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マッコルリの旅 鄭 銀淑


韓国の地酒マッコルリの産地と飲み屋を巡った紀行文。
1冊抱えて庶民酒場で食べ歩きならぬ飲み歩きの旅へ!

「マッコルリの旅」の感想

旅先では必ずその土地特有のお酒を飲むあなたにはお薦めの本。
日本酒と同じく、韓国にも各地に地酒マッコルリがあります。
マッコルリを求めて韓国各地を飲み歩いた情報を紀行文の様な形でまとめてあります。
お酒を飲まなくても韓国の庶民文化を感じられるのがよいです。

お酒だけでなく韓国のおじさんに混じってお酒を飲みたくなる庶民的な居酒屋の情報も多く、
検索エンジンにかけるとこの本を片手に旅行している日本人旅行者のブログもいっぱい出てきます。

情報が"韓国のお酒:マッコルリ"に限定されているので、
売れる層には売り尽くした感じで増刷はなかなかされなそうなのがネック。

この本に載っている田舎の飲み屋はこれからどんどん廃れていくと思います。
マッコルリ文化が廃れるわけではなく、例えば経営者が亡くなったり、
建物が古くて立て替えなければならなくなったりした時に形を変えていくと思うのです。

だから今行っておかないと見れない文化でもあり、行ってみたいなぁと思うお店がたくさん出てきます。
韓国行くと屋台や居酒屋のみ以外にもコンビニのみもよく見かけますよね。
コンビニで買ったビールとお菓子でおじさんや若者が仲間と軽く飲んでます。
飲み屋もだんだんコンビニに(便利に)変化してきたのかも。

この本が既存のグルメ本とはひと味違うのは、探す楽しさを味わえるように
わざと店の地図を載せていません。
勿論、住所で検索をかければ見つかる可能性もありますが、本は日本語表記です。
韓国行ったらハングル表記ですよね~。店によっては探すの苦労しそうですね。

しかし、この本の著者って女性なんですよ。カバー裏の写真を見るまで気づかなかった。
韓国ドラマでも結構女性がぐいぐいいってるシーンをよく見るし、圧倒されますね。
日本でも地酒を飲み歩いて本を出している日本人女性ライターっているのだろうか?


ところでお酒を楽しくワイワイと飲んで酔っぱらっていられる文化ってアジアに多い気がする。
日本、韓国、中国、ベトナム、ラオス、タイくらいまでかな。
この辺りは親父が集まる庶民的な居酒屋や屋台がいっぱいあって楽しい。

以前、日系企業勤めのインド人が「日本で楽しいことは飲み会です」と言ってました。
日本人にとっては当たり前だけど、インド人にとっては異文化体験なのだ。
インドはムスリムだけでなく、ヒンドゥ教徒やジャイナ教徒でもお酒を飲まない人が多いし、
州によっては法律でお酒が禁止されていて売ってないもんねぇ。
むしろ酒で酔っぱらうこと自体が恥ずかしいと捉えられていたりします。
ビールを頼んだら女の私にだけコップをくれなかったなんてこともあった。
「マダムは何を飲まれますか?オレンジジュース?」だって。

メキシコにも居酒屋はありますが(別の意味でもっと陽気)公道で酔ってると逮捕されるし、
ペルーのアンデスでは一杯飲み屋みたいなところで農作業帰りのおじさんやおばさんが、
静かに一杯のんで帰っていきました。

酔っぱらいが結構コワイのはベリーズです。
この国はガタイのいい黒人や西洋系の人が多く、日曜はでかい親父が酔って絡んできます。
休みの日はウイスキーやラムみたいな強い酒をあおっている人が多いのです。
アジア系が少なくて日本人はとっても目立つのでイヤな感じでしたね~。

インドネシアになるとムスリムの親父の集団がコーラで宴会しているかと思えば、
ジャカルタではコンビニのテーブルで堂々とビールを飲む若者がいたりして、
他の宗教を信仰しているのか、若者の感覚は変わったのか、どちらだろうと素朴に感じたりして。

と、お酒にまつわる出来事だけでも旅の思い出がいくつも浮かんできます。

この本を抱えて、今度は韓国居酒屋文化をのぞき見の旅に出たくなりました。
私はアマゾンでギリギリ手に入れられましたが、現在は中古本のみです。
ブックオフは入荷お知らせメールの設定もできるので、ブックオフに登録するのもオススメです。
どーーしても見つからなかったら図書館で借りてくださいね。

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