クロマー星人になってバンテアイスレイまでひとっ飛び!
二日目はちょっと遠くまで足を延ばすためバイクタクシー代が倍の値段。
今日は緻密で美しいレリーフで名高いバンテアイスレイに行くのだ。
バンテアイスレイは他の寺院から40kmくらいも離れている上にジャングルや畑しかない地域のため、
数年前までは賊が潜んでおり、行きたければ軍の護衛を頼まねばならないような危険地域であった。
しかし、近年この道も安全になってきたため、観光客にも解放されたのである。
いくら儲かるからと言っても危険だったらバイクタクシーだって行きたがらないもんね。
ドライバーは遅刻者もなく全員集合。昨日とは違って、サングラスに帽子にクロマーをまとい、妙におしゃれだ。
それぞれが自分が雇ったバイクにまたがり、バンテアイスレイに向けて走り出した。
アンコールワット遺跡公園は観光用に整えられ、道路などは綺麗に舗装化されているのだが、 まだバンテアイスレイまでの道はまだ舗装は完全ではなく、次第に赤土の道路に変わってしまった。
突然、対向車も後続車もいないだだっ広い道で急にナリはバイクを止めた。
顔を覆ってしかめっ面をするナリ。舗装道路じゃなくなったから土埃が舞い上がってすごいことになっている。
彼はサングラスを持っていなかったのである。
その後もスピードの速い車などがやってくる度に端によけてやり過ごすため、他の2台から遅れがち。
自分もバイクに乗っているのでなんだか妙に悔しい。ばかやろうっ。私に運転させろ!って気分だった。
遅れること十数分。待っていてくれている一行の元へ手を振りながら歩み寄ったその時である。
一瞬顔をこわばらせた直後、沈黙を破ったのはチャン。私を指さし腹を抱えて大爆笑するのである。
とまどう私をよそに私の運転手のナリまで笑いをかみ殺している。
AさんとSさんは苦笑しながら静かにいった。
「顔、・・・すごいよ」
一体なんなんですか?このみんなの反応は。
バンテアイスレイに来るまで未舗装の道路をひた走った。
すごい土埃が立ちこめる中を走って来るために、バイクでここに来る人は誰もが全身土埃まみれになる。
その上、コンタクトのワタクシは埃よけにサングラスは欠かせない。
曲がりきった肌を守るために塗りたくった日焼け止め。
日焼け止めのクリームが下地クリームになり、見事に赤土のファンデーションでお化粧をしてしまったのである。
それも、目のまわりを除いて。まさに逆パンダ状態。
ゲレンデにいるスキー狂のインストラクターか!ってな感じだ。
どうりでみんな朝から重装備だったわけだ。クロマーもサングラスも伊達ではなかったのである。
派手なクロマー頭に巻いて、イカスサングラスにスズキのスクーターを乗り回す姿は月光仮面のようだった。
恥ずかしかったけど、いいのよ。泥パックで肌にミネラルもらったのよっと思うことにしておく。
カンボジアにスカーフ、バンダナ、クロマーは必須ですよー。っていうか、今は舗装されてると思うけど。
(そして、車のタクシーで移動する方には全く関係ないことですね。)
ところで、バンテアイスレイは967年に建立されたヒンドゥー教寺院で、赤色砂岩で建てられた薄い朱色の寺院。
とにかく、細やかな浮き彫りが今まで見た寺院とひと味違う。
アンコールワット、バイヨンともに力強い雰囲気があるが、バンテアイスレイはとにかく繊細である。
女神デバダーの浮き彫りのあまりの美しさに魅せられ、思わず盗もうとして捕まった学者もいるとか。
バンテアイ・スレイ、バンテアイ・サムレと立て続けに見た後、今日もお昼寝。
私は部屋で絵はがき書いていたりのんびりするんだけど、実はこの休憩時間ドライバー達にとっても重要。
家に帰って飯食ったりシャワー浴びたり、とにかく休息をとりたがる。
私たちのようにだらけたツーリストはこの様な時間の使い方は大歓迎なんだけど、時間のないツーリストの方々は このことでドライバーともめたりするらしい。
どうしても彼らを一日中引っ張り回したいのならば、少しは料金上乗せしてあげる方がいいかもね。
でもね。炎天下の移動が続く上にカンボジアの古代遺跡はとにかく上に上にのびていて急段を上り下りしなきゃならないし、
思った以上に体力は消耗します。若いからと言っても無理は禁物ですよ。
