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ホーム > 歴史・国際関係 > 中国人がタブーにする中国経済の真実 石平/福島香織

中国人がタブーにする中国経済の真実 石平/福島香織


中国在住のフリージャーナリストの福島香織氏と元中国籍の評論家の石平氏の対談。
2011年に体制交代前の中国の状況をさらっとおさらいしつつ、読みたい。

この本のレビュー

元産経新聞の記者で現在中国在住で活動をしているフリージャーナリストと、
天安門事件当時、中国の民主化のために立ち上がった当事者でもある 石平氏の対談。

中国を調べ尽くした?お二人が今の中国で起こっている出来事をふまえて、
今後、どのようなことが起こりうるかを二人の視点で語っている。

2011年に対談し、2012年初頭に出版されたため、少し内容は古いところがあるが、
逆にまだまだこれから起こりえる複雑な事情も含んでいるので今読んでも参考になる。
ただ、中国の政治家の政治闘争については細かいところは興味がないので、
そのあたりはだーーっと斜め読みしつつ、このとき権力闘争のまっただ中にいた人が
何人か失脚したな~、なんて思ったりもした。(はくきらいとか。)

個人的にすごく恐ろしいと思ったのが、台湾の馬英九のくだりです。
馬氏はとことん親中の人ですが、中国からしてみたら赤子の手をひねるように
簡単に落とせるようなだめな政治家らしい。
このほんの出版時点では馬政権はまだ1回目だったのですが、次に彼が通ったら危ない というようなことを書いていて、実際馬が選挙に勝ってしまったので、 ひえ~、っとちょっと恐ろしくなった。

習近平にしても馬にしても政治家としては実力もカリスマ性もないが、
それ故に中台統一を平和的にもっていって、ノーベル平和賞でももらおうという
もくろみくらいあるかもしれない。という。

この前台湾に行ったときも馬総統は冗談じゃなく、相当国民にバッシングされてたし、
日本では報道されないけど、日本に対してまた強気の発言していたみたいで、
馬を支持しない人たちは相当怒り狂っていました。

対してそういうことに興味がない人は「別に政権がどこになろうと自分たちは自分たちなりに過ごすだけ」とあっさりいってましたけども、そういう人は中国大陸の観光客がびっくりするくらい田舎にまで入ってきていて、それでお金を儲けていたりするわけで、
「台湾はすでに経済的には中国に取り込まれている」という二人のせりふを前回の旅行を想像しながら、そのとうりだなぁと・・・。
(中国人観光客用のバカ高い宝石店が田舎の駅前にあったりするのよ。
 あれはびっくりしましたよ。「あいつら2倍の値段がついてても平気で買ってく。」だって。)

台湾の人たちは経済的に交流するのはまーいいけど、それ以上はイヤって思っていて、
でもそううまく事が運ぶかどうかっていうのが微妙なとこに来ているのをこの目で見たので、
最悪のシナリオは台湾の次は尖閣、そして次は沖縄か~と。

唯一ほっとするのは、この対談がでた頃と日本の政治が変わったことです。
あー、民主党でなくなったのが唯一の救いでした。
しかも中国が一目置いている安倍首相です。

ところで中国の新聞はしょっちゅう「日中交戦!」とかあおり立てる記事を書きますが、
こういう記事を書くと庶民が喜んで新聞が売れるからなんだそうです。
ただ、実際に戦争となると兵士の志気も悪いし、アメリカに勝てるわけもないからやりたくない。
となると海に出るのが一番手っ取り早いから海洋国家を目指している。

その上で一番平和的に奪還するチャンスがあるのが台湾と尖閣で、
とくに日本は外交下手なので脅せばとれるかもっていう思惑があると。
日本人は性善説を信じてしまう国民性なので、日中友好とか言われるとだまされますが、 いい加減、政治家も国民も日本人とは考え方が違う外国人だってことを わかんないとだめですね~。

ちょっと恐ろしくなりました。いろんな意味で。


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