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四川航空で広州へ。食は広州にあり。(1999.08.20-21 成都-広州)

トロリーバス 広州の街には、列車、地下鉄、バスなどと様々な公共交通機関がある。特にバス網はとても発達していて、便利なことこの上ない。日本と異なり必ず各停留所で停車する上に当然名前が漢字表記なので日本人旅行者には利用しやすい。
写真は日本にはもうない(少なくとも私は見たことない)トロリーバス。エネルギー源はクリーンだけど有線なだけに、街の発展に伴って無くなってしまうのだろうな。
成都から広州へ一気に空を飛んだ。行きは寝台列車で二泊三日もかけたのにわずか数時間。中国四川航空である。

成都からチベットへ飛んだ西南航空の旅客機は超デラックス。

「なんだ、中国の飛行機も良いんじゃない?」

と、喜んだ後だっただけに今回の四川航空にはびっくりした。

まず、こんなに小さくて古くさい飛行機に乗ったのは生まれて初めてだった。

頭上のもの入れは狭すぎてザックは入らないし、席もちょー狭い。座ると自分の膝と前の座席の背もたれまでの空間は数センチしかない。
シートもクッション性など全くといって良いほどなく、薄汚れた色をしている。

きっと昔どこかの航空会社で使っていた払い下げなんだろうけど、バスとか地上の交通機関ならいざ知らず、飛行機がぼろいのはちとこわい。

ところで現在、中国の航空会社は客取り合戦の真っ最中。 各社様々なサービスを実施しており、乗客に様々なアメニティーを配布している。

ラサでご一緒したT氏達は成都まで雲南航空を利用し、白いボストンバックをもらったそうだ。 でかでかと「中国雲南航空」と書かれたそのバックを非常食用鞄として愛用していたが、あれは日本じゃ使えないな(笑)

四川航空は扇子。持ち手の部分に「中国四川航空」と書かれたごく普通の扇子である。
「だから、何だ?」という気がしますけど、実はこのぼろい飛行機、冷房も壊れていて座っているだけで汗がだらだら流れ落ちるのだ。

・・・暑けりゃ自分であおげってことか!

空港のバス停に立っていると、正面から日本人らしい青年が歩いてきた。
彼も私と同様そのままバスを待っていたのだが、なんとなくちらちらとこっちを見ている様子である。

声をかけようか迷っていたのだが、「もうすぐ帰国するし、このまま一人でもいっかー。」と言う気分になっていて、こちらから声をかけるのをやめてしまったが、彼の方も迷ったあげくに声をかけなかった様に見えた。

実は今回の旅行でこういうのはよくあった。
「あ、日本人かな、でもやっぱ中国人かな・・・。」と迷っているうちに、声をかけそびれる。
むこうも同じことを考えているらしくお互いちらちらと視線を送ってしまい、そのたびにばちばちと目が合う。でも、そのままお話をせずに終わってしまうのである。
他の国でも同じようなことはあるけれど、少なくとも現地人と外国人の区別は付くので、声はかけやすい。

きっと韓国あたりでも「あたしは日本人よ!」ってアピールしない限りこうなるのだろうと思った。

さて、例によってバスは渋滞にはまり、街に着いたのはやはり夕方になってしまった。

フェリーで香港に戻ろうと思い、フェリー乗り場になるべく近いホテルにチェックイン。 一部屋190元する三ツ星級のホテルだったが、服務員の笑顔がものすごいキュートで今までの中国の町と比べるとちょっとびっくり。部屋代の支払時に「ひゃくきゅうじゅう?」などど日本語を言ってみたりして。

中国の政治家の誰かが「広州と海南島はもはや中国ではない!」っていうのを聞いたことがあるが、でも冷ややかにあしらわれると傷つくので、広州みたいになってれたたほうがうれしいですね。

その後、フェリー乗り場の窓口に行ってみたが既に閉まっており、結局海路での出国はあきらめた。

そして香港行きのバスの乗り場に行ってみると、香港よりマカオ行きが断然安い。そこで急遽行き先をマカオに変更。

「マカオから船で香港に向かおう!」

今思えば、この思いつきが、後でやっかいなことを引き起こすんだけれども。

夕方の広州
ところで、広州の街は地下鉄をフルに活用し、市場から博物館まであらゆるところを回った。交通機関が発達した都市はやっぱり便利で、なかなか密度が濃い1日だった。

一番私の印象に残っているのは広東省博物館。
今や中国の華南といえば工業都市都市として大発展をしているが、その発展の歴史を写真などで説明している。数々の工業製品も展示してある。(そして、工業製品の展示コーナーだけは係員のチェックが厳しい。持って行っちゃう人がいるんだろう。)
中国の近代史の移り変わりって感じで、面白かった。
そして、やはり、「食は広州にあり!」という言葉の通り、広州の市場は熱い!


