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タイから 船で日帰り国境越え(ミャンマー、コートーン)

船でミャンマーに向かうの絵 今回の旅は「ミャンマーでカレーを食うか」っていうのが始まりだった。
タイからミャンマーへ陸路で行ける国境はいくつかあるが、航路で入国できるのは、タイ南部ラノーンから、ミャンマーのタンニタリ地区コートーンに入るルートのみ。しかも、結構マイナーである。
ここからのミャンマー入国は合法で滞在許可は数日貰えますが、ミャンマー側に宿泊したり、北に進みたい場合は要ミャンマービザだったらしいのですが、イミグレで2日間の滞在許可を貰えました。大丈夫になったのかも。

ラノーンピア ミャンマー入国に当たり、当たり前だがタイを出国せねばならない。
町の中心から船着き場までは7キロほど離れているため、ソンテウかモトサイ(バイクタクシー)をチャーターすることになるが、その際、道路の案内表示をよーく見ているとそのうち「IMMIGRATION→」という表示が現れるので、ソンテウを止め、道路を渡ったすぐ前にあるイミグレに行くべし。タイの国旗がたなびいているのですぐわかります。
これを見逃すと、船着き場からモトサイか、歩くかして、もと来た道を1キロほど戻らねばなりません。

また、この船着き場、道沿いのガソリンスタンドを突っ切った奥まったところにあるので、普通の人は見逃すと思います。現に、プーケットからここまで我々を連れてきたドライバーは混乱しました。
町でモトサイを拾う際、最初から「イミグレ→ピア」と交渉するのが賢いでしょう。

ラノーンピア 船着き場に着くと、10人くらいの男が一斉に寄ってきた。タイ語でわーーーっとまくし立て、身振り手振りでボートの値段交渉。
そこに、英語を解するおじさんが1人割って入る。あっちは500、こっちは600とか言ってる中、1人の男が胸を張って指を四つ指し示した。

「400バーツだって」「400って、当然ワンボートだよね?」

力一杯頷くその男の言葉に誰もが引き下がり、400バーツで交渉成立。

実は、この辺のところ、ガイドブックはとても曖昧で、6年前のも2年前のも片道150、往復300バーツとしか記載がない。こんなところに集団でくる旅行者はそういないので、たまたま乗る人がいつも1人で、いつも300払っていたので、単位がないままの値段になっている気がする。

帰りにミャンマー側でボートの値段を尋ねたところ、ワンボートで片道150バーツだということだ。タイの方が物価高なのはまあ妥当だと思っておいた。

うさんくさ男 約束の船に乗り込む段になり、いつの間にかボートの誘導や出航の補助をする若い男が1人現れた。
おっちゃんの息子か?それとも仕事のパートナーかと思い、さほど気にしなかった。
その若造はそこそこの英語を操るようで、やたらに我々に話しかけてくる。

「ミャンマーには何時間いるつもり?何をするの?買い物?」
「さぁ?別になにもプランはない。テキトーに町みるだけ」
「1時間でも2時間でもOK。ショッピング、ノープロブレム。好きなだけいたらいいよ」

そんなのお前の知ったこっちゃないだろう!

「ほんとに、何時間待ってもいいんだよ。1hour, 2hour, 3hour No problem!」
「1人400バーツ。ボート代はそれぞれが400バーツ。それっぽっちだからね」

1艘往復で400で交渉したのに、この男、なぜか一人400とか言い出した。
まさかこの手の輩にタイで出会うとは思わず、無性に腹が立つ。

「ねねねね。絶対、払わないでしょ。くそう、水の上で言うなんてきたねぇ~。絶対に払うもんか!」
「紙に書いて証拠残すんだったっ。あたしは絶対に払わない。400投げ捨てて逃げてやる!」

1人興奮して地団駄踏む私だったが、友人は二人とも余裕綽々。笑ってやがる。

「まぁまぁ、向こうも水の上で突然言い出したんだから、陸に上がってから折り合いつけましょ」

穏やかな笑みでやり過ごす友人二人に対し、一人大興奮で怒り狂う私。 これは、やっぱり・・・亀の甲より年の功。

タイを出航してからおよそ20分後、ボートはミャンマー国旗がはためく、水上家屋につけられた。ここはミャンマーの大陸の手前にある島で、そこにミャンマーのイミグレがあるのだ。

先ほどのうさんくさ男の一言で突然虫の居所が悪くなっていた私は、「パスポート貸して」と言われた言葉も、船を下りるために差し出された手も無視し、自ら小屋に上がって手続きを済ませた。信用できない人間に大事なものを渡せるわけないでしょ?!

イミグレの係員に5ドル払い、入国スタンプと共に2日間のミャンマー滞在許可を貰う。
とりあえずはミャンマー無事入国。いざとなったらミャンマーで別の船に乗り換えてやるもん。

ミャンマーに戻る人々の船 出国手続きが終わり、やっと解放されると思ったのもつかの間、うさんくさ男は我々からに離れていく気配がない。

「これからどこ行くの?上のお寺ならバイクが便利だよ」

ゼスチャーでバイクを指すものだから、道ばたでヒマそうに客待ちをしているバイクの運転手もが気づき近寄って来る。
バイクの交渉を代わりにやり、マージンを取ろうっていうのがみえみえ。

「こっちで勝手にやるから。船にもどったら?別に寺は見たくない。ごはんでも食べる。」
「食事するの?だったら向こうにいいレストランがある。こっちだよ」

・・・だから~、おまえに導いて頂く必要はないのである。

それから道々食堂を物色する我々につきまとい、「ここはダメ、あっちが美味い」とかいいながら離れない。わかったから、わかったから、もうどっかに行って!私はもはや限界だった。

