豚足の醤油煮込み。台湾と江南で味も意味も違う。
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萬巒は日本のガイドブックには載っていませんが、屏東駅からバスで30分、潮州駅からはバスで10分のところにある客家民族の住む町で、海鴻飯店というお店が開発した豚足の醤油煮込みが評判を呼び、現在、豚足店がひしめき合っています。 わざわざ郊外から車で豚足を食べに来る人がいるほどです。
さらに屏東では客家料理の店で修行した広東人が開いた豚足煮込みの店が大繁盛している例もあり、屏東=猪脚とまで言われるようになったようです。
八角の香りが効いた中華風の豚足煮込みなのですが、
付けだれにたっぷりの生ニンニク、生生姜が入っており、
このどちらもツーンと辛いんです。
たれの味つけも濃く(おそらく煮込んだ煮汁がタレのベース)、
一口でご飯がばくばくと食べられるような代物です。
私は以前、中国の江南地方「西塘」で豚足の醤油煮込みを食べたのですが、
上海に近いこともあり、砂糖がたくさん使われた甘めの味つけでした。
こちらは「龍蹄」と呼ばれており、砂糖醤油などで煮込んだ後、鳳凰の蹄の形になるように
切れ目をいれてあります。
この料理は、「蹄の形」がポイントのため、自分で解体しながら食べました。
豚足を皮ごとぐつぐつと煮込んであるため、弾力が強く、
箸で解体するのが大変だった記憶があります。
日本人が好む味つけは江南地方のほうのような気がします。
甘みが強いので食べやすいからです。
台湾の味も私は好きですが、調味料とスパイスの足し算ってかんじで、 全体に味つけも香りも濃厚です。
特にタレを付けすぎないように注意ってかんじです。
ちなみに台湾では豚足は「厄よけ」「開運」。
江南では「家族円満」「子宝祈願」です。
台湾では長寿を願って麺線という細長い麺に豚足を入れた「猪脚麺線」を食べたりもします。
台湾の豚足が厄よけになったのは、科挙試験の前に食べたのが始まりのようです。
台湾には客家民族が沢山移住していますが、ご存じの通り客家は流浪の民です。
貧しさの中で生きていくために「物を粗末にしないこと」「勉学に励むこと」など、
様々な家訓(というか一族の鉄則)を守り、一族で団結して生きてきました。
教育熱心なため、科挙試験の合格率も他の民族を圧倒していたそうです。
豚をつぶすなんて、特別な時くらいだったはず。
かつての客家の青年たちは、一族を期待を背負いつつ豚を食べて試験に臨んだのかなぁ。
日本じゃ試験前に「トンカツ」なんて、だじゃれですけどね・・・。
中国文化では豚は「運」を呼び込む動物として縁起の良い動物です。
日本では十二支の最後は「猪」だけど、中国は「豚」です。
ウチの母は猪年生まれなので「豚」なのをを嫌がってましたが、
中国の人にとってはいやがる気持ちがわからないだろう。
日本人は太っている人のことをブタとゆったり、悪く使いますからねぇ。
ところで、蚊遣りをブタの形にしたのはなんでなんですかね。
かわいらしいからかしら?
■龍蹄:世界の食べ物(中国)
■萬巒猪脚 :世界の食べ物(台湾)
■台湾の豚足で有名な萬巒の猪脚街。念願かなってようやく訪問!:萬巒への行き方を含む。
そういえば今年の屏東の豚足祭りは世界中の豚足料理が集まるらしい。
2011世界豚足節公式HP
アルゼンチンの豚足とかって一体どんなのなのか興味があります。
南米はなんだかんだいってペルー、ボリビア(しかも首都のみ)だけだし。
やっぱりブタはその昔華僑が伝えた物なんですかねぇ。
そのあたり、まだ勉強不足でわかってません。
南米は今後行く機会があるかどうかわかりませんけども、
行ける物なら行ってみたい物です。
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