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厚木のサムライたち 厚木シロコロ・ホルモン探検隊/白井真美


B1グランプリで優勝することになり全国に知れ渡った厚木のシロコロ・ホルモン。
シロコロの由来やブランディング化の軌跡を追ってあり、地域興しのヒントになる。

この本のレビュー

厚木のシロコロ・ホルモンと言えばB級グルメ好きで知らない人はいないと思う。
ところがこのシロコロ。厚木に住んでいるひとが知っていたかといえばそんなことはなく、
元々は厚木のサラリーマンなどが仕事帰りに楽しんでいたホルモン焼きでしかなかった。
それを地元を愛する有志が発起人となり、ブランディング化し、地域興しにまで発展させてしまったのが、
厚木シロコロ・ホルモン(登録商標)であり、発起人たちが厚木シロコロ・ホルモン探検隊である。
そのシロコロがいかにして生まれたか、どうやってB1グランプリで優勝するまでになったか、
行政や市民などを巻き込んでのB1グランプリ開催誘致までもっていったのかという、
シロコロにまつわる地域興しの軌跡をまとめた1冊である。

私はもともと仕事帰りにホルモンを食べることなどなく、ましてや勤め先が都内だったため、
飲み会といえば仕事場の近くで、厚木の飲み屋に立ち寄ることなど全くない。
だから厚木にホルモン焼き屋があることすらしらないくらいなので、
急に「厚木シロコロ・ホルモン」といわれて、「そんなのあるの?」とピンと来なかった。

つくづく思うが日本ってこういうどこかの誰かが人知れずがんばったことが、
どんどんと人を巻き込んで大きくなっていく、こういう現象がすごく多いと思う。
いきなり役所に「町おこししましょう!」といっても成功するかどうかわからないものに乗ってくれるハズもなく。やっぱり役所とかって前例のないものや失敗の確率が高い事柄に おいそれと挑戦はしにくい。
それこそ崖っぷちまで追い込まれていれば自治体と住民が結束してがんばることもあるだろうが、
厚木は都心からも近いし、住民もそれなりにいて、潤っているわけではないのだが、
極端に落ち込んだ地域でもない。
同じ神奈川でも横浜や鎌倉みたいなネームバリューもないし、いってみれば中途半端だ。
探検隊の人たちは、故郷に愛着があるが故に、厚木を知って欲しい!と奮闘したようだ。

しかし、厚木といえばお年寄りは「マッカーサーが降りたところね」なんていうんだけども、
厚木に厚木基地はないのですよ。いつも地方に行くとそんなことを説明していました。

思えば私も各地のB級グルメから、今まで知らなかった地方の町や村を知っていった。
もともとB1グランプリを始めたのは青森の八戸のせんべい汁からですし、
日本全国のいろんなところの楽しく、美味しい故郷自慢の和がどんどん広まって欲しい。

観光庁も嵐を使って外国人誘致のPRするのもいいんだけれども、
日本の祭りとか、郷土料理とか、もっといろんな形で紹介するHPとか作ればいいのに。
日本は東京や京都だけじゃないし、スシや天ぷらだけが日本の食でもないと。
まあ、今の世の中、実際に個人でそういう情報発信をしている人はいそうだけどもね。


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