午後は、これぞまさに大自然の驚異!と言わんばかりのタ・プロム、そしてサンセットはタ・ケウから。
SさんダウンしちゃってAさんと二台のバイクで行ったはいいけど、ドライバーが仲違いを始めたりして怪しい雰囲気だ。
今日は緻密で美しいレリーフで名高いバンテアイスレイに行くのだ。
バンテアイスレイは他の寺院から40kmくらいも離れている上にジャングルや畑しかない地域のため、
数年前までは賊が潜んでおり、行きたければ軍の護衛を頼まねばならないような危険地域であった。
しかし、近年この道も安全になってきたため、観光客にも解放されたのである。
いくら儲かるからと言っても危険だったらバイクタクシーだって行きたがらないもんね。
ドライバーは遅刻者もなく全員集合。昨日とは違って、サングラスに帽子にクロマーをまとい、妙におしゃれだ。
それぞれが自分が雇ったバイクにまたがり、バンテアイスレイに向けて走り出した。
アンコールワット遺跡公園は観光用に整えられ、道路などは綺麗に舗装化されているのだが、 まだバンテアイスレイまでの道はまだ舗装は完全ではなく、次第に赤土の道路に変わってしまった。
突然、対向車も後続車もいないだだっ広い道で急にナリはバイクを止めた。
顔を覆ってしかめっ面をするナリ。舗装道路じゃなくなったから土埃が舞い上がってすごいことになっている。
彼はサングラスを持っていなかったのである。
その後もスピードの速い車などがやってくる度に端によけてやり過ごすため、他の2台から遅れがち。
自分もバイクに乗っているのでなんだか妙に悔しい。ばかやろうっ。私に運転させろ!って気分だった。
遅れること十数分。待っていてくれている一行の元へ手を振りながら歩み寄ったその時である。
一瞬顔をこわばらせた直後、沈黙を破ったのはチャン。私を指さし腹を抱えて大爆笑するのである。
とまどう私をよそに私の運転手のナリまで笑いをかみ殺している。
AさんとSさんは苦笑しながら静かにいった。
「顔、・・・すごいよ」
一体なんなんですか?このみんなの反応は。
バンテアイスレイに来るまで未舗装の道路をひた走った。
すごい土埃が立ちこめる中を走って来るために、バイクでここに来る人は誰もが全身土埃まみれになる。
その上、コンタクトのワタクシは埃よけにサングラスは欠かせない。
曲がりきった肌を守るために塗りたくった日焼け止め。
日焼け止めのクリームが下地クリームになり、見事に赤土のファンデーションでお化粧をしてしまったのである。
それも、目のまわりを除いて。まさに逆パンダ状態。
ゲレンデにいるスキー狂のインストラクターか!ってな感じだ。
どうりでみんな朝から重装備だったわけだ。クロマーもサングラスも伊達ではなかったのである。
派手なクロマー頭に巻いて、イカスサングラスにスズキのスクーターを乗り回す姿は月光仮面のようだった。
恥ずかしかったけど、いいのよ。泥パックで肌にミネラルもらったのよっと思うことにしておく。
カンボジアにスカーフ、バンダナ、クロマーは必須ですよー。っていうか、今は舗装されてると思うけど。
(そして、車のタクシーで移動する方には全く関係ないことですね。)
ところで、バンテアイスレイは967年に建立されたヒンドゥー教寺院で、赤色砂岩で建てられた薄い朱色の寺院。
とにかく、細やかな浮き彫りが今まで見た寺院とひと味違う。
アンコールワット、バイヨンともに力強い雰囲気があるが、バンテアイスレイはとにかく繊細である。
女神デバダーの浮き彫りのあまりの美しさに魅せられ、思わず盗もうとして捕まった学者もいるとか。
バンテアイ・スレイ、バンテアイ・サムレと立て続けに見た後、今日もお昼寝。
私は部屋で絵はがき書いていたりのんびりするんだけど、実はこの休憩時間ドライバー達にとっても重要。
家に帰って飯食ったりシャワー浴びたり、とにかく休息をとりたがる。
私たちのようにだらけたツーリストはこの様な時間の使い方は大歓迎なんだけど、時間のないツーリストの方々は このことでドライバーともめたりするらしい。
どうしても彼らを一日中引っ張り回したいのならば、少しは料金上乗せしてあげる方がいいかもね。
でもね。炎天下の移動が続く上にカンボジアの古代遺跡はとにかく上に上にのびていて急段を上り下りしなきゃならないし、
思った以上に体力は消耗します。若いからと言っても無理は禁物ですよ。
