中級ホテルのバルコニーからインドの町をのぞき見る。
チェンナイ発の寝台列車がハイダラバードに到着したのは早朝7時。まず宿探しだ。
安宿を目指したいところだが無理矢理弟を連れてきた手前、罪悪感で中級クラスにチェックイン。
新市街の大通り沿いにある24時間制の「PARK HOTEL」にチェックイン。エアコンなしのツインで一泊Rs.300(約\900)。
当時は田舎の町なら中級ホテルで300ルピーで泊まれたのだ。
宿は駅から徒歩5分ほどで、ホテルの真下はバス停が固まっていた。交通の便は非常によいところだった。
部屋は町が見渡せる4階でバルコニー付き。この日は列車の旅疲れもありほとんど宿でだらだら過ごしていた。
天井からのファンの風が気持ちよく、昼近くまで寝ただろうか。
「ねえちゃん見てみて!すごいよ~。」
促されるままにバルコニーにでてみてびっくり。真下に停まっている一台のバスにものすごい数の人々が群がっている。
押し合いへし合い、まるでバスと格闘しているかの様だ。こんな状況日本で見たことない。
インドのバスはとても混でいるとか、窓から空いた座席に荷物を投げ入れて横はいりするヤツがいるとか、
それどころかバスの側面をよじ登って窓から乗り込む人もいると言うが、そんなバス見たことなかった。
いまいち想像できなかったが、なるほどこういうことだったのか。
入り口から無理矢理入り込む人はよい。入口の枠にぶら下がって乗り込もうとがんばるのもまあありだろう。 しかし、バスは動いているというのに窓から入り込む器用な人もいて、「そんなことしても大丈夫なんだろうか?」と見ているこちらがハラハラしてしまう。
そして、そんな状況に運転手も負けてはいない。
このまま行けばきっと屋根にも乗りかねないなと思ってるからか、きりがないからか、窓枠にぶら下がってる危ない人までいるのに運ちゃんはかまわず走り出す。
乗客もそんなことでは諦めない。
握力の限界が来て窓枠から振り落とされても、気合いで猛ダァッシュ!!
何十人という人々がバスに突進し、またもや窓枠にぶら下がるんである。
こうなると運ちゃんもバスを止めざるを得ず、そうすると正当に入り口から乗り込もうとする連中もまたでてきて。。。これを何度となく繰り返す。 運ちゃんが勝つか、乗りたい執念が勝つか。
写真はこれら一連の行為が2回ほど行われた後の光景である。
最初にバスが止まったところから同じことを繰り返しながら20メートルほど進んだとこ。
きっと乗客の数に対しバスの本数が少ないんだろうけど、毎朝これを繰り返すことを考えると通勤もうんざりだ。
さすが人口が10億もいる国である。
バスぎゅうぎゅう事件をひとしきり見学してしばらくすると、またもやバルコニーに出ていた弟よりお声がかかる。
「なんかあの車トラブってるみたいだよ」
見下ろすと、ホテル敷地前に一台の赤い車が止まっていた。
そして、そのくるまのそばに挙動不審な男が二人。盗みにしては人通りが多く、あからさま過ぎる。
中をのぞき込んだり、ドアノブを引っ張ったり、運転席、助手席、後部座席そしてハッチバック。すべてのドアを確かめ、ハーっとため息。
・・・鍵閉じこんだな?
まさかインドにJAFはないだろう。ご当人は大変だろうが、一部始終を見学させてもらう。
古いタイプの車だったので、ちょっとやんちゃな兄ちゃんなら簡単に鍵を開けちゃうくらいのレベルだ。
まず、彼らはホテルの守衛を呼んできた。彼らもこのホテルの宿泊客かレストランの客のどちらかである。
守衛も鍵を開けるのが専門ではない。車についたすべてのドアノブを引っ張って確認しただけ。
いやいやいや、力任せに引っ張って開くくらいならとっくに開いてるし。
力任せでは無駄だと思ったのか、ホテルからなにやら細い棒のような定規のようなものを持って出てくると、
窓枠の上部(屋根側)のゴムの隙間からつっこもうと試みる。
それをやるんなら窓ガラスとドアの隙間につっこんで鍵に引っかけないとだめでしょう。
(今の車はこんなことできないので、意味わからないかもですけど。)
最後に彼らが取った手段を見たときは、ごめんなさい。思わず大爆笑してしまった。
なんと、ホテルからバールを持ち出して、後部座席後ろのハッチバックの小窓についた窓ガラスを外してしまったのだ!
