ラオスから帰国後の素朴な感想文。(←文句ばっか言った癖に)

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の~んびり、まったりと過ごしたタイ、ラオス旅行から帰ってきました。
私の知る限り、ラオスの各都市(と言うほどの規模の町はナイが)は、かつて旅行者が「何もないのに好き」と言っていた町だった。
確かに首都のヴィエンチャンは、「ここが首都?」と言うくらいに人も車もまばら。ルアンパバンの町並みは、珍しい様式のお寺がそこここに点在する姿、町の傍らに静かに流れるメコンの流れ、托鉢に回るお坊さんに、ラオスの美しい織物にと、それなりの情緒はあった。しかし、世界遺産という名の下に増えた観光客と観光客向けの商売が、ラオスの町を観光地に変えつつあり、何もなかった町はもはや何もない町ではなくなりつつある気がする。いくらフランスが統治していたとはいえ、ヴィエンチャンではなくルアンパバンにフレンチレストランって・・・昔からあったとは思えないんですよね。
ルアンパバンでも、バンビエンでも、結構なハイスピードで繋がるインターネットカフェからブログに独り言を書き込んでいた自分が言うのもなんですが。


 でも、今回ラオスをちょこっと回ってみて、今この国は突然に観光客が増えたことによる弊害というか、それにとまどっている人がきっと多いだろうなと思ってしまった。

 例えば、今回、現地発着のツアーに参加してみた時、プログラムに組まれていた目的地4カ所のうち、2カ所に立ち寄りませんでした。実のところ、その二カ所の目的地は、ボートでは立ち寄ることが出来ない場所にあるのですが、パンフレットには、「ボートかバスで1つの洞窟と3つの村に行きます」と書いてあるのです。つまり、英語の表現の仕方が間違っている。

 当然、その4つにいけると思って参加した我々は怒ってしまう訳ですよ。向こうの人にとっては、「川のそばにない二つの村に立ち寄れなくて当たり前」のことでも、よそ者にはわかりませんからね(結局、無料で残りの2つの村に車で連れて行ってくれた)。

 ルアンパバンで予約したタイの列車チケットの手配が漏れていた時も、私はぷつんと切れました。勿論、列車の手配をして貰う代わりにそれなりの手数料を払っていたからです。

 たまたま同じ代理店を通して全く同じクラスのキップを手配した旅行者が3人も重なり、うっかり手配漏れをしたとのことで、一番最後(でも約束の時間ぴったり)にチケットを取りに行った私がババを引きました。

 たまたまその2時間後に同じ行き先の列車があり、しかも空席があったので何とか取り繕ったようですが、そのチケットは、言うなれば、ひかりの自由席に乗るはずの客が、同料金でのぞみの指定席に乗ったようなものだったので、儲けはゼロに近かったと思う。おまけにこの情報社会では、こういう噂はあっという間に旅行者に広がるしな~。

 結果的に、この2つのトラブルに対し、しっかりと文句を言った私は非常に得をしましたが、外国人相手の思いがけないトラブルってもっといろいろあるだろうし、きっと彼らは今が一番疲れてる時なんだろうなと。

 また、出来なかった言い訳は一生懸命してましたが、最後まで「ごめんなさい」という台詞が出なかったのも印象的でした。「お客様は神様」じゃないですが、そういうサービス業の感覚ってなかっただろうし。

 ほんの少し前、ラオスが何もない国と言われていた頃に訪れた旅人は、現地の人たちにほどよく混ぜて貰いながら旅をしていたんだと思う。

 市場やその辺の食堂で食事をし、ボートやトラックバスに揺られて移動する。食事が口に合わなくても、ボートやトラックが途中で故障しても、シャワーからお湯がでなくても、「これが旅の醍醐味」といった感覚で楽しむ余裕がなければやってられなかった彼らは、文句を言うことも少なかっただろう。だいたい、自分はよそ者でよその国におじゃましているのだから(まあ、言う人もいたとは思うけどね)。

 今のラオスを批判するつもりも、観光客が増えるのがいいとか悪いとか言うつもりでもなくて、なんかきっとこの国は今変わろうとしているんだなとか、そんなようなことを感じて帰ってきました。
 でも個人的には、外国人の望むありとあらゆることがプログラム化されて、アミューズメントパークと化さないといいなとは思います。

 遺跡の保存もいいけど、古いモノが朽ちるのも自然の通りかもと思ったりしますし。ミャンマーのバガンで、どんどん新設される遺跡もどきを見ていた時は変な気分でした(修復じゃなくて、新しい煉瓦でわざわざ建設し直している)。

 ラオスはただビザが高いからというだけで後回しにしていた国ですが、もうちょっと前の町も見てみたかったです。コレも富める国に住む人間の奢った考えですけどね。昔の日本が見てみたいのと同じこと。


(2005.08.24 ラオス旅行直後の感想文)

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