広州の市場などの写真いろいろ

Ⅰ 手始めにペットの魚

飼い魚 まず手始めにこれ。 このゴミ用に見えるポリ袋。この中には金魚とかグッピー・・・はいたかな?とにかく、ペット用の魚達が袋詰めされている。
普通じゃない!少なくとも日本人の感覚では。だって、破れたら魚が逃げちゃうじゃん!
屋台で食べ物やコーラをビニールに入れて持ち帰るのには、もう慣れた。 食べ物にしろ、コーラにしろ、あくまでもその場で食べないだけで、すぐに胃の中に入ってしまう。場合によっては歩きながら食べるものだからだ(また、ながら食いが楽しい)
しかし、これは生き物。よりによって、水がないと生きていけない生き物である。 ハムスターや文鳥じゃ無いんである(こういう動物はビニールに入れたら窒息死しそうだが)。 爪を立ててビニールを破ることは無いけど、でも人間が間違って破っちゃったらどうするの?
「今まで一度だってそんなこと無いから良いんだよ!」ってことかしら?

Ⅱ 中国って感じの品揃え

漢方薬 清平路市場には南側の入り口から入った。中国を感じさせる香り、漢方薬材の香りがぷーんと立ちこめる。
この市場は、アンティーク、食材、薬材などが何でもそろう市場で、それぞれの店が分類ごとに固まって店を出している(まあ、市場なんだから当たり前か)。この一体は隙間もなく、漢方漢方漢方!!!

漢方薬って高いからお土産に買いたいところだけど、判らないし。なんだかよくわからない干し椎茸みたいなものがビニール詰めで山積みであった。

Ⅲ 浮き袋膨らみまくり

魚類 「ギョルイ」
観光ツアーも必ずこの市場に寄るのだろう。 市場の入り口の頭上にはそのブロックで売られている食材などの種類を提示してある。 勿論、漢字表記だがその下に日本語でもふりがなが振ってあった。 (日本人はこの位の漢字はフリガナ無くてもへーきだって)
 日本の魚市場って、魚まるまる一匹か、きれいに裁いた状態で売っているが、 中国では、とりあえず腹をかっさばいた状態で売っている。 血は滴り落ちているし、浮き袋は水中との気圧の違いでぱんぱんに膨らんでいて、グロテスクなことこの上ない。

Ⅳ ここからちょっと怪しい

肉類 「ニクルイ」
 日本の肉屋だって、羽をもいでまるのままになった鶏肉なんかを売っている。 クリスマスシーズンだと場合によっては七面鳥も売っている。  でも、大抵は出荷される時点で部位ごとに切り分けられ、真空パックになったものがお店に届く。そして、その固まりを肉屋さんがスライサーで薄切りにしたり、包丁でざくぎりにして出す。
一般庶民だって、きれいに切り分けられた肉を必要分だけ買い求める。 だから、こんな風に肉がぶらーーんとぶら下がっている光景って肉屋さんですら見ないなぁ。肌の真っ黒いトリがくちばしから吊された状態でいるのはちょっと不気味だった。あれは、薫製肉だったのだろう。

Ⅴ 野生動物

猫籠
ウサギ籠
吊されるウサギ
野生動物のコーナーには、野鳥(種類が判らないのでこれで勘弁してください)やウサギ、猫などが籠にぎっしり詰められて売られている。それこそブロイラーのよう。猫やウサギが食用として売られているのは初めて見た。いくら皮を剥がれたウサギがぶら下がっているのを見ようと、別に「かわいそー」とか言って目をそらすような玉ではないが、それでもちょっとびっくりした。
とは言っても、やっぱ日本では猫を食べないから、「本当にたべるのかなぁ?」と疑問が残る。
朝の10時過ぎから散策を始めたため、買い出しのピークは過ぎたのだろう。 あらかたの商品が売れてしまったのか、皮を剥がれた犬や猫はぶら下がっていなかった。

籠の中で窮屈そうににゃーにゃー鳴いている猫を横目で眺めつつ、野菜コーナーに向かって歩いていた。ん?猫コーナーは私の背後遙か彼方のはずなのに猫の鳴き声がする。
振り返っても猫なんか売っている店はない。 気を取り直して向き直ると、やはり背後で「にゃー」と猫の鳴き声がする。 それも、歩いている私に対して、常に一定の大きさで声が聞こえる・・・ってことはついてきてるんだな。 もう一回立ち止まって振り返ると、50センチ四方くらいの麻袋を抱えた男が私を追い越した。 もしかして、おじさん猫を買いましたね?その袋の中身は猫なんだね? これから家に帰って皮を剥いで食べるんかなぁ。

好き嫌い無く、何でも戴く私ですけど、猫もきっと料理で出されたら食べますけど、 やっぱ、自分でさばいて食べるのはできないだろなぁ。 包丁入れたら「にゃぁー・・・」と力無く鳴いて息絶えるんだろうか・・・。 そうか、猫とか鳴き声がかわいらしいから、よけいに食うよりペットの感覚なのか。 それとも、鶏なんかと違ってまずいのかな。未知なだけに謎は深まる。

しっかし、私も大きなことを言っているけど、実際食べろと言われたら躊躇してしまうのだろうか?