ラダックの旅:レーからアルチまでチャーター車で下ラダック観光
スピトク・ゴンパに参拝客用においてあった金平糖と飴。多分お供えのお裾分け。
ラダックの地域を分類するとき、レーを起点に東側の地域を上ラダック、西側の地域を下ラダックと言います。
下ラダック方面はレーより標高が下がっていくので、高地慣れのためにもちょうどいいのです。
とにかく滞在中に何でも見たい!という人は下ラダックの最奥地のラマユルゴンパまで向かうようですが、
寄る年波を自覚している我々は、前日からダイアモックスを服用したり、慎重に慎重を重ねて計画しており、
最終目的地を60kmちょい離れたアルチ・ゴンパとし、朝の10時頃にのんびりと出発することにした。
【レー周辺のラダック地図:風の旅行社のイラスト地図の方が見やすいです。】
スピトクゴンパの一部
このゴンパはレーから5kmくらい。レー空港の滑走路のすぐ先にあるため、ゴンパからインド空軍基地や飛行場が見渡せます。
立地が立地なので、目の前を旅客機や軍用機がぶんぶん飛んでいきます。
だから、地元の参拝客もスマホ片手に飛行機の写真をバシャバシャ撮りまくり。
インドの空港や線路は撮影不可です。
レー空港でもスマホで気軽に写真を撮っていた乗客がこっぴどく叱られていたくらいで、 だから、こんなに滑走路と軍事基地が丸見えのこのゴンパで、カメラ持ち込んでいいのかと考えてしまう。
ワタクシ10年ぶりのラダックなんですが、10年でものすごい軍事基地増えているんですよ。
隣の中国の台頭のすさまじさを感じるわけですよ。
その一方でgoogle mapで普通に航空写真が写ってるからあんまり意味がない気がしますけど、
とにかくこの寺院に来ると、ゴンパの参拝よりも飛行機の印象が強く残ります。
ここはチャーター車じゃなくても、バスとか徒歩で散歩とかで気軽に個人でこれますので、
レー滞在中、散歩(ハイキングか?)がてらにのんびり来るのもお薦めです。
サスポールのニダプク石窟の壁画
15~16世紀に100を超える石窟が作られましたが、今まともに見られるところは数少ないようで、 下ラダックに行く場合は立ち寄っておきたいところです。
サスポール村は杏の花でも有名で、シーズン中は花目当ての日本人が増えるとか。
杏の花といえばパキスタンのフンザのイメージでしたが、ラダックもだったんですね。
のんびり時間をとれるようになったら、そういう旅もしてみたいものだ。
ところで、ラダックではゴンパなどの僧院は高いところにどーんと構えていることが多いですが、ここも同じ。
ザリザリとした砂利の山道を、一歩、一歩踏みしめながら登らねばなりません。
普段ならなんてことない傾斜と距離ですが、これが高度3,000m超で、高地に来た翌日となるとかなりきつい。
後ろ手に手を組みながら、ひょいひょいと坂を登っていく運転手のチョクラの背中を見ても、
もはや「ついて行こう」という気にもならず、ぜえぜえと息を弾ませながら、ゆっくり登り切ります。
「昔、ラダックとかスピティ来たとき、こんなに息が上がったかなぁ」と若干自分の体力の衰えを感じつつ。
サスポール村の次は最後の目的地のアルチ僧院。
そして、そのすぐ近くにある民家併設のお堂「ツァツァプリラカン」を見学して終わりです。
アルチは13:00~14:00がお昼休みで、その間昼食を食べて時間を潰してからの見学。
ツァツァプリラカンに至っては管理人のおばちゃんが不在で見学しそびれそうになりましたが、
しばらく待っていたら、リンゴの収穫から戻ったおばちゃんとバチンと目が合い、程なく見学できました。
運転手のチョクラ(チベット人)
「インダス川ってインドを通ってたの?!」って感じです。
聞けばインダス川の起点はチベットで、インドを通ってパキスタンに流れて行くんですと。いや~知らなかったわ。
学校で習ったインダス文明は今のパキスタン周辺のことであって、だからインダス川もパキスタンを流れる川という認識しかなかった。
誰もが歴史の授業で習い憶えていた川沿いを巡る旅だったこともあり、
特段面白みのあるハプニングはなかったけど、印象深い小旅行となりました。
ま、この後、レーに帰っていろいろありましたけど、それはまた別ページで。
左:ザンスカール川とインダス川の合流地点、右:インダス川(アルチ僧院の目の前)
