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ハッタ島でシュノーケリング3:た、竜巻到来?!

ハッタ島に大きな雨雲が近づく
【ハッタ島の表から、裏から雨雲がぐんぐん近づいてくる】
ゆらりと波に揺られるたびに揺り起こされる気持ち悪さと格闘しながら、なんとかランチを終えた30分。
ヨガの呼吸法で船酔いは吹っ飛ぶと教えて貰ったことなど思い出し、記憶をたどって「ふーーーっ」っと深呼吸。
その上これから海で泳ぐなんてあたし大丈夫なのかしらん?

船頭さんを含め、この舟に同乗している人たちはみんなぴんぴんしていて、フランスの親父など、あろう事か、
ものの5分でランチを終えると、再びどぼんと泳ぎに行ってしまった。どこまで元気なんだ。

私が必死の思いで食事を終えた頃、船頭さんがそわそわと舟の上を行ったり来たりし始めた。
彼の目線をたどってみると、遠くの空に真っ黒い雲が見える。
「ね、もしかして、あれって雨雲じゃない?」
思わず出たのは日本語だが、表情と態度で言わんとしていることは伝わったようで、コクリと頷く彼。
彼に倣って辺りをぐるっと見渡すと、北の彼方の空からつーーっと筒状の雲が海上に何本も落ちていた。

「えっ?え?竜巻とかそんなヤツじゃないの?いっぱいあるよ~」

水平線の向こうからやってくるスコールの襲撃と竜巻雲。どちらも初めての経験でコーフンしっぱなし。
「うおー、すげー」と騒ぎ出す我々をよそに、船頭さんは必死に目をこらしキョロキョロと辺りを見回していた。

「さすがプロ。ああやって雲の動きでも読んでいるのだな」と勝手に解釈した私。
船頭さんはキョロキョロと辺りを確認すると舟をすこーし移動させ、再びキョロキョロと見回し始めた。
まるで何かを探しているような動きだ。

「ねぇ、フランス親父、飛び込んだっきり戻ってきてないんじゃないの?」
「まさか~。中にいるよ。」(←我々は屋根の上にいた。)

舟の中に親父はいなかった。しかも、連れのおばちゃん。船内で爆睡!アンタの旦那、行方不明よ?!

屋根の上から必死に背伸びで探し始めたのだが、太陽が隠れたせいかさっきまで群青色だった海は
真っ黒に近い色に変わり、黒髪の人間の姿は確認しづらい。

「あ、いた~!!」

数十分後、見つけた彼の背後には竜巻雲がびよ~んと伸びていて、まさに飲み込まれる寸前って感じ。
そのあまりの滑稽さにこらえきれず、爆笑してしまった。シュールすぎる。おっさん、呑気すぎ!
船頭さんは船頭さんで「ヒュイルル~。」っと必死に口笛を吹いているし。呼んでるつもりなんだろな~。
隣で聞いている私の横で音がかき消えてますって。波の音が大きすぎて、絶対、聞こえないってば。

「お~い!」「ヒュイルル~。」「お~い!」「ヒュイルル~。」

呼んでもちーっとも気づかない親父に業を煮やし、舟をそろそろと近づけていった。
舟との距離が15mくらいなったところで、ようやく親父はサンゴ礁から目を離し、舟の存在に気が付いた。

「後ろ、後ろ!」

すばやくフランス親父を回収し、舟を島影に移動させたその直後、ざざーーっとスコール。
親父を襲ったハリケーン雲は南に抜けていったのだが、今度は西から大きな雨雲がやってきたのだ。

島影で待機すること1時間。ようやく雨脚は弱まり、海況も落ち着き始めていた。
「さあ、バンダに帰るのかな?」という私の期待をよそに船頭さんは「シュノーケリングする?」とひと言。
「ここじゃイヤだ。サンゴ礁のとこまで舟を動かしてくれよ。」
って、ミハイルあんたも元気やね・・・。もう、あたしうんざりなのに~。

内心、帰れないことに心底がっくりきていたが、そうわがままも言ってられない。
海の向こうに消えてった彼らの後を追い、どぼんと海に飛び込んだ。
だって、舟の上で揺られてる方が、余計に酔いそうなんだもん。

どんよりと沈んだ空に反して水の中は心なしか澄んでいて、サンゴ礁がくっきり綺麗に見えた。
「舟の内側じゃなくて、外側を泳ぐんだよ」と船頭さんのゼスチャー混じりの言葉の通り、
リーフエッジの内側は海流がきつく変化しており、蹴っても蹴ってもなかなか前に進まなかった。
たったの1時間で、透明度も水の流れも、水温も天気も何もかもが変わってしまったのはかなりの驚きだ。

