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仏教の聖地ラージギルもインド人には楽しいテーマパーク。

ラージギルの多宝山リフトに並ぶ若者
【ラージギルに遊びに来た若者。リフトの行列に超楽しそうに並んでた。】
バラナシで雇ったチャーター車でラージギルへ。ハイウェイを飛ばして5時間ほど。お昼過ぎにブッダガヤ周辺に到着。昼食休憩を取った後、予定通りラージギルへ車を走らせた。

ラージギルは仏教の聖地の一つ。
出家した仏陀が修行に入った土地であり、この地にあるグリッドラクータ山(霊鷲山)は晩年に仏陀が滞在し、
説法をしたと言われる場所である。
また、山から数キロ離れた場所にマガダ国の王様が仏陀の教団に寄進した竹林精舎跡などが残されており、
ブッダガヤと合わせ、世界中の信者がやってくる。特に秋から初春にかけた今が最も巡礼者が多いはず。

ガイドブックを見れば、ブッダガヤからラージギルへのアクセスはバスで所要3時間ほどとの案内があるだけ。
地図で見る限り、距離は50km程しか離れておらず、何故にそれだけの時間がかかるのかが不思議だったが、
車を走らせてみてその訳がよくわかった。

まず、すれ違うバスはどれもすし詰め。満員御礼どころか屋根の上まで乗客がいる。
列車など他の交通手段がないため、唯一の交通手段であるバスは大混雑で、 乗客の乗り降りが頻繁である。

また、道中は渋滞などあり得ない田舎の一本道を走るようなもので、
ちゃんとした舗装道路なのだけども、所々に段差を設けてあるのがめんどくさい。
猛スピードで段差に突っ込むと、車が激しくバウンドしてしまうため、
段差にさしかかる度に、徐行運転をせねばならない。

踏切の前や村への入り口、急カーブにさしかかる前に段差を設けるのはわかるのだけど、
見通しも良い直線道路にもある上、段差が現れる間隔が異様に短い。また、減速すんの~?って感じ。
田舎道の50km。この段差さえなければ1時間くらいで着くと思うのだけど、結局、2時間くらいかかった。
道路に信号を設けない代わりの安全対策なのはわかるのだけども、交通量も多くないんだし、
せめて見通しの良い直線道路の段差はなくしてもらいたいものだ。(いちいち減速するからイライラしちゃう。)

馬車に乗ってはしゃぐインド人家族
馬車でポーズのインド人少年。
家族旅行っぽい。
ブッダガヤを出てから2時間弱。ラージギルの霊鷲山にようやくたどり着いた。
主要道路から逸れ霊鷲山への門をくぐると、かなりの数のターンガ(馬車)とすれ違う。
かなり派手に着飾った馬が車を引いており、乗客は明らかにインド人。

ここに来る前、仏教の最高峰の聖地ブッダガヤを通り過ぎたのだけど、
ブッダガヤ周辺で見かけたのは熱心にお参りする仏教徒やほんの少しの外国人観光客(バラナシなんかに比べるとずっと少ない)だけで、
大半の人の目的がお参りなだけに、町の雰囲気は非常に地味だった。

それに比べると、同じ聖地でもラージギルはやたらに浮かれた雰囲気が漂ってるんですけど・・・。

門を通り過ぎてから走ること2キロほど。霊鷲山の麓に着いたらびっくり仰天。
山を登るリフトにインド人観光客の長蛇の列。客待ちの馬車がずらりと並び、駐車場は車で満杯。
馬車に乗れて、リフトで山を登って遊べるところは遊園地。野生の猿もいっぱいだから動物園代わりにもなる。
おまけに近くには温泉が出るヒンドゥ寺院もあるし、公園も遺跡もある。アクティビティはてんこ盛り。

要するにこの辺りは仏教徒ではない彼らにとっては家族で遊びに来る観光地なのである。
まあ私だって似たようなものだが、それでも「仏教の聖地へ行く」という心づもりで来たから、このギャップにはびっくり仰天してしまった。

リフトはディズニーランドを思わせるような長蛇の列。並んでもいつ乗れるかはわからない。
結局、霊鷲山には徒歩で登ったのだけど、思ったほど傾斜もきつくなく、15分ほどでたどり着いた。
途中、道はラトナギリ(多宝山)と霊鷲山方面とで分岐するのだが、インド人はまっすぐ頂上方面を目指すのに対し、
霊鷲山方面へ向かうのは我々だけ。要するに、仏教の聖地なんて知らないんだろな~。
(道ばたで店を開いているおばちゃんが、我々にだけ「あっちだ」と声をかけてくれたくらい。)

恐らくヒンドゥ教徒であろうインド人観光客が全く興味を持たないだけに、霊鷲山は静けさに包まれており、
そういう意味では、わざわざバラナシから強行軍で来た甲斐は大いにあったといえる。
岩陰などにろうそくの灯火が数本揺れていたところを見ると、数時間前にはお参りに来た人はいたようだが、
巡礼者らしき人物と鉢合わせすることはなかった。

