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坂の上の雲放映記念?中国東北地方の旅:ハルビン編

ハルビンのビアガーデンで砲弾ビールを飲む。
【ハルビンの特産?砲弾入りビールをビアガーデンで飲む。】

ハルビンは中国の中で最も中国らしからぬ街かもしれない。
中国の東北地方はかつて満州国があった場所です。中国最北端のこの地域の北にはロシアがあります。

極寒の北の国ロシアでは冬になると港が凍ってしまうため、不凍港を求めて遼東半島を狙っていました。
当時は西欧の列強が世界中で植民地政策を進行していた時期でもありました。
東南アジアではタイを除く全ての国が西欧諸国に植民地化されており、イギリスは清国にコナをかけている。

「ロシアが遼東半島や朝鮮半島を獲った後は絶対に日本がやられる!」

その危機感を発端になだれ込んだのが日清戦争である。(詳細は略。)
日清戦争後、遼東半島は日本に割譲されたのですが、なんのかんのと難癖を付けられ、返還させられました。
そしたらあれよあれよという間にロシアが旅順港を支配しちゃって、日本の危機再び。
(約束を守らない国と約束しても何の意味もないという・・・。現在の北方領土侵略も似たようなものだ。)
「もはやロシアと戦うしか手だてはない!」と小国ニッポンが立ち上がったのが日露戦争。
日本は奇跡的にこの戦争に勝利したのでした。そのアタリを細かく描いた小説が坂の上の雲というわけです。

ハルビンの観光名所キタイスカヤの入口
ハルビン観光の中心地。
中央大街キタイスカヤの入口。
ハルビンの観光名所キタイスカヤの建物の一角
綺麗に整備されたロシア建築。
中国の東北地方はそうやってロシアや日本が入り込んだ歴史があるため、
中国らしからぬ建築物が数多く残されています。
ロシア風の建築物が数多く残っているほか、満州国時代に日本が建てた建築物は、 西洋に憧れた日本人の西洋コンプレックスの塊という感じ。

中国の多くの街はコンクリート打ちっ放しの地味な建物が多いのに
この町だけは西欧チックな豪華な建物がずらり。しかもものすごくでかい。
はっきり言って上海のバンドなんて目じゃないのです。

また、聖ソフィスカヤ寺院などロシア風の教会が残っているのには驚いた。
よく文化大革命で壊されなかったなぁ。なんで残っているの?という感じです。

あまりに国の隅っこ過ぎてここまで政府の目が行き届かなかっただけなのか、
はたまた第二次世界大戦の時は戦争の終わりのどさくさでロシアが参戦&南下してきたので 中国政府もこの地域には触れられなかったのか、真相はよくわかりません。

しかし、そのお陰でハルビンは中国であって全く中国らしからぬ雰囲気が残ることになり、
多くの観光客を魅了する街に変貌したのだと思います。

また、なぜかは知りませんが、ハルビンは世界で3番目にビールを消費する街なのだそうで、
観光地として整然と整備された町中にひょっこりとビールを飲ませる施設が現れるのです。

大連にしろ、長春にしろ、町中を普通に歩いている分には面白いモノに出会うことはありませんでした。
しかし、ハルビンは中国人にとっても、外国人観光客にとっても非日常な雰囲気があって楽しいです。
ただ、ロシア色がどうしても濃いのでロシア人にとっては、面白みはないかもしれませんが。

ハルビンの観光客数が最も多くなるのは真冬に氷祭りが開催されるシーズンだそうですが、夏もいいですよ。
特にビール好きには。空気がカラカラに乾燥しているので、のどを癒すのにぴったりなのであります。


ハルビン 写真館

町中の至る所にある西洋建築。中国らしからぬ異国情緒にあふれる街です。

歴史建築を利用したケンタッキー
ハルビンは線路を挟んで北側と南側に街が別れていますが、 その駅から徒歩圏内に歴史建築が至る所に残っています。 目抜き通りの周りにある歴史建築は改装して商業施設として使われているモノもあり、 こんなおしゃれなケンタッキーがあったりします。 (歴史建築の場合、市が作成した看板が掲げてある。)
ただ少し街の外れに行くと、手入れが行き届かず今にも崩れそうな古い建物が民家として未だに使われていて 修復の必要性を迫られている。 歴史遺産が多すぎるのも管理が大変そうです。

旧ヤマトホテルの貴賓館 旧日本領事館 歴史建築と書かれた政府表示
市内南部にある古びた住宅街 えらい人の邸宅も今は住人がいる。 ロシア風建築の民家

聖ソフィスカヤ寺院やウクライナ寺院などのロシア風宗教施設

聖ソフィスカヤ寺院
ハルビンは地下鉄工事の真っ最中でウクライナ寺院などは見栄えは今ひとつでした。 だから聖ソフィスカヤ寺院も対した期待もしていなかったのだが、実に見事だった。 寺院の周りは公園になっており、周りはデパート。市民の憩いの場にもなっているようです。
本文にも書きましたが、これが今の中国に残っているのが驚きです。

ウクライナ寺院の通りは地下鉄工事が行われてはいますが、一応敷地内に入って見学することはできます。 写真を撮ろうにも近すぎて巧く撮れません。
地下鉄が完成してからの方が見栄えはいいかもしれませんね。

聖ソフィア大聖堂の内部 ウクライナ寺院 ウクライナ寺院のアップ 近くの西洋風教会

仕事待ちをする職人たち

仕事待ちをする職人たち
街の南部の住宅街を散歩していた時に見つけたホームセンターの前で見かけた人たちです。
職人さんたちが自分のできる仕事をボードにして掲げ、ホームセンターから出てくる人を待っているようでした。
大連でも長春でもやたらにマンション建設が進められていましたが、 それでも仕事が足りないのだろうか?
週に1日か2日、お客を捕まえられればいいほうなのかもしれません。