午後は、これぞまさに大自然の驚異!と言わんばかりのタ・プロム、そしてサンセットはタ・ケウから。
SさんダウンしちゃってAさんと二台のバイクで行ったはいいけど、ドライバーが仲違いを始めたりして怪しい雰囲気だ。
バンテアイ・スレイの写真
Ⅰ バンテアイ・スレイの彫刻
素人目に見ても彫刻がすばらしいことは判るんだが、今回はなーんも調べていかなかったから撮ってきた写真もへぼいのう(^^;;
ところで、ここでも他のアンコール寺院でも見られるのだが、彫刻や像の首から上が切り取られているモノがある。 勿論、月日の経過による老朽化という線もあるが、ポルポト派がやったのも多い。
どこの国でも独裁者は宗教など自分に都合の悪い思想を嫌う。 しかも、こういったすばらしい彫像であるがために、売りさばいたりもされた。 大きな像全てを運ぶのは大変だから首から上だけ盗るのだという。 イイモノって首から上だけでも価値があるんですかね。
Ⅱ バンテアイ・スレイの全貌
バンテアイ・スレイは寺院の彫刻は細やかですばらしいが、遠くからみると遺跡というか廃墟というか。
アンコールの他の遺跡とちがって、赤色砂岩の朱系の色彩が新鮮ではある。
ここにはアンコールワットの共通入場券を見せることで、ここにも入れるのだが、実は遺跡の裏口から簡単に忍び込める。
アンコールの他の遺跡とちがって、赤色砂岩の朱系の色彩が新鮮ではある。
ここにはアンコールワットの共通入場券を見せることで、ここにも入れるのだが、実は遺跡の裏口から簡単に忍び込める。
Ⅲ バンテアイ・サムレにいた物売りの女の子
番外として。バンテアイスレイの後は、バンテアイ・サムレにいった。
バンテアイ・サムレは他の遺跡と違って門番がいない。そのせいか中まで物売りが入ってきてつきまとう。
売っている商品はサロン、クロマー、バッグ、笛などなど、布製品か木や皮を材料にしたもので、お手製。だいたいどの物売りも同じモノを扱っている。
この子はすごいかわいい子だなーなんて思ってちょっとお話を聞いてあげた。 でも、サロンなんか欲しくないので「クロマーある?」と言ったとたんに目を輝かせ「ちょっと待ってて!絶対すぐに持ってくるから」と遺跡の石段をぴょんぴょん跳ねてゆく。
もってきたクロマーが結構綺麗な色をしていて気に入ったので早速値段交渉。 "クロマーだけで$2"という彼女の要求に対し、"クロマーと笛つけて$1じゃなきゃ買わない"と言い張ったら終いには泣きそうになってしまった。ごめんねぇ。きっとママにおこられるんだろうなぁ。(でも、$2は払わない)
なんだかんだいって、彼女たちはあんましぼったくっていなかったようだ。市場じゃもっともっと高かった(そして、大人は値段を下げてくれない)。市場も土産物屋もこういった路上物売りも売ってるモノは同じなので、こういう物売りから買ったほうが安く買えますね。
売っている商品はサロン、クロマー、バッグ、笛などなど、布製品か木や皮を材料にしたもので、お手製。だいたいどの物売りも同じモノを扱っている。
この子はすごいかわいい子だなーなんて思ってちょっとお話を聞いてあげた。 でも、サロンなんか欲しくないので「クロマーある?」と言ったとたんに目を輝かせ「ちょっと待ってて!絶対すぐに持ってくるから」と遺跡の石段をぴょんぴょん跳ねてゆく。
もってきたクロマーが結構綺麗な色をしていて気に入ったので早速値段交渉。 "クロマーだけで$2"という彼女の要求に対し、"クロマーと笛つけて$1じゃなきゃ買わない"と言い張ったら終いには泣きそうになってしまった。ごめんねぇ。きっとママにおこられるんだろうなぁ。(でも、$2は払わない)
なんだかんだいって、彼女たちはあんましぼったくっていなかったようだ。市場じゃもっともっと高かった(そして、大人は値段を下げてくれない)。市場も土産物屋もこういった路上物売りも売ってるモノは同じなので、こういう物売りから買ったほうが安く買えますね。
タ・プロム、タ・ケウ他
Ⅰ 見よ!この大自然の驚異を!(タ・プロム)
この寺院は、自然の力の驚異を見せつけるために、わざと樹木の除去や石の積み直しをしていないという。
あんなに高い入場料を取っておいて、遺跡を保護する気があるのかないのかよくわからない。
今更修復不可能なのかしら?