シルバーデビルっぽい猿。
シルバーデビルっぽい猿。
バラナシの猿とは種類が違う。
急いで山を下り、車に戻ると、竹林精舎跡と日本山妙法寺を回り、ブッダガヤへと戻った。
ブッダガヤに着く頃はとっぷりと日が落ちてしまったが、なんとか宿も見つかり、強行軍の車の旅も終了。
朝早くから運転し通しだった、ドライバーともここでお別れである。

ちなみに私がインドで車を雇ったのはこれで5回目。
1回目は下心たっぷりのエロ親父。2回目は新車をかわいがるあまり運転が慎重すぎるチベット人。
3回目はまじめなんだけどずるがしこい兄ちゃんで、最後の4回目は下手に出ればつけあがる若造だった。

いずれも全てが満足とは終わらなかったし、特に初回は旅の経験が浅かったこともあり、そうとうやばかった。
今回は思わず「運転手はまともな人か?」と確認してしまったくらいだ。

「もちろんだ。それに君らは我々の客だから何かあったら我々の信用問題に関わる。」

「今、運転手には高速代とガソリン代しか渡してない。なんの問題も起こさず帰ってきたら報酬を渡す。
 だからもし彼が問題を起こしたらホテルに電話をかけてきなさい。」


そんな調子でスタートした旅。手配したホテルからは行き先もスムーズに伝わっており、問題なく進んだ。
出発する前にホテルの人から「ラージギルって何があるの?」となんて言われたけど、運転手はラージギルまでの道もちゃんと知っていて、 迷うことなく一発で目的地に行くことができた。

長時間のドライブ。おまけにルール無用の無法地帯を縫うように運転したわけで、相当大変だったはずである。
さらにこの上、彼は5時間かけてバラナシまで戻って初めて雇い主から報酬をもらえる。

「数年前に車を雇ったときのチップが200~300ルピーだったし、今のインドの物価を考えてこのくらいかな・・・。」

お礼と共に500ルピーを渡すと、意外そうな顔でまん丸く目を見開き、満面の笑みでお礼を言われてしまった。

今朝、彼はバラナシを出るときに友人にお金を渡していたんだけど、
長距離移動で事前に渡される経費が多いわけで、その経費の一部で借金返済してたっぽかった。
毎日仕事があるわけでもないだろうし、大半は近距離移動で楽な分、報酬も少ないんだろうな。

運転手の反応を見る限り、相変わらずインドの職業運転手の地位は低いというか、こっちは車代に7000ルピーも払っているのに 彼の取り分は相当低いとみた。
7000ルピーの1割=700ルピーくらい渡さないといやな顔されるかと思ったんだけども、全然違いました。
(ま、運転手はこっちが7000ルピーも払っていることを知らないだろう。)

あの反応を見る限り、「渡しすぎだったのかしらん?」とも思ったけど、余計なことはしないし、言わない。
こちらの望むとおりに動いてくれて、今まで雇った運転手の中で一番楽だった。

時間がある人はブッダガヤで車を雇ってナーランダと合わせて回ってくればよいと思いますが、
バラナシからブッダガヤの移動は一日仕事になるので、こういう使い方も有りかと思います。
私は早起きが無理だから7時に出たけど、6時過ぎにバラナシを出発して直行すれば時間に余裕ができるし、
インド人に混じって多宝山登ったり(リフトに並んでもいい)、ヒンドゥ寺院の温泉入ったりも余裕かも。

仏教の聖地:ラージギルの写真

ラージギル:仏陀が修行に入った場所。霊鷲山

ラージギル 霊鷲山
霊鷲山を遠くから見上げた写真
出家した仏陀が修行した場所である霊鷲山。 ラージギルの町の外れ、駅からいうと5キロくらい離れたところにある。 麓からラトナギリ(多宝山)を結ぶリフトがあり、多宝山の頂上から降りてきてお参りすることもできるが、傾斜は緩く、参道がしっかり整備されているので普通に歩ける人なら徒歩でも楽に登れる。

午後3時を回っていたこともあり、巡礼に来た仏教徒の姿はなく、管理をしているらしきインド人が2人ほどいるだけで独り占め状態。(インド人は興味がないので来ない。)ただし、管理人が日本語をしゃべれて邪魔するので、無視すべし。
目の前にわざとらしく1000ルピー札が置いてあり、「管理のためにお賽銭は大事」とか抜かす。日本山妙法寺で日本語を習ったのか知りませんが、お賽銭と管理費は意味が違うのです。気分台無し。

