インパラの朝 [ 中村安希 ]
ドキュメンタリー作家の女性がユーラシア大陸、アフリカを2年かけて歩いた旅行記。
旅で出会った人に焦点が当たっているので、年月を経ても色あせない。
そして旅で感じた様々な思いや情景が伝わる文章力には脱帽する。
久しぶりに人の旅行体験が面白いと感じた。
2年もの旅でありながら、経路などをだらだらと語ったりするところが一切なく、
その国で出会った象徴的な出来事、特に日本では感じ得なかった感情がわき上がるようなそんな出来事と、
その出来事に絡んでくる人とのやりとりや著者自身の思いが丁寧に綴られており、
旅に出てないのに、また行ったことがない国だったりするのに、その情景が思い浮かんできた。
うわ~、プロの作家の文章だ。とただ、感動を覚えた。
著者はアメリカ留学を経験しているため、英語が流ちょうであり、現地で英語を話す人たちとの
コミュニケーションがスムーズであるため、またもともと知識が豊富で頭のいい方のようで、
時には現地の人に指摘された考え方の違いなどを反論したりしていて(うまくいえないんだけど)
ああ、自分だったらここで「言われていることはわかっても、返す言葉が見つからなくて黙ってしまうだろう」と 思う場面も結構あった。
そして、これまでいろんな人のアフリカ旅行記を読んできたけれど、
やっぱり読んだ後に「アフリカに行ってみたい」という思いは起こらなかった。
アジアに頻繁に足を運んでしまうのは、やっぱり同じアジア人だから居心地がいいのだと思う。
例えば黒人の多いベリーズに行ったとき、アジア人の私は子供に石を投げられたりした。
著者はアフリカでそういうことを経験した訳ではないけれど、アフリカ南部で
白人、黒人、と人種によって分かれたコミュニティで孤独を感じた経験を書いており、
要するに面と向かって白人に蔑視された訳だけど、ああ、そんな社会ってイヤだなぁって。
それと、やはりこれまで自分が知っているいわゆる発展途上国の中でも、
もっとも過酷な旅に成りそうだなというのも想像できる。
なんだかんだいっても、アジアも南米も南太平洋の島々ももうちょっとインフラが整っている気がする。
まあ、それはたまたま陸路を這うようにたびしているからこその経験であって、
ガイドブックが紹介しているようなところはバスがあって、普通に旅できるのかも知れませんが。
ともかく著者が非常に表現力が豊かなので、面白かったです。
短編集みたいな感じなので、時間が出来たときにちょこちょこ読み進めたりできます。
電車の中の一駅で1つの話を読めるくらいです。
旅で出会った人に焦点が当たっているので、年月を経ても色あせない。
そして旅で感じた様々な思いや情景が伝わる文章力には脱帽する。
久しぶりに人の旅行体験が面白いと感じた。
posted with ヨメレバ
この本のレビュー
日本を出発し、陸伝い、時には空を飛びながら、アジア、アラブ、アフリカ諸国を巡った旅行記。2年もの旅でありながら、経路などをだらだらと語ったりするところが一切なく、
その国で出会った象徴的な出来事、特に日本では感じ得なかった感情がわき上がるようなそんな出来事と、
その出来事に絡んでくる人とのやりとりや著者自身の思いが丁寧に綴られており、
旅に出てないのに、また行ったことがない国だったりするのに、その情景が思い浮かんできた。
うわ~、プロの作家の文章だ。とただ、感動を覚えた。
著者はアメリカ留学を経験しているため、英語が流ちょうであり、現地で英語を話す人たちとの
コミュニケーションがスムーズであるため、またもともと知識が豊富で頭のいい方のようで、
時には現地の人に指摘された考え方の違いなどを反論したりしていて(うまくいえないんだけど)
ああ、自分だったらここで「言われていることはわかっても、返す言葉が見つからなくて黙ってしまうだろう」と 思う場面も結構あった。
そして、これまでいろんな人のアフリカ旅行記を読んできたけれど、
やっぱり読んだ後に「アフリカに行ってみたい」という思いは起こらなかった。
アジアに頻繁に足を運んでしまうのは、やっぱり同じアジア人だから居心地がいいのだと思う。
例えば黒人の多いベリーズに行ったとき、アジア人の私は子供に石を投げられたりした。
著者はアフリカでそういうことを経験した訳ではないけれど、アフリカ南部で
白人、黒人、と人種によって分かれたコミュニティで孤独を感じた経験を書いており、
要するに面と向かって白人に蔑視された訳だけど、ああ、そんな社会ってイヤだなぁって。
それと、やはりこれまで自分が知っているいわゆる発展途上国の中でも、
もっとも過酷な旅に成りそうだなというのも想像できる。
なんだかんだいっても、アジアも南米も南太平洋の島々ももうちょっとインフラが整っている気がする。
まあ、それはたまたま陸路を這うようにたびしているからこその経験であって、
ガイドブックが紹介しているようなところはバスがあって、普通に旅できるのかも知れませんが。
ともかく著者が非常に表現力が豊かなので、面白かったです。
短編集みたいな感じなので、時間が出来たときにちょこちょこ読み進めたりできます。
電車の中の一駅で1つの話を読めるくらいです。
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