およそ1時間半。ミハイルの気が済むまで泳いだところで、ようやくバンダネイラに戻れることになった。
舟が外海から島の陰に来るまで小雨と揺れは続き、気を利かせてしめられた舟の扉が密閉空間を作り出し、
外の空気を吸えない私は、やっぱり船酔いに苦しみ続けることになり、さんざんである。
もう、遠くまで小舟で出かけるのはこりごりだ。
考えてみるとインドネシアで舟に乗ると、大小問わず必ず船酔いしている。(←つまり学習しない。)

バンダネイラに戻ると今日の顛末をウチュに報告すると、彼はポカンとした顔でこういった。

「え?バンダは晴れてたよ。ほんのちょっとは降ったけど、すぐやんだ。」

つ、つまり今日のうちらはピンポイントでやられたワケね・・・。

デルフィカの親父に至っては、会った途端に「ハッタ、ハッタ。ガハハハ。」と指差して笑い出す始末。
親父!!ボートに誘ってきたのはおまえだろ~。

どうも今回の天候の変化は滅多にないことだったっぽい。
北から来た雨雲と西から来た雨雲がきれーにハッタ島の上を通っていったからね~。しかもほぼ同時に。
おまけに真っ黒い雲の中にも鬼の角みたいな形の竜巻雲が大小取りそろえて沢山あったのも見えた。
無事だったからいえることだけど、貴重で面白い経験だった。あんなの日本で見たことないもん。

ところでフランス親父ですが、シュノーケリングベストとか着てればもっと早く見つかったんだと思うんです。
日本とかって安全基準がうるさいけど、いざというとき大事なことだなぁとも思った。
せめて海の上では派手なラッシュガードを着たいものですね。
ファッション性で地味な色を選ぶ人は多いと思うけど、地味な色は海の上では目立ちません。
特に子供には絶対に蛍光色を着せるべき!です。死んでからじゃ遅いっすよ~。コワイコワイ。

ハッタ島でシュノーケリング写真館 その2

は、ハリケーンが近づいてくるではないか!

遠くからどんどん近づいてくる筋状の雲
よくテレビで見る竜巻ほど巻いてはいませんが、空の上から雨のスポットライトを浴びているかのような、筒状の雲がすーーっと空から降りてきました。 これが一本ではなく、何本もあって、しかも、北からも西からも来る。
おまけにスコールを降らしながら近づいてくる真っ黒な雨雲が、
バンダ島方面からハッタに向かって近づいてくるのが見える。
今日は、天気が良いからハッタに来たんじゃないの~?

島影の波がたたない場所で待機したことは上で書いたことですが、
こんな時でも島に上陸しないのもちょっとした驚きだった。
その辺りのなわばりの仁義みたいなものがあるのかなぁ。

あたしはせめて陸上の木陰で休みたかったです。はい。

船にどんどん近づいてくる不穏な雲左からも筋状の竜巻がやってくるのんきに泳ぐフランス人の親父船で嵐をやり過ごす
左:バンダから近づく不穏な雲。中左:あちこちで竜巻発生、中右:のんきに泳ぐフレンチ親父、右:船でやり過ごす

山の天気は変わりやすい?ってことでもないけども。空の色が違う。

シュノーケリングボートの船頭さん
シュノーケリングに出る前と出た後のグヌンアピの様子です。
グヌンアピというのは火山という意味で、バンダ島の西にある火山島そのものもグヌンアピと呼びます。
バンダネイラに雨が降る時はこの火山の向こうから雨雲がびゅんびゅんやってくるのです。 朝に比べると若干夕方の方がガスってます。
ところでインドネシアの旅行会社のバンダ島ツアーにはグヌンアピ登山が日程に入ってますが、 どう考えても道なき道を登るとしか思えません。
「そんなに大変じゃないよ」なんて言葉、絶対に信じない!

出発前のグヌンアピの様子船の小窓から覗いたグヌンアピ戻った時のグヌンアピ
左:朝のグヌンアピの様子、中:嵐が去った後船の小窓から覗く、右:夕方のグヌンアピ


インドネシア バンダ島に行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。

旅行時期:2010.12月~2011年1月
100インドネシアルピア=約1円
■ボート:バンダネイラ-ハッタ島 1日 450,000ルピア(乗船人数で割る。)
■食事:ナシゴレン 15;000ルピア、ナシアヤム25,000ルピア
■宿泊:ガマラマゲストハウス 150,000ルピア(エアコン付。なしだと110,000ルピア)

■成田-ジャカルタ航空券 直行便で58,000円~。(参考:海外格安航空券の検索・予約 YAZIKITA)
 ジャカルタ-アンボン航空券 片道9,000円~30,000円(予約クラスによる。)

 アンボンは国際空港なのに外国からの直行便がないと現地人が嘆いていました。
 2011年1月現在、駐機場を一生懸命増やしているので将来的にシンガポールあたりから来るかも?
 ジャカルタ、マカッサルなどを経由してアンボンまで来ることになります。
 ガルーダインドネシア航空の他、ライオンエアなどの格安航空会社の便もあるが時間が悪いです。

私はエイビーロードで金額をざっくり把握、アタリをを付け、個別の代理店に問い合わせます。

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