旅ナビ-東南アジア
※当サイトは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含んでいます。
ホーム > カンボジア > バイクタクシー故障!運賃を値切れた理由はマシンが古いから。

バイクタクシー故障!運賃を値切れた理由はマシンが古いから。

カンボジア観光最終日はお土産屋巡りをした後、お茶をしにキャピトルホテルに向かった。
キャピトルホテルの茶が特別美味いわけではない。雰囲気がよろしいワケでもない。
宿から近いし、外人たまってるし、なんとなく足が向いてしまうだけである。

カフェには見覚えあるソバージュヘアと連れのアジア人男性の姿。SさんとAさんもプノンペンに入ったようだ。
お二人は鉄道関係の職場にお勤めなので列車に乗ることが常に旅の目的に組み込まれており、
カンボジアでも「二日にいっぺんだろうと乗り心地が悪かろうと乗ってやる!」とバッタンバンに出かけたが、 列車は無情にも運休中だったらしい。
しょうがないから適当にバッタンバンを観光し、プノンペンまでピックアップトラックでやってきた。
バッタンバンとプノンペン間の道路は観光地までの道であるタイの国境からシェムリアプ間とは雲泥の差。
さすがに学習済みだったので、助手席を確保して譲らなかったそうだ。

Sさん、Aさんのプノンペン入りと入れ違いにTさんはバンコクへと発った。一般的な日本人サラリーマンの姿でもある。
私やAさんたちはここぞとばかりに有給をとり、休みをぐいぐいぐいぐい引き延ばしている。つくづく恵まれた職場だ。


翌日、私もバンコクへ飛行機で戻ることになっていた。陸路で戻るほどはお休みも引き延ばせない。
空港に向かうためにはバイクタクシーを捕まえなければならない。
あらかじめ財布の中には$1だけを入れてあり、「$1しか持ってないの。ほら、中身見てよ」とパフォーマンスして、値段を$1以上につり上げさせないための作戦である。
しかし、財布を証拠に突きつけるまでもなく、あっさりと1$で承諾するドライバーが見つかった。
見るからに人の良さそうな青年ではあるが、ちょっとバイクボロいんじゃないの?

「ちょっと大丈夫?すっげーぼろぼろじゃん。」「大丈夫、大丈夫。空港まで$1でいいから。」

まるで捨ててあったバイクを拾ってきたかのよう。シートは剥がれてスポンジむき出し。エンジンの欠陥だけはないことを祈る!

スープラ カンボジアの首都プノンペンは、段違いに大都会だ。シェムリアプとプノンペンを日本の都市にたとえると奈良と東京って感じ。
シェムリアプは栄えているのはほんの一部で、京都っていうのには少々無理がある。
遺跡を中心とした観光業についている人以外はほとんど農業や漁業従事者であろう。

その一方でプノンペンはものすごいにぎやか。
それほど高層建築はないが鉄筋の建物がいくつも存在するし、やっぱり驚くべきはその車の多さだ。
日本の中古車も多いが、ぴっかぴかのベンツやランクル、パジェロにアコード!日本でよくお目にかかる車がたっくさん。

そもそもスープラが走れる道路があるんだよね。(ただし、きれーな道路はあっても渋滞してるからスポーツカーの意味はない(笑))。 シェムリアプまでに通った、あのでこぼこ道を思い出すとにわかに信じられない。

反対にバイクはシェムリアプと違ってぼろぼろ。シェムリアップのドライバーたちは新品の日本メーカーのバイクを乗り回していたが、 あれは毎日観光客を相手にしているからだろう。運転手の身なりもシェムリアップの方がずっとよい。

プノンペンの町には、ばっちり化粧を決めたボディコンスーツのおねぇさんがいるかと思えば、
洗濯を繰り返してすり切れた服を身につけた男がわんさか歩いていて、貧富の差を伺わせる。
町全体としては断然プノンペンの方が栄えているが、一般人は外人の相手をしているシェムリアプの人の方が裕福なようである。

ところで、1ドルで約束したこのバイク。なんだかやたらと遅い!

「時速20㎞くらいしかでてないっ!いい加減にしろ~!!」

そう思った矢先に運転手はバイクを止めた。・・・まさか、「ここから追加料金だ」なんてインド人みたいなことを言うんじゃないだろうな?

「ちょっと降りてくれる?」
「なんだとー!」と、反論しようとする私を制して運転手はバイクの後方を指さした。
・・・後輪がパンクしている。全然大丈夫じゃないじゃないか!

パンクバイク 「すぐに修理するから待っててよ。」

道路の脇にはバイクの整備屋がずらり。低速でそーっと修理屋街までなんとか走ってきたらしい。
他のタクシー捕まえて空港に向かいたいところだが、「10分で終わるから。」とにっこり笑顔で言われちゃうと怒る気も失せる。
でも、飛行機が飛んで行っちゃったら元も子もない。空港までの距離がわからないだけに不安でたまらないのに、ドライバーは彼女の写真を自慢げに見せびらかしたり、余裕しゃくしゃくである。

「大丈夫だよ。ぎりぎりになっちゃったら、空港に知り合いがいるから優先的にゲートまで入れるように言ってあげるよ。」
ええっとそういう問題じゃなくって。それよりせっかく早起きしたのがパンク修理のためみたいだ。

「OK!行こうか。大丈夫、この時間なら間に合うよ。10:30の飛行機だろう?」

10分で終わるというのは大嘘だったが、空港は意外と近く、楽に間に合った。

「じゃ、またね」

約束の$1を受け取ると手を振りながら帰っていった彼。
途中で入れたガソリン代とかパンク修理代も請求されるかと思ったが、それはさすがになかった。
「ボーイフレンドはいるの?」と聞かれたときも、「またナンパ?」と一瞬キッっと顔がこわばったのだが、単に自分の彼女自慢をしたかっただけ。

海外を旅していると「一人で旅をしている日本人の女性」というくくりで見られるため、
旅先によっては女であることや日本人であることで不便、不快な思いをすることがある。
もちろん、総じて女性には優しい国の方が多いので、逆にいい思いをすることもたくさんあるけど。

こういうとインドに誤解を持つ人もいそうだけど、「男だったらもっと楽だったのに!」という思いをさんざんして帰ってきたインド旅行の後なだけに、勝手な思いこみにぐるぐる振り回されたなぁ(笑)

最初のインド旅行で非日常なインドが楽しかった私は、次のタイ旅行で物足りなさを感じ、
2回目、3回目のインドでは日本では感じたことがないストレートな好奇の目を察知。
そんな後のカンボジアでは、あまりの自分の自意識過剰に呆れかえるやら、笑ってしまうやら。

日本ではポルポトとか内戦のイメージが先行してカンボジアがどういう国かはわかってなかったけど、
結局、この国の一般市民は、まじめで善良な人が大半であり、とても楽しい旅を過ごすことができたというのが結論かな。