ラダック:下ラダック観光写真いろいろ
レーから近くて行きやすいスピトク・ゴンパはインド人が多かった
意外だったのは外国人よりもインド人、それも観光客と言うより近所の方がお参りに来たという体だったことです。 サリーを着たインド人女性や家族連れが一杯でした。仏教徒なのかヒンドゥの神様を祭ってあったのかなと。
お布施も多く、油もずらりと並んでいましたが、さすがにお菓子はお坊さんだけでは食べきれないのか、 参拝客用においてあって、みんなでポリポリです。
サスポール村のニダプク石窟
一見何もなさそうな小さな村に車を止めた運転手のチョクラ。「あれがお寺だから」と指さす方向には何もなく、目の前には砂利の小山がそびえ立つ。
「どうやって行くの?」と戸惑う我々をチョクラが先導して歩いていきました。
入口を入ると、思わす「わーー」と声が漏れてしまうくらい見事に壁面に仏陀が描かれいて、 一人で修復作業をしていたおじさんが我々のために中を空けてくれた。
どこぞから修復資金を出してもらっているようで、そのお金を元におじさんが画材を買い、細々と修復しているらしい。
現存する石窟壁画は一つだけという話もあるので、ここを保存しようとしているみたいです。
[左の山の写真と、ファンドの看板の写真はクリックで拡大します。]
アルチ僧院はさすがのクオリティ(写真はロークオリティ・・・)
下ラダック観光で行かない人はいない有名なゴンパがアルチです。インダス川沿いにあり、他のゴンパのように山を延々と歩いて登る感じではありません。
一見地味で何の変哲もない気がしましたが、お堂に入って壁画の見事さに驚きました。
自然光が入ってうまく写真はとれないんですけど、曼荼羅も見事です。
砂曼荼羅は触ってしまう人がいるからかプラスチックケースでカバーされていました。
(数日後に行ったへミスではボロボロに崩れていた。)
レーからここまで一気に来たとして、大体2時間半くらいの行程だそうです。
民家併設のお堂「ツァツァプリラカン」
アルチ僧院の入口付近から小さな川を渡り、少し山を登ったところにある民家併設のお堂。チャーター車で来た外国人が時々訪れるだけのようで、我々が行ったときも アルチで20人はすれ違ったのに、その誰もが素通りしていた感じだ。
併設の民家の住民が鍵を管理しており、住民が留守だとみることができないが、 これだけのお堂を周辺の村人だけで管理しているかと思うと頭が下がる。
日本の小さな神社とかお寺を思い浮かべました。
おまけの写真いろいろ
バイクに二人乗りして走るシーンを撮っていたり、景色を撮るために車をしばらく停止させられたりした。
下右二つはアルチの食堂で飲んだフレッシュ杏ジュース。
杏とほんの少しの水をミキサーで粉砕して作っているようで(水はなめらかにするため)、 超濃厚でおいしいです。これは日本では飲めないわ~。
インド:ラダック旅行に行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。
旅行時期:2018年9月
1ルピー=約1.7円
1ルピー=約1.7円
■交通:チャーター車 4,400ルピー/台(チップ400ルピー別)
■観光:アルチゴンパ拝観料 50ルピー/人、お寺への寄付 200ルピー
■食事:アプリコットジュース 110ルピー/杯、昼食4人分 1,060ルピー、夕食 1,510ルピー
■宿泊:ジグギャスゲストハウス 1,500ルピー/室
■成田-デリー航空券 直行便で燃油サーチャージ込み90,000円前後~。
デリー-レー航空券 片道8,000円くらい
ラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット
ラダックについて最も詳しく書いてあり、なおかつ新しい書籍がこれ。 地球の歩き方の別冊シリーズの一つで、これがあればインドの中のチベット世界へ行くのにかなり役立ちます。 重いのでコピーしたけど。
ただし、旅先はラダックだけではなかったので、地球の歩き方インドとロンプラの該当ページを持参した。
ロンプラは公式サイトからジャンムー&カシミール州のみ購入しました。
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