ラダックの旅:標高5,360mのチャンラ峠を越えて。
パンゴンツォへの道のりは、山肌を縫うように走っていく。
ティクセでの朝の勤行見学を終え、我々は一路パンゴンツォに向かった。
途中のカルーまでは10年前にも通っているはずなのだが、すっかり舗装されて記憶の隅にもない光景が広がる。
カルーは北のパンゴンツォ方面と、マナリ方面へ抜けていく道との枝分かれ地点。
多くの旅人が交差するこの地には簡単な食堂や安宿が連なっており、我々もしばしのお茶休憩を取った後
北へと進路を向けたのでした。
カルーを抜けて5分も行かないうちに、チェックポイントが現れます。
目的地のパンゴンツォは中国との国境を二分している湖であり、この辺りのエリアへの立ち入りはデリケートなのだ。
ちなみにパンゴンツォに行くには事前に許可証を取得しておく必要があり、取得せずに向かおうとしても
これらのチェックポイントで容赦なく追い返される。
近年、この許可証の有無だけでなく、旅行形態についても厳しくなってきており、
ローカルバスで単独向かおうとしても、通行許可が下りなくなっているそうな。
許可証もe-VISAだと降りないという話もあるので、十分注意されたし。
ポリスポストの壁
チェムレ・ゴンパを過ぎて間もなくすると道路は片側が未舗装になり、
そのうちにすべてが砂利道となり、いよいよ僻地へ向かっている感が漂い始める。
人が居住している気配は消えていき、時々すれ違う軍用車に道を譲り譲られながら、 砂利道を少しずつ上がっていく。
以前、陸路でラダックを目指す旅人の定番ルートであるマナリからレーへの行路を通ったとき、
これぞヒマラヤ山脈!と言いたくなるような険しい山越えを強いられた。
山肌を縫うように走るワインディングロードを上りきったと思ったら、下りて、また上っては下り。
日本だったらトンネル掘って一気に通過するような山道を何度も行き来する。
狭い車道のすぐ脇は転げ落ちたらひとたまりのないような断崖絶壁で、よく見ると転げ落ちたとみられる
トラックや乗用車が下の方で転がっている。
こんななかなかにスリリングなドライブを1泊2日の行程で走破して、ようやくレーに到着するのだ。
(なんで1泊2日かって、やっぱ夜の運転は危ないんだと思いますわ。)
峠越えライダーのバイクに跨がる
山越えをしているような感覚は全くなかった。
おまけにやたらと軍用車が多い場所で車が止まったなぁと思っていたら、
そこがチャンラ峠であり、見た目は単なる山道の途中って感じ。
道路の真ん中にストゥーパが建ち、タルチョが掲げられているため、
かろうじて見分けられたという始末だ。
ちなみに往路は、大量の軍用車が休憩をしていたため物々しかったが、復路はがらんどう。
車も人も少なく、静かだったので、"峠"という単語にふさわしい雰囲気を醸し出していた。
チベット文化圏の峠では、真っ青な空を背景にして、静かにタルチョがはためいていている。
そんな姿を想像してただけに、いろんな意味で面食らったが、最終的な目的地である湖畔のメラク村は、
ひっそりと静かな最果ての地で、本当に行って良かったと思える場所でした。
シーズン終わりのギリギリのところで行けたのも、タイミング的にベストだったかも。
パンゴンツォやメラク村のレポートは次回に譲るとして、まずは峠越えの様子からどうぞ。
パンゴンツォの入口。湖の端っこだけがわずかに見える
チャンラ峠を越えてパンゴンツォまでの行程など。
標高5,360mのチャンラ峠
チベット文化圏では峠などには必ずタルチョ(お経が書かれた五色の旗)が掲げられています。 到着したときは軍の拠点や土産物屋、簡易トイレなども作られており、 軍用車が休憩していてごちゃごちゃした雰囲気でしたが、 こんなところで峠越えしてきた日本人ライダーに出会ったりして、旅とは面白いモノです。
当然ガススタとか途中にないので、ガソリンは積んで旅するそうな。 興味がある方はレーでレンタルできますよ。
野生のマーモットが餌付けされて人間慣れ
道中では、放牧されているヤクやパシュミナ山羊など、日本では見ることのない動物を見ることができるし、 チャーター車だから止まって近づくことも可能です。
インド:ラダック旅行に行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。
旅行時期:2018年9月
1ルピー=約1.7円
1ルピー=約1.7円
■交通:チャーター車 14,500ルピー/台(チップ400ルピー別)
■成田-デリー航空券 直行便で燃油サーチャージ込み90,000円前後~。
デリー-レー航空券 片道8,000円くらい
ラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット
ラダックについて最も詳しく書いてあり、なおかつ新しい書籍がこれ。 地球の歩き方の別冊シリーズの一つで、これがあればインドの中のチベット世界へ行くのにかなり役立ちます。 重いのでコピーしたけど。
ただし、旅先はラダックだけではなかったので、地球の歩き方インドとロンプラの該当ページを持参した。
ロンプラは公式サイトからジャンムー&カシミール州のみ購入しました。
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