スリランカ:ニゴンボのホテルで洋風結婚式見学
そこで、選んだのがスリランカのニゴンボ(写真)。理由は簡単で、
- 空港から近い(タクシーでも30分程度)
- リーズナブル(中級クラスホテルが数千円)
- ベストシーズン
インドで外国人がくつろげるビーチといえばゴアくらいなもので、ゴアは国際空港から遠いのでめんどくさかったんです。スリランカ航空でスリランカ経由した方が燃油サーチャージ込みでも安かったし、スリランカの空港でのトランジットが8時間以上ある場合、トランジットホテルと食事が無料なのです。
一見不便な場所にある国ですが、その分「使って貰おう!」という努力が見られて私は何となく好きですね。
特に南インドに行くときはインドの航空会社を使うより便利なので、スケジュールが合った場合は要チェック!です。
さて、話は元に戻って、ニゴンボです。
2007年の夏のインド旅行でもスリランカ航空を使い、半日のトランジットでニゴンボに来ました。
8月のニゴンボはモンスーンの影響で波が高く、とてもじゃないけど泳げる状態じゃないので観光客も少なめ。さらにレストランやホテルも閉まっているところが多く、活気が全くなかった。
あ、あれ?その割には・・・波が荒い・・・そして、あれぇ?観光客少なくない??
予約しておいたサンフラワーホテルも、部屋の半分以上が空いているんですけど・・・。
「これじゃスリランカ航空のトランジット客が来ないと商売にならないのでは?」
と思いきや、・・・びっくりしました。
三泊目の朝のことです。
いつもはのんびりブッフェスタイルの朝食を食べるところなのに、何故かこの日は何の準備もない。
食堂のレイアウトを変えたり、飾り付けをしたり、せかせかしている従業員。
それに、働いている人の数がやけに多いのだが・・・。
「あのぅ。もしかして、ウェディングの準備かなんか?」
「そうだよ。お昼からだから君も見においでよ!」
え、マジ?!絶対行く!!
ということで、期せずしてスリランカの人たちの結婚式を見れることになりました。
リンダとヌワンの結婚式。
さて、いつもと違った朝食(オーダー式)を取りながら従業員を観察。朝食ビュッフェ用に使うサーバーは昼食用に並べ替え。テーブルは、テーブルクロスのかけ直しの他、椅子にまでクロスを装着している。
それにしてもレストランの通常営業で使うテーブルだけでは足りないらしく、プラスチック製のテーブルを次から次へと出してきて、装飾する。どう見ても200席以上はあって、一体どんな大パーティーかと思った。
最後に終いにはドラム缶くらいの大きさのプラスチック製の樽を3つも持ってきて、その中にコーラやジュースのペットボトルをどかどかと入れていく。大パーティーだ。
そうこうしているうちにサンフラワーホテルのレストラン入り口にはボードが掲げられました。
「WEDDING RECEPTION of LINDA & NUWAN」
そして、12時近くなり、徐々に招待客が集まり始めました。
日本の披露宴の様に席は決まっておらず自由席の様で、各々好きな席に座っていく。
招待客はどうもほとんどがお互いの親戚。それも親戚も家族一同全員が招待されるようで、子供からじいちゃんばあちゃんまで、それこそ一張羅の服を着て、ピッと着席していた。
会場の広さや席の数を気にして、招待客をセーブする日本の結婚式の姿とは全く違って、なんかこれが結婚式の本来の姿なんだろうなぁとしみじみ。新しく家族になった自分の伴侶を一族に紹介するっていみでは、親戚の一部だけ招待するんじゃ意味無いですしね。
それこそ昔は、一族郎党が近所に住んでいたから当たり前だったんでしょうけど、今はいろいろな事情があってそうもいかないんでしょう。
会場の様子。このホテルはL字型に立てられており、建物に囲まれる感じにプールがあります。レストランは建物左側の1階に位置し、そのど真ん中に新郎新婦用の席やケーキが設けられていました。
プールの向こうに小さな小屋の手前が家族席でした。家族の席が招待客から一番遠くに配置されるのは日本と同じようです。
プールの向こうの小屋はDJ席!ターンテーブルもどき(レコードは回してない)を設置して、シーンに合わせた音楽を途切らすことなく流し続ける姿が面白かった。なんか、スリランカでもストリート系が流行っぽい。
リンダとヌワン登場
【主役到着!】
