脱ニッポン人生 大倉直
メキシコ、タイ、トルコ、台湾など、日本から飛び出した日本人の姿を追った緩いドキュメント。
日本から飛び出すことが吉とでるか凶と出るかはわからんものだなぁという感想です。
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この本のレビュー
日本を飛び出して海外で暮らしてきたさまざまな人たちとの出会いと再会を通じて、その人の人生がどのように変化したかをインタビューした本。
この本を書き上げるのに相当の年月ひつようだったろうなぁというのがまず最初の感想。
しかし、堅苦しいドキュメント本ではなく、あくまでもいろんな人生あるんだなぁと
しみじみとしちゃうていどで、それほど肩肘張らずに読めます。
海外旅行をしているとたったの1週間、10日しか滞在でききないもどかしさがあり、
「あー、一度しごとやめて長旅してみたい!」「長期滞在してみたい!」と思うものですが、
当然ながらそんなに簡単に日本の生活を捨て去ることはできません。
変な話、年金はどうすんの?とか将来のことを考えちゃったりとか後ろ向きになりがち。
しかしこの本に出てくる人たちはなんだかそういう後ろ向きな考えとは無縁というか、
背景はそれぞれ。飛び出した結果、良い方向に転んだかどうかもそれぞれ違います。
印象に残ったのはトルコに渡った男性の話。
奥さんと結婚する時に「50までは働くからその後養って!」と宣言し、
実際に奥さんはだんなが50になるまではめい一杯あそんで人生を満喫し、
その後、夫婦の役割交代で旦那が遊ぶということを約束通り実現したご夫婦。
勿論、奥さんは仕事をした経験がほとんどなかったわけですが、
旦那との交代時期が近づいてきたところで、リフォーム会社にパートではいり、
その後、旦那といっしょに強制的に取らされた様々な資格を生かして独立してしまった。
以後、旦那が50になったところで、すっぱり役割を入れ替えられたのです。
つまり、世の中の女性は仕事のブランクのために子育てが終わった後の
再就職とかがままならないわけですけども、そういうのを夫との約束ひとつだけで、
すっかりはねのけてしまっているところが、すごいなぁと。
勿論、それまでの彼女の生き方が地に足がついていたからに他なりませんが。
自分の価値観を上げていった結果で生まれたわけですけども、
そういう意味では世の中の主婦も「子供が小さいから」とか言い訳ばかりをせずに、
自分の時間を有効につかって、子育てをしながらでも自分の人生を満喫して生きていきたいものです。
この本を読んで、脱日本しよう!とは思わなかったけども、いろんな人生あるなぁとしみじみしました。
メキシコのサンフェルナンド館あたりの話は、私の中で人物が特定されてしまったので、
ここまで書いていいのかなぁなんて思ったりしました。
まー、許可を貰ったんでしょうけども。
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