洞窟の中ではゆらゆらとろうそくの明かりが揺れていました。

霊鷲山の洞窟(岩陰) 霊鷲山の洞窟に灯りが灯っていた 霊鷲山の岩山
霊鷲山の岩山2 霊鷲山の入り口 霊鷲山の参道にはタルチョがはためく

霊鷲山へ登る参道。

参道を降りていく女たち 参道は緩やかな上り坂。途中には飲み物や土産物を売る地元の人が店を開いています。(下っているのは店じまいして帰宅するとこっぽい。)
インド人には飲み物を売り込むのに、我々には「ろうそくあるよ!お線香あるよ」とお参りグッズを薦めます。
マッチを持ってこなかったので買わなかったんだけど、上に置いてあった気がする。 (管理人にチップを要求されそうだけど。)
参道整備したのも日本寺ですかねぇ。

霊鷲山への参道 霊鷲山への参道2 霊鷲山から見たストゥーパ

ラトナギリ(多宝山)へのリフトと馬車に観光客大喜び。

多宝山へのリフト リフトで山頂に登り、山の上の景色を楽しんだり、派手にデコレートした馬車で移動したりして楽しむインド人観光客がいっぱいいた。
日本ではスキー場や山でリフトはよく見かけますが、インドでは珍しいのかも知れません。
大行列で、並んだら1時間以上かかったと思う。(歩いて登ったほうが早い。)

リフト乗り場の行列 多宝山の頂上にあるストゥーパ 馬車 馬車に乗ってはしゃぐインド人家族

竹林精舎跡(ベヌバナ)

竹林精舎跡の池 仏陀の教団が王様にもらった土地が竹林精舎跡。今は公園になっている。
ただの公園なのでここはインド人の姿は少なく、不人気だった。

しかし久々にインドのUSE MEゴミ箱を見つけました。 鯉の形と蛙の形。 相変わらず実用性は欠けたデザインです。ゴミの回収する人がめんどくさいであろう。

竹林精舎跡 鯉の形をしたゴミ箱 蛙の形をしたゴミ箱 蛙の形をしたゴミ箱正面

日本山妙法寺

日本山妙法寺の仏陀 竹林精舎跡に隣接した日本山妙法寺。オブジェと化した仏陀像があり、インド人観光客の記念撮影スポットになっていた。
内部では男性が太鼓をどんどんたたきながら金平糖を配っており、この金平糖目当ての人たちもいっぱい。(私ももらったけど。)
たぶん金平糖が目当てでもいいから、足を運んでもらって、仏教の教えを伝えていきたい・・・という意味なんだろうけど、 仏陀の奥にそびえ立っている日蓮像が気になるそうで・・・。ここでは日蓮の方が偉いらしい。
日本山妙法寺で太鼓をたたく男 日本山妙法寺で配っていた金平糖 日本山妙法寺の仏陀 日本山妙法寺外観

ブッダガヤの宿

ウェルカムゲストハウス (Welcome Guest House)

ウェルカムゲストハウス客室
Tample Street, Opposite Jai Prakash Park Gate, ブッダガヤ

ブッダガヤの中心マハボディー寺院の入り口の目の前にある宿。
宿代はお湯がふんだんに出て1000円くらいと高くもないし、部屋も割と小ぎれいですが、 「うちは洗濯機あるからランドリーサービスできるよ!」と言われて気軽に頼んだら、 1枚100ルピーといわれて後でもめた。洗濯代が宿代と変わらないのは高すぎ。 (事前に値段を確認しなかったこちらも悪い。)
宿に出入りしているガイドが日本語を話すので、酒屋にビールを買いに連れて行ってもらったりした。彼の評判は良かったり悪かったりするようですが、菩提樹の数珠のことなどいろいろためになる話も聞かせてもらえて良かったです。
「これから一緒に飲みますか?」って、どうせなら一泊目に誘ってよ!(翌朝早かったので断った。)
酒代とご飯くらいおごってあげたのに!(こういうのは気前よく出すが、洗濯代は渋るヤツ。)

インド・黄金街道に行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。

旅行時期:2013年12月~2014年1月
 1Rs=約1.7円

■観光:竹林精舎跡(ベヌバナ) Rs.70
■交通:車チャーター バラナシ→ラージギル→ブッダガヤ Rs.7,000、チップ Rs.500.
■食事:ハッカヌードル Rs.100、ベジタブルフライドライス Rs.60、ドライバーのご飯 Rs.90

■宿泊:ウェルカムゲストハウス (Welcome Guest House)  600ルピー

■成田-ニューデリー航空券 直行便で60,000円前後~。(参考:海外格安航空券の検索・予約 YAZIKITA)
 ニューデリーへはJAL、ANA、エアインディアなどの直行便が飛んでいます。
 私は今回、タイ航空を使い、デリーinコルカタoutの旅程をとりました。(特典航空券を含む。)
 タイ航空、シンガポール航空など、羽田を深夜に出る便から乗り継ぐと町中に日中に着くメリットもある。
 安いものでは、中国の北京、昆明など2カ所くらいを経由する便などもありますが、
 燃油サーチャージの分、経由便は燃油代がかさむので苦労する割に安くはならないです。
 私はエイビーロードで金額をざっくり把握、アタリをを付け、個別の代理店に問い合わせます。