【バージンロード作成中?】
【主役が入り口にスタンバイ】
ロビーでじりじりと到着を待っていたゲストの気持ちもよそに、二人はなかなか車から降りてきません。
ロビーは臙脂色の床石が敷き詰められていて至って普通のホテルの雰囲気。入り口付近にまだツリーが飾っているのが少々違和感があるが(しかも常夏の国だし)、それ以外はなんの装飾もないシンプルな感じです。
会場もそうですが、ウエディング!という演出はお花とケーキくらいですかね。
招待客でもないくせにじりじりしはじめたところで、白い布の束を抱えたおばあさんがやってきました。
そして、車の前からバージンロードっぽい白い布を敷き始めたのです。
そのバージンロードですが、ロビーの真ん中くらいまで敷いたと思ったら、おばあさんは作業をやめてどこかに行ってしまいました。
その中途半端な状態のままで、あっさりと主役が車から降りてくるので驚いた。
花嫁さんの衣装はウエディングドレス。
スリランカの結婚衣装をちょっとだけ期待してしまったのでちょっとがっくり。サリーの衣装見てみたかった~。
そして、花嫁さんの入場~。
バージンロードが途中までしかないのに入場してきたのでびっくりしましたし、音楽が鳴るわけでもないし、歩き終わった場所に敷いてある布を慌てて回収して敷き直しているところを見ると、たぶんバージンロードではなくただ単にドレスが汚れない様に・・・という配慮のようです。
結婚式始まり。
【リンダとヌワン】
【ドレスが超かわいい】
【誇らしげなパパ】
【両親、家族に挨拶】
【招待客に挨拶回り】
【ダンスフロア】
立ったまま、座ったまま、肩を抱いて・・・とビデオカメラとスチルカメラで30分くらいに渡ってひたすら撮影会です。
その間、招待客はどうしているかというと、ご飯食べてました。
各テーブルにビール、コーラ、ジュースがどかどかと置かれ、そのうち魚のミンチボールなど、軽食系の食べ物が次々に運ばれてきます。それを各々が好き勝手に食べて飲んでお喋りして・・・。日本で披露宴に招待されると食事の途中で花嫁に駆け寄って話しかけたりしますが、そんなこと全くありません。
そのうち新郎新婦が席を立ち、用意されたビュッフェに向かい皿を取り上げました。
「食事するってことは撮影終わったのかなぁ」と思っていたら・・・席に戻って あ~ん ♪(*⌒0⌒)なんてしながら新郎に食べさせてるところを・・・やっぱり撮影してましたヽ( ̄▽ ̄)ノ
新郎新婦がビュッフェに手を付けた後は、招待客も食事に並びます。
みんな好き勝手に食事し、談笑し、子供などあっという間に飽きてうろうろし始めました。
このまま終わりなの~?と思ったところでここからが結婚式です。
まず、プールの脇にあるテント席までいき、新郎新婦の各ご両親、兄弟などに挨拶をして回ります。
お嫁に行ってしまうリンダのご家族に「ありがとう」の挨拶。お父さんもお母さんも涙目でした。
新郎の家族に挨拶した後は、順番に招待客の席を回ります。一つ一つのテーブルに時間をかけ、ゆっくりと話をして回っている。
日本では、披露宴の時は新郎新婦が雛壇に座りこけていて、両親がテーブルを回って「娘をよろしく」「息子をよろしく」なんて挨拶回りしてたり、招待された方が主役の席まで♪( *~∇~)ノ「おめでとーー」なんて言いにいって写真を撮ったり、そんな感じが多い。
でも結婚する二人のためにわざわざ時間を割いて出席して貰った訳ですから、こうやって本人が挨拶して回るのがスジの様な気がする。キャンドルサービスをしながらとか、お菓子を配りながらちらっと席るだけっていうのも雑な感じかも。
招待客も食事をしながら小一時間もずーーっと待っていた訳ですが、笑顔を絶やすことなく、抱き合い、お祝いの言葉を述べ、談笑する。全て周り切る頃は、披露宴開始から2時間以上回っていた。
ところで、挨拶回りの頃それまでのしっとりた音楽に変わり、BGMが徐々にアップテンポに変わっていきました。
まずはリンダの家族が、続いてヌワンの家族が、立ち上がってステージでだーーんすを始めます。ラテンのノリの明るい曲です。
♪L(L ̄o ̄)( ̄o ̄」)」♪L(L ̄o ̄)( ̄o ̄」)」♪ ♪(((*^-^)八(^∇^*)))♪
徐々に徐々に調子が上がったDJは、音楽を更にヒートアップさせ、終いにはヒップホップ系のダンスミュージックに!!