しかし、十年ほど前のこれらの遺跡群は遺跡公園として整備されていたわけではなかった。 森の中をバイクタクシーで分け入っていくと、目の前の森の向こうにだんだんと大寺院(要するにアンコールワット)が 浮かび上がってきたりなんかして、感動モノだったんだって。
タ・プロムはとりあえず「大自然の驚異を見せるため」と言っているが、他の寺院も同じ様な状況だったのだろう。 今でも遺跡周辺に地雷が埋め込まれている危険があり、修復作業にも取りかかれないまま放置されているものもあるという。
しかし、十年ほど前のこれらの遺跡群は遺跡公園として整備されていたわけではなかった。 森の中をバイクタクシーで分け入っていくと、目の前の森の向こうにだんだんと大寺院(要するにアンコールワット)が 浮かび上がってきたりなんかして、感動モノだったんだって。
タ・プロムはとりあえず「大自然の驚異を見せるため」と言っているが、他の寺院も同じ様な状況だったのだろう。 今でも遺跡周辺に地雷が埋め込まれている危険があり、修復作業にも取りかかれないまま放置されているものもあるという。
Ⅱ 単なる瓦礫の山と化している(タ・プロム)
本当に崩れたら崩れたまま放置されている。
その崩れ落ちた石壁が積み重なり階段状になっているから、登っている外人もいた。
ちなみにバイヨンでは、寺院に登っているバカな日本人の若いカップルがいて、当然ながらこっぴどくしかられていた。世界遺産を壊してしまった場合は、やはり弁償するんだろうか?海外旅行傷害保険なんて補償額安すぎて役にたたなそうだよなぁ。
ちなみにバイヨンでは、寺院に登っているバカな日本人の若いカップルがいて、当然ながらこっぴどくしかられていた。世界遺産を壊してしまった場合は、やはり弁償するんだろうか?海外旅行傷害保険なんて補償額安すぎて役にたたなそうだよなぁ。
Ⅲ サンセットはタ・ケウ
この寺院は造営途中で王様が死んでしまったために、石材を積み上げた状態で放置されてしまった。
そのため、ほとんど彫刻がない。
「なるほどねぇ。石を積み上げてからレリーフを掘るんだぁ」
と思っていたが、他の遺跡に行ったとき、近くにいた日本人が同じことを考えたらしく、ガイドさんにを質問していた。
「いいえ、レリーフを彫ってから積み上げるんです!」←きっぱり
掘ってから積み上げるって結構すごいよね。模様ずれるって普通。
「なるほどねぇ。石を積み上げてからレリーフを掘るんだぁ」
と思っていたが、他の遺跡に行ったとき、近くにいた日本人が同じことを考えたらしく、ガイドさんにを質問していた。
「いいえ、レリーフを彫ってから積み上げるんです!」←きっぱり
掘ってから積み上げるって結構すごいよね。模様ずれるって普通。
Ⅳ ちょうど修復作業中の現場
実際にはもう夕方だったので修復作業は終わっており、作業員は誰もいなかったのだがその分堂々と奥まで進入。じーーーっと観察してました。
修復前の寺院はといえば、積み重なった石と石の隙間から植物が成長してしまっていたり、年月のせいか 何らかの外的要因で石自体が欠けてしまったり、惨憺たるモノである。
そういう状態から元の形を再現するために、まず、寺院を何ブロックかに区分けし、番号をふっていく (A1, A2, B1などと直接白いペンキで書かれている)。
個々の石の補修作業が終わると、寺院の下段から丁寧に丁寧にもとの状態に積み重ねてゆく。 遺跡の保存にはコツコツこつこつとした地道な作業が必要なのだ。 きっとほっぽっておくとどんどん石壁は崩れ落ち、草どころか木の根までが岩のそこここで成長し、タ・プロムのようになってしまうのでしょう。
山での石切なんて、日本の様に工業機械を使うのではなくて、一つ一つ手で切り出してんだもの(TVで見た)。 堅い石の衝撃を両腕に受けながら、たった一本の石切のノミのお化けみたいなのを振り上げる人たち。それを運ぶ人たち。 炎天下のカンボジアでの作業は本当に大変だと思います。ご苦労様です。