
その他、プーケット等から来るバスは、競争が激しいので設備が良いようです。値段は不明。



異常に長いロングロングバスチケット。

ロングロングチケット
所要時間を考えると、当然、A社のデラックスバスに乗りたいところだが、出発の30分前になっても窓口にはだーれも現れない。それどころか、「本当にこの事務所使ってるの?」と聞きたくなるくらい寂れた雰囲気。
「時間がかかろうが、いすが堅かろうが、バンコクまで帰らねばならん・・・」と、9時発のB社のエアコンバスのチケットの購入を決意。窓口に告げると、おねーさんは大声でバスターミナルをうろうろしてる男を呼んだ。
その男は、手に持っているブリキの缶から、スルスルスル~っと細長い紙を引っ張り出し、数メートルになったその紙を一つ折り、二つ折り、三つ折り。。。と10センチくらいの長さまで折ったところで、ホチキスでがちゃんと留めると、「はい。どうぞ」って我々に差し出す。はい??何すか、これ?
その紙には3.5センチ四方の四角い囲いがあり、ブルーの文字でなにか書いてある。で、真ん中にこれまたタイ語で「5バーツ」って印字が・・・。まさか・・・これ、ローカルバス用のバスのチケットだ(笑)

路線バスと同じ領収書入れ。
ええと、車掌さん。チケットケースを拝見した限りでは、20バーツのチケットもお持ちのようですが???何故に5バーツのチケットで480バーツを切るのですか。
とりあえず、タイの長距離バスでこの手のチケットをもらったのは未だかつてないっす。
長距離バスなのに売り子がやってきて長距離列車みたいな気分だった。

タイの売り子は、カオニャオ(蒸した餅米)や焼き鳥、ナッツ、パイナップルなどを売り歩くことが多い。昼ご飯時間に当たると特に食事関係が充実する。今回は朝方なので、おやつが多いかな。

ところで、この写真、ラノーンのバスターミナルを出た直後なのですが、 外を見てたらどこからともなく車掌が現れた。
っていうか、君は乗ってなかったのか?
なんつーか、今回のクルーはなぞめいた行動をとる人が多かった。特に井上君(←誰?)
その肉まんは・・・ナンパ用?

しかし、バスの動きは運転手の気質で全く異なる。
運転手がクラクションをやたらめったら鳴らし、先ゆく車を威嚇しまくるせっかちな奴もいれば、「このすばらしい景色をゆっくりご覧ください!」と言わんばかりにやたらとゆっくり丁寧に運転する奴もいる。乗り心地はご想像通り。どちらがいいとは一概に言い切れない。
ところで、とある山の中のバス停に差し掛かったとき、そこに残されたバッグをめざとく見つけ、その「裏の民家でバスを待っている人がいる」ことに気づいた運転手には驚いた。
ハンバーガーを買う前に鞄で席取りをする女子高生を見ることはあっても、バス停に鞄を置いて、バスを待たせる男子学生を見るのは初めてである。
ええと、これから学校に行くってこと?毎日のことだから運転手もお見通しなの~?
加えて今回は車掌と助手が超マイペース人間。頃合いを見て、バスを止めて買い物にジュースを買ったり、肉まん買ったり、挙げ句の果てにはチュンポンでぐるぐるしている間に市場に飯を食いに行った井上くん。ずらりと並ぶ肉まん屋はここいらの名物くさい。

車掌が買っている肉まんは実は井上君のお使いもの。
左の女性は病院へのお見舞い用に買っていた。ナースへの賄賂か~?
途中でバス事故にも遭遇。海外だと事故遭遇率高い。


ラノーン、チュンポン間を抜けると、バスは広く平坦な国道をひたすら北上することになる。
こうなるとつい飛ばしてしまうのはハンドルを持った人間の性とでも言いましょうか。だから、事故るとこういうことになる。
玉突き事故の直後だったため、大勢のけが人がうずくまる中で、運転手はぴんぴんしていた。
つまり、運転手はハンドルを持っていたために体を投げ出されずにすみ、シートベルトもなにもしていない乗客は、衝撃をもろに受けたということである。

よ~く見ると、彼らはそろいもそろって太鼓腹で、シャツをだらりと出したその着こなしも、ファッションとか暑さ対策とかではなく、単に腹を隠すためって感じ。毎日この調子じゃ太るわな~。
ラノーンから、チュンポン、チャアム、ホアヒン等々、マレー半島の主要な都市を巡り巡って走るこのバスは、事故の野次馬渋滞も手伝って、12時間かかってようやくバンコクに着いた。
「あ、またバイパス下りた!」「いつの間にか海沿い!?」「・・・またさっきのバスターミナルだ。」「今、肉まんを届けるために止まってるの?」「あれ?車掌が消えた」と、やたらに迂回するルートや予想外のクルーの行動に笑いっぱなしの半日だった。そもそも、OLさんや高校生が通勤通学に使ってるんだもん。
もうちょっとお金を払うと、バスにトイレも付いてるし、寄り道はしないし、型式も最新でスピードも出るし、きっと4時間は早く着くけど、ここまで楽しくはなかったと思うのだ。ええ、そう思っておきます。私。
ちなみに、ラノーンからバンコクまでずーーーーーーっと乗ってたのは、我々を含め数人だけだった。
ロングロングチケットの謎も解けた。このバス、長距離バスとして乗る人は滅多にいないのであった。
でも急がないたびだったら楽しいですよ。こういうのも。まる。