インドネシア NBA航空(アンボン-バンダ島)手配の顛末(4)
【バンダ島の眠り猫:犬は食べるマルク諸島だが猫は島中にあふれかえっていた】
ガマラマゲストハウスからは徒歩で10分程度で、ウチュと連れだっててくてく歩いていった。
この前しまっていたオフィスの扉は開いていたが、中にはだーれもいなかった。
くるりと振り返るとオフィスの向かいの民家の軒下でおしゃべりしていた男性が我々に気づき、
のんびりとした歩調で近づいてきた。(つまりヒマだったから近所のひととダベってたと。)
「5日の飛行機なんだけど、予約入ってるかな?」
NBA航空のオフィスにあるのはひと組の木製のデスクと椅子だけ。
男は我々の名前を問いつつデスクに座り、カワイイ女の子のイラストが表紙のファンシーノートを取り出した。
まさかと思ったがこれが予約管理台帳だった。
「えっと何日発だっけ?1月5日?」
予約の管理は至ってシンプル。ノートには日付ごとに手書きで予約者名前が書かれていた。
1ページずつゆっくりとめくっていくと、1月5日のページに名前があった!よ、よかった~。
しかし、喜んだのもつかの間。そこに予約の名前としてはしっかり載ってるが支払いの証明がなかったのである。
「航空券代を支払っているのなら引換証持ってないの?」
そんなの持ってない!だって予約を頼んだ旅行会社は次のようにいいきった。
航空券はアンボンご到着時にヤネスがお渡しいたします。 アンボンやバンダは、旅行者がほとんど訪れない場所ですので、バウチャーの未発行や航空券の現地発行など、今時信じられないことがございますが、このような条件で、弊社を信用してくださるお客様には本当に感謝しております。「ヤネスがお渡し致します。」が実現不可能で今に至っているのだ。
返金してくれればそれで済んだんだけども、その返金がすーーと電子的にいかないのが日本と違う。
やっぱり基本的に田舎に行けば行くほど現金社会だ。
「マカッサルの旅行代理店に銀行振り込みで払った。だからバウチャーもらってない。」
電話で予約を貰ったらノートに手書きで名前を書き込み日付ごとに管理する。
航空券の発行は現金と引き替えに航空会社で行う。あくまでもアナログ処理のバンダ島。
飛行機が飛ぶのは週2便。しかも定員は14名なのだからこれで充分。
日本から旅行代理店を通して予約するなんてイレギュラー中のイレギュラーなのである。
NBA航空の男は初めてのことにとまどいながらも携帯電話でどこかに電話をかけた。
受話器の向こうに予約日や名前などを伝え、電話を切ったところできまずーい沈黙。大丈夫だと言って~。
数分後、オフィスにかかってきた電話をとり、ひと言二言話した男は表情も変えずに頷いた。
旅行代理店はちゃんと航空券代を払ってくれていたようで、「航空券発行していいよ」と言われたそうだ。
「で、航空券ほしい?」
ほ、欲しいにきまってるでしょ~!もう!!
何でもアナログ管理なので航空券もやっぱり手書き。複写式の航空券に手書きで予約情報を書き込むタイプだ。
つまり盗まれたら誰でも航空券を偽造できるので、がらんどうになりがちなオフィスでは保管していない。
ガハハハと楽しそうに笑いながらオフィスの外に航空券を取りに行く親父。どこまでものんびりだ。
数分後、航空券の束を抱えて戻った親父は一文字一文字丁寧に予約情報を書き込んでいった。
「あれ?あたしの名前のスペルが違うよ!」
よく見ればファンシーな予約台帳のスペルが間違っていて親父はそれをそのまま写していた。
スペルがちょっぴり間違っていようと「書き間違えたのね」であっさり乗せてくれそうだけど、
国際線の厳密な処理に慣れてるだけに、やっぱりキッパリと訂正を要求したのでした。
このようにアンボンからバンダ島へのフライト予定が二転三転したことに翻弄されながらも、結果的には予定通り。
船のチケットをあわてて取ったり、航空券の手数料の返金を巡って大騒ぎする必要もなくなった。
そして、全てが完了したところで謀ったようにウチュの携帯に電話が入った。ヤネスである。
どこまでもタイミングの良いヤツ。こちらはバタバタし通しだったのに~。
アンボンからバンダ島の航空券はチケットに記載された情報を見る限り、
私が旅行代理店に払った額との差額を見ると、手数料がかなりの額になる。
しかし、突然のフライトキャンセルや日程変更に対応するためにはやっぱり現地の人の助けが必要で、
ヤネスが役に立ったかどうかはともかく、事前に予約したのは間違ったことではなかったです。
特に行きは予約を頼まなければ乗れなかったし、船にしたら滞在時間が2日で終わってたもん。
(2010年の年末にアンボンからバンダに行く往路にあたる船はなかった。)
「インドネシアの離島の旅は柔軟な日程が必要です。」と言い切ったジャカルタの代理店の言葉の通りでしたが、
旅先としてはとってもいいところで、観光客ズレした他の島よりずっと楽しく過ごせました。
バリも悪くはないけども、どっちがいいかと言われれば私はバンダのほうが好き。
アンボンの話などもこれからおいおいかきますけども、のんびりするなら絶対こっちです。
特に時間がたっぷりある学生さんなど、船を使ってのんびり行って欲しいです。
(社会人でも船の運航スケジュールに合えばバッチリいけます。1ヶ月前くらいまで予定たたないけども。)
連続した休みが5日とかしかない人は移動ばっかりになるのでだめでしょうけども。
インドネシア バンダ島に行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。
100インドネシアルピア=約1円
■成田-ジャカルタ航空券 直行便で58,000円~。(参考:海外格安航空券の検索・予約 YAZIKITA)
ジャカルタ-アンボン航空券 片道9,000円~30,000円(予約クラスによる。)
アンボン-バンダ航空券 片道 250,000ルピア+諸税70,000ルピア=282,000ルピア
アンボンは国際空港なのに外国からの直行便がないと現地人が嘆いていました。
2011年1月現在、駐機場を一生懸命増やしているので将来的にシンガポールあたりから来るかも?
ジャカルタ、マカッサルなどを経由してアンボンまで来ることになります。
ガルーダインドネシア航空の他、ライオンエアなどの格安航空会社の便もあるが時間が悪いです。
私はエイビーロードで金額をざっくり把握、アタリをを付け、個別の代理店に問い合わせます。