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J&K州都ジャンムーにて。マハラジャ宮殿前でムーディーディナー。

ライトアップされたアマールマハル
ライトアップされたアマールマハル・ジャンムー。かつてのマハラジャ宮殿は博物館になっている。

レーからカシミール経由でジャンムーに着いた我々は、荷物を受け取りターミナルの外に向かった。
出口前には、人待ち顔の東アジア系の男性とその知人とみられるインド人の男女が立っていて、
その背が高くすらりとした体型のアジア系男性は我々に向かって、両手を大きく振って合図する。
それはまさしく友人の連れ合いたちで、仕事の合間にわざわざ我々を迎えに来てくれたのである。

友人も久々の再会で抱擁・・・なんてことにもならず、初顔合わせの面々においては
ペコペコと紹介したり、されたりしつつ、二台の車に分かれてジャンムーの街中へと向かった。


ケンタッキーのチキン
ケンタッキーのチキンとソース
甘辛スパイシーのチリチキン。
(ソース多過ぎだろ。)
インドの片田舎の一地方都市だと思っていたジャンムーの街は、思っていた以上に車や人が多かった。
大きな渋滞こそなかったモノの道路はそれなりに混雑していてなかなか進まず、
目的のモールまで30分はかかっただろうか。
車が信号で停車すると、すかさずやってくる物売りや物乞いの姿に、
「そういえば、レーにはいなかったな。」と今更気がつく。
たった半日でチベット世界から一気にインドに降臨した感じ。

モールのフードコートでケンタッキーのチキンで軽く昼食を取った後、
ジャンムー・タウィー駅前のホテルにチェックイン。
しばらく休憩の後、夕方、再び夕食を食べるために集合することとなった。

ところでジャンムー・カシミール州がなぜ外務省の渡航中止及び退避勧告の対象地域かというと、
戦後、英国から分離独立するとき、ごちゃごちゃして、国境線が曖昧になったことが一因に上げられる。
その頃、英国は現在のインド、パキスタン、バングラディシュ等を英領インド帝国として支配していた。

当時のジャンムー藩王国の藩王(マハラジャ)はヒンドゥ教徒。対して、民衆の8割はイスラム教徒であった。
分離独立するぞって時、「インド?それともパキスタン?」とどちらに属するか決めかねているうちに
パキスタンがわーーって攻めてきて、「インドになるから助けて~」ってインド軍に助けてもらった。
そんななし崩しな感じで、インドに属することが決まったのが、ジャンムー・カシミール州なのだ。

しかし、この州にある国境線については今でも揉めてるし、親戚同士で国籍が分かれちゃった人もいる。
さらに敬虔なムスリムには「国教がイスラームのパキスタンの方がよかった」なんていう人もいるかもしれない。
そんな人々の心を利用しているのかいないのか。ともかく、忘れた頃にきな臭い事件が起きるのがこの地域だ。

インドのラダックやシッキムなどの山岳地帯は中国、そして、西はパキスタン。(東もいろいろある。)
それこそかつてのように軍人さん同士でドンパチすることはあんまりなくなってきたようですが、
過激派がインド軍基地を襲撃したりなんて事件がたまーに報じられますし、
戦争なんて何がきっかけで起きるかわかんないから、外務省は我々に「あんま行ってくれるなよ」と言うのである。

まあ、それ以前の問題として、同州のカシミール地域は、治安の悪さに旅行者が激減したことで、
悪質な観光業者がはびこっていたので、イメージがすこぶる悪く、近寄ろうという気にもならなかった。
それが"あのジャンムー・カシミールに出張で行く人がいる。"ということをきっかけに、
じわじわと興味がわいたというのが今回の旅だ。

ジャンムー・カシミール州は8割の人がムスリムだというが、ジャンムーの人の服装を見るとそうでもない感じ。
どちらかというとモスクよりもヒンドゥ寺院の方が目に付くし、寺院の門前町にはサリーやパンジャビ姿で
お買い物を楽しむ女性がたくさんいらっしゃる。(イスラム国では女性はあんまり外出しない。)
そうか。藩王がヒンドゥなので、かつて宮殿があったこの町はヒンドゥ教徒が多いという訳か。

ジャンムー・カシミール藩王国初代藩主グラブシンの像
J&K藩王国初代マハラジャ
Gulab Singhの銅像
夕刻になり、再び2台の車に分かれて向かった先は、かつてマハラジャの宮殿であったアマールマハル。
この宮殿はジャンムー郊外の丘の上、タウィー川のほとりに、ジャンムーの町を見下ろすように建っている。
インドの宮殿には現在もラジャが居住しているところもあるが、この宮殿は現在博物館として使われており、 一般人も敷地内に入ることが可能です。夜は営業時間外なものの、ライトアップされていて雰囲気があります。

ただし、目的地は宮殿ではないようで隣接するHari Niwas Palace Hotelだった。
ホテルに併設されたレストランでディナーをごちそうになってしまった。