「うるさい!私らにはガイドは必要ない!ほっといて。どっか行ってよ」←英語
「なに言ってんの?おれは、ガイドじゃないよ~。ボートマンだぜ。」

ぶちっ。
堪忍袋はとっくに海に捨ててきた。はらわたが煮えくり返るなんて生やさしい物じゃない。般若なんて表現じゃちゃんちゃらおかしい。ドゥルガーだ。殺戮の神様だ!仏の顔も3度ではなくって・・・1度だけか(笑)

美味かった食堂 「だったら、ボートに帰れ!!」←完全な日本語

その後、一言も口を聞かず、あからさまに無視をし続けた私を見て、さすがに本気で怒ったのを悟ったのか、「じゃあ、ボートに戻るから・・・。何時に戻る?」と弱気な一言を残し、去っていった。

「まったく、あったまくる。あいつ絶対私らにご飯奢らせるつもりだった!あんたとの食事なんてしたら、美味いごはんもまずくなるっつーの」

友人に向かって同意を求めたつもりだったのだが、意表をついて返ってきたのは、「いやぁ、頼もしいね~。えらいえらい」って言葉と大爆笑。

「あいつ、怖かったんだろうな~。」

って、なんでよ~!

ちなみに、その後、町を一通り歩いたがめぼしい食堂は見つからず、ヤツが薦めたお店に舞い戻った(↑)。
私としては、とっても不本意だったが、美味しかったんだな。ミャンマーカレーが。スープが。ごはんが。

そして、帰りの船上で、ただならぬ空気を読みとったボートのおっちゃんは、ヤツの隙を見てこう合図した。

カネ。俺によこせ ←親指と人差し指で円を作り(OKの形)、次いで自分の顔を指さす。

合点承知。もともとそうするつもりだったのよ。

思った通り船が船着き場に着く前に近寄ってきて3倍のボート代を要求してきた若造。だーれがおまえに払うか。どう考えても、ボートのオーナーはおっちゃんである。

今思えばボートの上でもミャンマーでも二人は仕事仲間にも見えなかったし、仲も悪そうだった。会話はしないし一緒にいないし、おかしいなって思ってたのだ。

きっとおっちゃんは自分が英語ができない分、手助けをして貰うこともあるのだと思う。
まじめに商売してる自分としては気に入らないやり方でも、変に邪険にできない事情があるのでしょう。
今回の場合、こいつは交渉時には全く関係ないし、我々は完璧にヤツを無視していたので、しめたとばかりにこっそり合図を送ってきたのだ。
恐らく、彼にはびた一文渡さなかったと思う。

あわよくば、1200バーツをだまし取り、ご飯を奢らせ、買い物の支払いをさせるつもりだった彼。
やたらにショッピングを奨めたその訳は、買物中にどさくさで自分の支払いをさせたり、勝手に通訳を買って出て、嘘の金額を提示しピンハネしようとしたに決まってます!
タイではこういう輩に会ったことがなかったので、ちょっと油断しました。

うさんくさ男←要注意:うさんくさ男。
しかし、脅しをかけてきたりしない辺り、本当の悪党にはなりきれてないので、場合によっては改心するかもしれません。みんなで教育しましょう(笑)

ちなみに、こういう輩は、私のような態度をとると逆ギレするケースもあるので、友人のように冷静に対処するのが的確と思います。私も若かったね。

タイからボートでわたれるミャンマーの町、コートーンの写真を少し

コートーんの丘の上にあるお寺。バイク使わなくてもいける。

ミャンマーのパコダ 金ぴかのパコダを目印にてくてくと坂を登って入ったお寺。お寺は土足厳禁なので、入り口で靴を脱ぐ。
ミャンマー寺は聞いていた通り。金色のパコダ、仏像はまあ普通。涅槃像にお経に托鉢の少女。そーして、カラフルで変なオブジェである。日本とかだと、こういう派手な色は付けないんだよね~。ちなみに床は大理石だし丘の上なので、木陰にいると心地よいです。
コートーんの町並みコートーンの町並み

お寺にあったミャンマーっぽいオブジェとかわいい少女たち

変なオブジェ お寺の周囲には、おそらく言い伝えとかをリアルに表現したオブジェが並んでいます。なたで斬りつけられそうで「勘弁してください~」とおびえている人とか、お偉い人の前で踊っている踊り子さんとか。写真は木にまとわりついている人のでっぱらをやけにリアルに立体的に作ってあったので思わず撮りました。木と腕と腹と足だけが立体的。

少女たち 右は、踊り子のマネをしてポーズを取るとこを見つかり、その後、無性に気に入られてしまった少女たち。その後、近くにある別のお寺の涅槃像まで案内してくれました。
像の足の裏に触れたてを自分のほっぺにつけてたのは、綺麗になるとかそういうことかな。
ミャンマーの人は、握手をするときや人に物を差し出すときに必ず右手を使い、左手を右手の肘に添えるのですが、そのしぐさがすごく綺麗でどきっとします。

コートーンの船着き場周辺の様子

船着き場 タイのイミグレが16:30に閉まるため、午後からだとあまりゆっくり回れませんでした。時間がある人は朝早くに来るか一泊したほうがよいでしょう。 入国も出国と同じ場所なので、船着き場から移動する時間も考慮の上で。
船の所要時間は、行きは入国手続きがあるので1時間ちょい、帰りは1時間かからないくらいでした。
日本ではこんなに簡単に国境越えて外国には行けないので、ちょっと楽しい体験でした。