それからというもの特に若者が大ノリで一大ダンスフロアと化してしまった。
挨拶回りが終わったところで新郎新婦も乱入!!
┗(-_☆)┓キラッ┏(☆_-)┛キラッ┏(-_☆)┓キラッ┗(-_☆)┛キラッ
フッ┗(`ー´)┓┏(`ー´)┛フッ
踊り疲れるまで踊っていたようですが、その間に気が付いたら三々五々、招待客は帰途についていた。始まる時間も終わる時間も曖昧な感じ。<
そして、音楽もだんだんとスローに変更されていきました。
司会者がいるわけでもなく、誰かの形式張った挨拶があるわけではなく、派手な演出があるわけではなく、言ってみればお祝いの食事会です。
私の中では日本の披露宴が常識になっているのでいちいち驚いてしまいましたが、これが本来の姿かもしれません。
まあ、日本の場合は、「家と家との結婚」だったので、雛壇に飾っておくのが常識だったのかも。
それこそ招待客だって親が選んで親が招待していたわけですし。
おめでとうございます!!
☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆祝☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆
【プールサイドから見た会場の様子】
【ドルチェを頂きました:ちょっとウェットなドライフルーツとナッツのケーキ かなり甘いです】
披露宴はしご。夜の部の披露宴
【お城のケーキ!ええっと、披露宴はしごです(笑)】
【次はダリル】
【花嫁だけでパチリ】
【新郎新婦】
【音楽は生バンド演奏】
【ライトアップが綺麗な会場】
はい、終わったと思ったら次の始まりました。
日本の結婚式場でも休日は4連ちゃんなんて当たり前ですが、スリランカでは一つの会場でせいぜい昼の部と夜の部に分かれるのが精一杯でしょう。3日ってこちらの休日なんですかねぇ?(2008年1月3日は木曜日)
二つ目なので簡単にレポですが、夜のダリルさんとイスハニさんの披露宴は、全体的にお金がかかっていた。
飾り付けだけでも撮影する椅子の華やかさ、花の多さに加え、ライトアップのために電球が張り巡らされている。
音楽は生バンド(下手だったのが残念)。
音楽の演出に花火が使われたり、とにかくすごかった。
ただ可哀想だったのは、途中で雨が降り出してしまったこと。
かなり激しい雨で、しかも夜中まで降り続きました。
花嫁さんのご家族は大家族だったみたいで、プールの向こうの家族席に屋根が無かったのですが(テントに入りきらない)、雨と同時にバンドの演奏している小屋の隅に移動して食事をされていました。
ところで、生バンドですが、演奏するのはアメリカやヨーロッパのポップスばかりで、全てが英語でした。
ホテルでウエディングドレスで結婚式をするというのは、スリランカでも今時の風潮なのかもしれませんが、でも、英語が母国語でないので、どうしても上手じゃなくっって、きっとシンハラ語の歌の方が上手かったんだろうとそれだけが残念。(旅行者の勝手な希望。すいません)
プロだったらびっくり、お金払いたくないですけども(ギターとかもとちったりしてたし)、彼らの友達が演奏していたのかもしれないので、それはそれでいい演出だったと思います。
雨だったので、リンダさんたちの時のようにダンスとはいきませんでしたが、食事したり、挨拶回りをしたり、形式は全く同じでした。
あとはあれですね。ホテルの部屋を何部屋か確保していたみたいです。
ホテルの部屋が全然埋まってないので客のあたしが不安になっていましたが、ニゴンボの中級ホテルは、リゾート目的のお客の他にスリランカ航空のトランジット客や結婚式でそこそこ潤っているみたいですねぇ。
あらためて、おめでとうございます!!
☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆祝☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆
【上から会場を望む:ライトアップしていて綺麗でした】