ハルビン名物のビアガーデン

砲弾入りの雪花生ビールとジョッキ
こちらがハルビンのビアガーデンです。ハルビンで最も有名な通り中央大街は観光客も地元の人も多く来る場所のようで、ちょっとした建物の間にはビアガーデンがいくつもありました。ちょうど6月に入り、気温も上がってきていたので商売繁盛。どこもお客さんでいっぱいです。
雪花麦酒のビアガーデンは大ジョッキ、小ジョッキの他、砲弾という種類がありました。 砲弾の形をしたステンレスの容器に生ビールを入れてくれるのです。(容器の持ち帰り防止策としてデポジットをとられます。)
[ビール好きには堪らない!ビアガーデンだらけのハルビンで飲みまくり!]
周りの中国人を見ていると、数人で呑んでいる場合、必ず一人1本ずつ砲弾を頼んでいました。 日本だとビールが温まるのがイヤなので呑みながら追加していきますが、中国は公平性が大事なのかも。
複数人数は絶対に不公平になるし。他のお店でもそうしてるの見ました。
太陽島には国際ビール村なるレストラン街がありましたよ。

雪花麦酒のビアガーデン雪花ビアガーデンのカウンタービアガーデンのつまみ屋台雪花ビアガーデンの客席
ハルビンビールとつまみハルビンビールのビアガーデンのカウンターハルビンビールのビアガーデンの客席大連名物の澱粉鉄板焼き

ハルビン中にあった不思議な街路樹のオブジェ

坪の形をした植木
こちらはハルビンの至る所で見た不思議な植木です。 スギや松の葉の様に尖った形の葉っぱを使って作ってある。
枯れないのかな?と1本引っこ抜いてみたら、根っこがついていました。枯れないようになってます。 植毛するように土台に刺すのです。
松花江の公園にあった帆船の植木が最も立派でした。2色の葉っぱを使って波しぶきまで見事に表現してあります。
前にコカコーラの看板があったのでスポンサーはコカコーラのようです。

植木の一部を抜いてみた 海を航行する船 植木の波しぶきのアップ

ハルビンの川 松花江

ロシアまで流れていく川 松・・・
ハルビン駅の北部に流れる松花江です。 この川の向こうに太陽島があり、太陽島行きの渡し舟やロープウェイが川沿いに架けられています。
内陸部のハルビンでは海が近くないからでしょうか。川原に砂敷きのちょっとした河川敷?があり、 そこにテントを張って泳いでいる市民がいました。
しかし、2005年に化学工場が爆発して有害物質が流れ出たのはこの川ですよね? あのときは水道水がとまったり大騒ぎだったようですが、さすがに7年も経つと収束したのかな~。 子供たちが泳いでいるし。

松花江のボート乗り場松花江渡し舟の船内海水浴ならぬ川水浴をする人々

ロシア風住宅を集めたテーマパーク

コサック風情古鎮の入口
太陽島にはかつてロシア人が住んでいたことがあるようで、その時のロシア人が使っていた木造の民家を集め、 テーマパーク風にして展示している施設です。 船のキップを買う時にこちらの入場料込みの割引切符を薦められたので、入りました。
木造家屋の中はパン屋さんや骨董屋さん、レストランなどにしてあるほか、ロシア人の生活を再現した展示があります。 タイミングがよければショーも見れます。受付にロシア美人がいることもある。(ロシアのイケメンの場合もある。)

入口受付にはロシア美人がいるコサック風情古鎮の建物1コサック風情古鎮の建物2コサック風情古鎮の建物3

ハルビンではやっぱりロシア料理を食べるのである。コサック料理「TATOC」。

コサック風串焼き:シャシリク
ハルビンにはロシア料理屋がたくさんありますが、キタイスカヤにひっそりとある「TATOC」というお店に入りました。
こちらもハルビン市政府が老舗の料理店として認定しているお店です。
定番のボルシチ、キャビア&いくら、ロシア風サラダの他はコサックの串焼きシャシリクを注文。 「小さいわよ?」ってお姉さんに忠告されたけど、日本人にはこれで充分です・・・。ロシア人どんだけ食うのだ。
勢い余って頼んだフルーツピザは余計だった。食べ過ぎ。

店の入口には昔の新聞に載ったお店の広告なども貼られていましたが、中には日本語もありました。日本人にも親しまれていたお店のようです。
店内にはかつては使われていたアンティークな食器や鍋などが飾られていて、雰囲気もよいですよ。
レトロモダンなたたずまいのハルビンで老舗のロシア料理を!

ボルシチ赤黒キャビアロシア風鶏肉サラダ
フルーツピザコサック料理店TATOCの店内の様子コサック料理店入口

中国 東北地方(旧満州国)に行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。

旅行時期:2011年6月
1元=約13円
■交通:列車(固座) 長春-ハルビン 36元、渡し舟 44元(往復+テーマパーク入場料込み)
■食事:雪花麦酒(砲弾) 30元、ハルビンビール(ジョッキ) 10元、焼澱粉ゼリーのたれがけ 5元、
     ロシア風鶏サラダ 29元、シャシリク 小 19元など。(キャビアは1000円くらい。絶対人工ですが。)

■成田-大連航空券 直行便で20,000円前後~。

安いのは中国南方航空。次いで中国国際航空。高いのは日系。
機内食や定時運行など日系が信頼が置けるのでビジネス利用の場合は日系で。
観光の場合は、飛行時間も長くないのでお好みでどうぞ。