中国の言い分 鈴木秀明
ネットでの情報発信でおなじみのサーチナで記事配信をしている著者が、
日本人が理解しがたい中国の言動の背景を冷静に説明している。なるほどと思えた。
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この本のレビュー
ネットでニュースなどを読んでいて、リンクをたどっていくとしばしばサーチナの記事に行き当たる。大手新聞などと違い、どういうサイトなのかがよくわかっていなかったが、
そのサーチナのメディア事業部の編集主幹をしている著者が書いた本。
中国に関する本は一方的に中国との共存を賞賛したり、はたまた中国を非難したりといった
極端に偏っている意見の方がセンセーショナルで取り上げられやすいし、
日本のニュースではしばしば中国の強硬姿勢ばかりをクローズアップするので、
中国を理解しがたく、へりくつで主張を変えてくる国だと思えてしまう。
特にニュースで街頭インタビューをしている時などは、政府の意見に同調する様な
若者ばかりが写されるし、結果的に中国の悪い印象しか頭に残らない。
しかし、中国には中国なりの言い分があり、こういう背景があるからこういう姿勢をとるのだ
ということを冷静に語っているので、こちらも聞く耳をもつというか、なるほどと思わせた。
領土問題でも中国は長いこと周辺諸国の宗主国であって、そういう意識が強いので、
突然、西洋人が決めたルールで主権国家を主張されても受け入れがたい。
他の国は主権国家として独立もしているし、昔は昔、今は今と思っているけども、
中国は「なんで西洋人が決めたルールに従わないといけないだ」と思っていると。
でも他の国にとっては、今更昔のこと蒸し返すなよ。ってわけで。
チベットの問題にしても西側は「中国がチベット人を弾圧している」という言い方をしますが、
チベット人からしてみると、中国の一部であることはある程度容認しているが、
思想や信仰を含め、チベット民族の高度な自治を認めてくれという話っぽい。
テレビのニュースでダライラマ法王がそういう発言をすると、「ほんとかな?」と思ってたけど、
チベット人は独立した方が幸せになるのだというのは西側の勝手な思いこみなのかもと、
考え方を改めたりもした。
一方的な見方だけでなく、他方からも見るコトって大事かもと思わせた本。
結構、ためになりました。
だからといって、歩み寄りすぎると足下をすくわれるのであれですが。
うまくつきあえる様にいろいろ研究して欲しいです。
(うまくつきあうというのは仲良しになるという意味ではないです。)
タグ :
中国
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