夜は天の川が見えるくらい空気が澄んでいたラダックに比べ、ジャンムーは星空は見えず、夜景もぼんやり。
しかし、おそらくジャンムー1であろう高級レストランで、自身は決して口にすることのない肉や酒をごちそうしてくれたS氏。
旅行者としての我々が決して出会うことはないハイカーストのエリートインド人の彼は、妙にシャイな人で、
話しかけてもなかなか目を合わせてくれず、会話も全く弾まない。
これまでに会ったインド人は人なつっこくて、何もしなくてもぐいぐいと来る人ばっかりだし、少々戸惑ったものだ。
まあ、そりゃ、10億も人がいれば、人見知りの人もいますよね。
(向こうも男性ではなく、女性が話しかけてくるのに戸惑った可能性はある。)

日本人同士日本語で盛り上がるわけにもいかず、なんとなく流れる微妙な空気も、10日ぶりの逢瀬にニコニコしながら寄り添う仲よさげな友人夫妻を遠目に見るにつけ、だんだんとどうでも良くなってきた。
とりあえずこの日はラダックでついに口にすることのなかった冷えたビールとジャンムーの味で一区切り。

ま、奥様無事送り届けましたし、ミッションコンプリート!ってことでいいかな?

※スト、半月の日、5000mの山の上とお酒が飲めないシチュエーションが続いていたのだ。

ジャンムー初日の写真。飲み食いばっか。

Hari Niwas Palace Hotelで頂いたディナー

フィッシュティッカとタンドーリチキン
マトンカレーやチキンカレー
ジャンムー初日はお気遣い頂いて、ジャンムー1のホテル&レストランでの食事を頂きました。 インド入国から6日目にして初のインド料理でもある(笑)
ジャンムーの料理は全体に油が少なめで、上品な味のカレーだったという印象があります。 ムガル料理のようなこってりさはなかった感じ。
「ジャンムーの料理が食べたい!」ってゆったら、「みんなジャンムーのだ」とか返されちゃって、しかも、暗い中でカレーポットが次々と運ばれてくるので、 もはやどれがどれだかわからなくなってしまいました。
トマトパニールだけはわかりましたけど。(トマトとチーズのカレーね。)

ホストのS氏がよかれと思って、フィッシュティッカとかチキンとか、タンドーリ料理をたくさんオーダーしていたみたいで、 でもホストを始め、インドの皆さん、みんなベジタリアンで、その上お酒も飲まないもので、 私はカレーが食べたいのに、給仕の兄さんたちが、鶏とか魚とかを次々サーヴしにくるのが困った。
だって、私、トマト&パニール食べたかったの~!
トマト・パニールはトマトの酸味が強めで、それにまろやかなカッテージチーズの淡泊なおいしさと相まって なかなかおいしかったです。パラクパニールより好きですね~。
トマトのカレー マトンカレー トマトパニール もはや謎のカレー
ホテルの庭園の様子 食事風景の一コマ みんなで記念撮影


日本出国前から目を付けていたジャンムー名菓。サンド・パンジリ

サンド・パンジェリ ジャンムーのナッツ菓子の中身
ジャンムー&カシミール州はナッツの産地。ジャンムーでもドライフルーツやナッツを売るお店が至る所にあります。
そんなジャンムーの名物がこちらのお菓子、サンド・パンジリ。パンジリというのはナッツ類を使って作ったお菓子で、栄養価の高さから、出産後の女性が食べるものとされています。
ギーをフライパンで温め、カルダモン、フェンネル、生姜などのスパイス、チャパティなどに使うアッタという全粒粉を入れてクランブル状にローストしたものに、別にローストしておいたナッツやドライフルーツを混ぜて冷ましたらできあがり。
ジャンムーのパンジェリはとにかくナッツとドライフルーツがこれでもか!という位に入っているのが特徴で、 普通のパンジリはクランブルの方が多いのに、これが逆なんですね。さすがナッツの産地です。
「あ!これジャンムーのスイーツでしょ!」とめざとく見つけた私に、S氏が買ってくださいました。
そのままスプーンで食べてもいいけど、ヨーグルトに入れてもまろやかでいい感じです。

サンド・パンジェリ ジャンムーのナッツ菓子 サンド・パンジェリ ジャンムーのナッツ菓子をヨーグルトと食べる カシミールの生アーモンド

インド:ラダック旅行に行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。

旅行時期:2018年9月
1ルピー=約1.7円
■宿泊:lemon tree hotel jammu 5000円/人くらいで2食の食事付き。
■食事:払ってないのでわかりません。

■成田-デリー航空券 直行便で燃油サーチャージ込み90,000円前後~。
 デリー-レー航空券 片道8,000円くらい。レー-ジャンムー航空券 片道10,000円くらい。
旅程を立てるために参考にした本やウェブサイト
ラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット
ラダックについて最も詳しく書いてあり、なおかつ新しい書籍がこれ。 地球の歩き方の別冊シリーズの一つで、これがあればインドの中のチベット世界へ行くのにかなり役立ちます。 重いのでコピーしたけど。
ただし、旅先はラダックだけではなかったので、地球の歩き方インドとロンプラの該当ページを持参した。
ロンプラは公式サイトからジャンムー&カシミール州のみ購入しました。

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