・・・すごい発想だ。さすがにそれは思いつかなかったよ。
写真ははずした窓を一生懸命に元の状態にはめ込もうとしているところ。
元の状態とまでは行かないまでもなんとかガラスをはめこんだ彼らは、さっそうと街に消えてゆきました。
正直、走っている間に窓が落ちて「ぱりん!」と割れたと確信してます。
ところで、昼間は楽しませて貰ったホテルですが、この日の晩はこのホテルに宿泊したことを心の底から後悔した。
中途半端なレベルの宿は、ノンエアコンルームは暑くて死ぬ・・・ということです。
昼間灼熱の太陽に照らされたコンクリートの固まりは夜中になってもその温度が下がらず。部屋を見事に保温してくれます。
バルコニーに出れば涼しくて快適なのに、部屋は地獄。天上のファンは暖かい空気をかき回すだけでちっとも役に立たず。
シャワーの水を浴び、タオルで拭かずにベッドに戻り、また暑くなってシャワーを浴び・・・ということを繰り返しました。
特にこの季節にインドに行く方は中途半端にお金をケチらずエアコンルームに泊まることをオススメします。
エアコンでもエアクールなんてものがあるので、ちゃんと涼しくなるかどうかはしっかり事前に確認を。
安宿を目指したいところだが無理矢理弟を連れてきた手前、罪悪感で中級クラスにチェックイン。
新市街の大通り沿いにある24時間制の「PARK HOTEL」にチェックイン。エアコンなしのツインで一泊Rs.300(約\900)。
当時は田舎の町なら中級ホテルで300ルピーで泊まれたのだ。
宿は駅から徒歩5分ほどで、ホテルの真下はバス停が固まっていた。交通の便は非常によいところだった。
部屋は町が見渡せる4階でバルコニー付き。この日は列車の旅疲れもありほとんど宿でだらだら過ごしていた。
天井からのファンの風が気持ちよく、昼近くまで寝ただろうか。
「ねえちゃん見てみて!すごいよ~。」
促されるままにバルコニーにでてみてびっくり。真下に停まっている一台のバスにものすごい数の人々が群がっている。
押し合いへし合い、まるでバスと格闘しているかの様だ。こんな状況日本で見たことない。
インドのバスはとても混でいるとか、窓から空いた座席に荷物を投げ入れて横はいりするヤツがいるとか、
それどころかバスの側面をよじ登って窓から乗り込む人もいると言うが、そんなバス見たことなかった。
いまいち想像できなかったが、なるほどこういうことだったのか。
入り口から無理矢理入り込む人はよい。入口の枠にぶら下がって乗り込もうとがんばるのもまあありだろう。 しかし、バスは動いているというのに窓から入り込む器用な人もいて、「そんなことしても大丈夫なんだろうか?」と見ているこちらがハラハラしてしまう。
そして、そんな状況に運転手も負けてはいない。
このまま行けばきっと屋根にも乗りかねないなと思ってるからか、きりがないからか、窓枠にぶら下がってる危ない人までいるのに運ちゃんはかまわず走り出す。
乗客もそんなことでは諦めない。
握力の限界が来て窓枠から振り落とされても、気合いで猛ダァッシュ!!
何十人という人々がバスに突進し、またもや窓枠にぶら下がるんである。
こうなると運ちゃんもバスを止めざるを得ず、そうすると正当に入り口から乗り込もうとする連中もまたでてきて。。。これを何度となく繰り返す。 運ちゃんが勝つか、乗りたい執念が勝つか。
写真はこれら一連の行為が2回ほど行われた後の光景である。
最初にバスが止まったところから同じことを繰り返しながら20メートルほど進んだとこ。
きっと乗客の数に対しバスの本数が少ないんだろうけど、毎朝これを繰り返すことを考えると通勤もうんざりだ。
さすが人口が10億もいる国である。
バスぎゅうぎゅう事件をひとしきり見学してしばらくすると、またもやバルコニーに出ていた弟よりお声がかかる。
「なんかあの車トラブってるみたいだよ」
見下ろすと、ホテル敷地前に一台の赤い車が止まっていた。
そして、そのくるまのそばに挙動不審な男が二人。盗みにしては人通りが多く、あからさま過ぎる。
中をのぞき込んだり、ドアノブを引っ張ったり、運転席、助手席、後部座席そしてハッチバック。すべてのドアを確かめ、ハーっとため息。
・・・鍵閉じこんだな?
まさかインドにJAFはないだろう。ご当人は大変だろうが、一部始終を見学させてもらう。
古いタイプの車だったので、ちょっとやんちゃな兄ちゃんなら簡単に鍵を開けちゃうくらいのレベルだ。
まず、彼らはホテルの守衛を呼んできた。彼らもこのホテルの宿泊客かレストランの客のどちらかである。
守衛も鍵を開けるのが専門ではない。車についたすべてのドアノブを引っ張って確認しただけ。
いやいやいや、力任せに引っ張って開くくらいならとっくに開いてるし。
力任せでは無駄だと思ったのか、ホテルからなにやら細い棒のような定規のようなものを持って出てくると、
窓枠の上部(屋根側)のゴムの隙間からつっこもうと試みる。
それをやるんなら窓ガラスとドアの隙間につっこんで鍵に引っかけないとだめでしょう。
(今の車はこんなことできないので、意味わからないかもですけど。)
最後に彼らが取った手段を見たときは、ごめんなさい。思わず大爆笑してしまった。
なんと、ホテルからバールを持ち出して、後部座席後ろのハッチバックの小窓についた窓ガラスを外してしまったのだ!
・・・すごい発想だ。さすがにそれは思いつかなかったよ。
写真ははずした窓を一生懸命に元の状態にはめ込もうとしているところ。
元の状態とまでは行かないまでもなんとかガラスをはめこんだ彼らは、さっそうと街に消えてゆきました。
正直、走っている間に窓が落ちて「ぱりん!」と割れたと確信してます。
ところで、昼間は楽しませて貰ったホテルですが、この日の晩はこのホテルに宿泊したことを心の底から後悔した。
中途半端なレベルの宿は、ノンエアコンルームは暑くて死ぬ・・・ということです。
昼間灼熱の太陽に照らされたコンクリートの固まりは夜中になってもその温度が下がらず。部屋を見事に保温してくれます。
バルコニーに出れば涼しくて快適なのに、部屋は地獄。天上のファンは暖かい空気をかき回すだけでちっとも役に立たず。
シャワーの水を浴び、タオルで拭かずにベッドに戻り、また暑くなってシャワーを浴び・・・ということを繰り返しました。
特にこの季節にインドに行く方は中途半端にお金をケチらずエアコンルームに泊まることをオススメします。
エアコンでもエアクールなんてものがあるので、ちゃんと涼しくなるかどうかはしっかり事前に確認を。