中国ガン 林建良
日本で地域医療に携わる傍ら台湾独立を目指す著者から見た中国。
中国が内包する問題から、台湾、日本が取るべきことなどを提言する。
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この本のレビュー
台湾で生まれ育ち、医学生として日本に留学し、日本で医療活動を行う傍ら、台湾の独立に向けての様々な活動をしてきた著者による中国ウォッチ。
この方の書いた中国関連本では、「日本よ、こんな中国とつきあえるか?」を読んだが、
その前作の衝撃から比べると自分にもいくらか中国への関心と知識が加わっているため、
特に最初の方はまどろっこしい感じがした。
中国をがん細胞にたとえ、どういうところががん細胞とそっくりなのかということを 医者らしい論調で書かれているが、それが少し読みにくいかんじ。
ただ、中国の悪いところばかりをあげつらっているのかとおもったのだけど、
だんだんと中国の中で体勢と戦い続けている人たちの紹介がでてきて、
きっとそういう活動家の人たちのことは日本でも小さく報道はされるのだろうが、
日本のメディアは中国に気遣ってあまり大きく取り扱わないので、見逃していたのかも。
特に天安門事件で子供を殺された母親が政府への抗議活動を中国国内で展開していることなどは、すごいと思った。
私はこの方の前作で、台湾でも反日教育が行われている事実を知ったわけだが、
李登輝政権で台湾はがらりと変わり、台湾人としての歴史なども教えるようになっていたはずです。
それが先日の台湾の教科書改訂で(台湾は6年に1回教科書を見直すんだって)、
高校の歴史教科書から白色テロの記述をなくしたり、原住民の記述を大幅に減らしたり、
スペイン、清、日本など、過去に台湾は様々な国に侵略されてきましたが、
なぜか日本だけを「植民統治」と書き換えたり、とものすごい改定をしたそうで、
そのことを特に南の民進党を指示する地域では、この教科書を使わない!と猛反発していると新聞の報道を読みました。
でもこういう記事に目を向ける日本人って少ないんだろうなぁ・・・。
台湾が馬総統の元でどんどん中国化を謀っております。
清の時代を植民統治と書かないのは、中国の一部だと台湾がおもねっているわけで、
白色テロを削除するのは、国民党に都合が悪いからだろう。
「日本の歴史から大東亜戦争を消すような物だな。」とはうちの家族の感想。
白色テロの事実があると言うことで、外省人、内省人の間でのいざこざがあったりするのかもしれないけど、白色テロで迫害された世代がまだ存命なのになぁ。
中国に対抗しえる国はアジアでは日本しかなく、そのために日本は台湾との関係も改善すべきだ!という提言で終わっている本ですが、
国交がないが故に民間での交流にも限界があり、そのためにもせめてアメリカのように
台湾関係法を作ればよいのだという。
沖縄と台湾の漁民の間で尖閣諸島周辺の海域での漁業の問題でもめてますけど、
役人が勝手に「ここまでは台湾も入ってきて魚をとっていいよ。」と決めたはいいけど、
実際のところは民間にまるなげで、結果、漁法も違うし、そもそも違反したときの罰則もないし(ってことは勝手に領海外に来ますよね。)、沖縄は困っているという話もあった。
これも要するに台湾との中途半端な関係がこういうことを起こしているのだと思う。
今の政府は北方領土や拉致問題にばかり目を向けているように思えますが、
台湾との関係もちゃんとしてほしいですね。
せめて、台湾の政権が中国べったりじゃなくなるといいんだけど。
誰かが「馬総統は中台統一をやって、自分の名前を歴史に残したいだけ。」とかゆってたな。
でも、日本の植民統治はまー事実だから仕方ないと思うけど、
そして他国の教科書に首を突っ込むのは内政干渉だと思うけど(だから韓国、中国は黙ってほしい)
でも白色テロを消しちゃうのはちょっとびっくりだな~。
ある意味、中国が天安門事件を抹消したのと同じだ。いやはや。
林先生(著者)はどうおもっているのかなぁなんて思ったりした。
タグ :
中国
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